25話
学年別武術大会の抽選が始まろうとしていた。俺がいる場所は第3演習所、1年全員が今ココに集まっていた。
100人くらい集まるれる場所といったら演習所くらいしかないもんな、ちなみに俺の番号札は42番。薫は18番、北枝は70番とほぼ一緒に引いたのにかなり違っていた。
ちなみに文也はみなで職員室に向かうとき「ちょっとトイレ」と言って一人トイレに向かった。文也が帰ってくる前に俺達は番号札を引いてしまい、しばらく機械の前で待っていたが文也は帰ってこなく、珍しく質問しないと喋らない北枝が「…逃げられた…」っと言って猛スピードで探しに行ってしまった。二人はそんまま帰ってこなかった。ちなみに文也はギリギリで引いたのか99番だとのことだ。
「みなさ~ん、お待たせしましたぁ」
桜先生が壇上に現れ、そして桜先生に続いて高さが人の2倍くらいある超ビックなガラガラが引いて筋肉野郎が登場した。
「さあ、自分の成績がかかった運命の学年別武術大会の抽選をはじめます。事前に取った番号札1番の方から壇上にあがって回してください。トーナメント表にあらかじめ番号振ってありますので、ガラガラから出てきた玉に書いてある番号が君達の場所です。自分の運で良い場所は勝ち取りましょう。1番の方どうぞ~」
1番の男子が壇上にあがり桜先生に番号札を渡しガラガラの前に立って巨大ガラガラを回そうした。
「なあ、文也アレ何してると思う?一応俺の目が確かなら動いてないだろ。」
「多分でけぇし回せないんだろ。中の玉とか考えるとかなりの重さだろうし。」
壇上の1番の人はガラガラの取っ手をもってピクリとも動かせていなかった。その姿を見て桜先生が
「ちなみに回すのに魔法使っても構いませんよ~、中に干渉するのはダメですけど。中に干渉したと私達が判断したら罰がありますのでご注意を♪それ以外ならご自由にどうぞ、コレはそんな柔にできてませんので。」
その桜先生が話しをすると、俺の少し離れて横に居た見知らぬ人物がメモをとりだした。
なんか桜先生の言葉に重要な要素あったか?メモをとるほどのことか?
俺と同じくその様子を見ていた文也が
「なるほど、戦いはもう始まっているのか…」
と俺がギリギリ聞こえたくらい小さく呟いた。
はて?もう始まってる?そう考えていると
壇上に居た1番の男子が壇上の床を殴ると床から角材が生え、角材が取っ手を勢いよく押し上げガラガラをまわした。
ガラガラガラ、ポン
「はい二十四番ね、次2番のかたぁ~」
2番の男子が壇上に上がっていく。
なるほど文也の言うとおり、もう大会の戦いが始まってるな。このガラガラを回すのに普通に魔法を使えば自分の属性、使い方、錬度、色々な要素が分かるってわけだ、それもココにいる全員に。この中には自分の相手になる人物にも分かるわけだし、これは上手いこと回さないとな~。
次々とみないろんな方法でガラガラを回していく。
「七十二番ね、次10番の方どうぞ。」
見覚えがある人物が姿を現した、黒髪の長いストレートの女性、藤宮蘭が壇上にあがった。
藤宮さんはコレをどう回しますかな?と俺は楽しみにしていると
藤宮はガラガラの前を何もせず通りすぎ、壇上の隅にいた筋肉バカの前にまで行った。
「先生、コレ私の変わりに回してくれません?先生の力なら余裕で回せますよね?」
「ああ、回せる。だがお前の魔法でも余裕だろ。藤宮」
「私ならなんとかなるかもしれませんが、普通の女子にこんな重たいもの回せませんよ。ですから先生が回してください。」
「うーーむ、確かにの一理あるの。どうやらこの方法を取る理由にも気づいているみたいだしな。よし!良いだろう回してやる。」
藤宮さんの変わりに筋肉馬鹿がガラガラまで歩いて、取っ手を持ち
「おりゃぁぁぁぁ!!」
一言叫び、普通に自身の力だけで回した。
ガラガラガラ
「六十番ね、次11番の方どうぞ~」
良いのかソレ!でもあの筋肉のことだし…
11番の男子が藤宮と同じく筋肉馬鹿のとこに行き、
「男なら自分でなんとかしろ!」
と言われて男子は巨大ハリセンでふっとばされていた。
やっぱりな…あの筋肉野郎が男の言うことなんて聞くはずねぇよな。
「うぅ~どうしたらいいんでしょか…もうすぐ私の出番です、私あんなの回せません…」
薫が不安そうな顔で考えていた。
「大丈夫じゃね?藤宮みたいにあの筋…先生に話せば回してくれるさ。」
「そうでしょうか…今のひとみたいに『自力でしろ!』とか言われませんかね?」
「薫なら大丈夫。俺が保障する。藤宮と同じ方法でいけるさ。」
むしろ俺がどうやって回すかだよ。
薫も俺の言ったとおり筋肉野郎に話しかけ、回してもらって通過していった。そろそろ俺の出番である、ここまで来て大体の回す定番が簡単な魔法、火や水の玉を放って回すってのが多い。たまに思いっきり殴ったり、蹴りいれたりして回している者もいる。多分Cクラスの人たちだろうと俺は予想している。文也はどうすんだろ?何か良い案でもあんのかな?
「なあ文也、コレをなんとかできる良い案あるか?」
「ねぇえな、無難に簡単な魔法で回すのが一番良いんじゃないのか?俺には一つ策ががあるが薦めはしない、どう転ぶか分からんし。」
「それでも良いから教えてくれ。属性が知られているのと、いないのではこれからがかなり違う。」
「無理、俺の策は多分1回しか使えないから、俺自身の時に使わしてもらう。無難に行けよ、てか祐樹は属性変えれるから違う属性でやれば良いだけじゃないのか?」
文也は何かこの解決策を一応もってるようだが教えてはくれないみたいだ。一応俺も指輪を薫以外の誰かに持ってもらい違う属性で抜けることも考えたが、1回戦で違う魔法を使えば俺のアーティファクトの能力が悟られる可能性が高い。なるべくならまだ使いたくない方法である。
どうもにゃあプーです。ただの抽選するだけなのに、また悪い癖でこんなに延ばしてしまいました。今回の内容は正直5行くらいで書こうと思えば書けたと思います。でも色々と思いついてしまい、書いてしまいました。
読んでくださった方ありがとうございます、楽しんでいただければありがたいです。
これからは多分、たぶんですけど更新は3日に1回のペースくらいになると思います。気長にお願いします。