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21話

 現在俺は立ち尽くしていた。

 午前の槍術の授業は何事もなく終わり、前衛の授業が始まろうとしていた。前日問題を起こしたため別のチームに入ることになり、同じDクラスらしい武田、伊達、真田の三人幼馴染チームに俺は入った。

 今日からは大人しくしていようと心掛けていたが…俺の目の前で戦ってる2人は試合開始してから動かず、いきなり火炎放射系の魔法を放って競り合ってる。周囲で戦っている人達もほぼ同じ。

 前衛の授業ってこんな感じだっけ?もっときつい感じだったと思ってたんだが…

 確かにごく一部では前と同じように氷の矢みたいのが沢山とんでったり、3本の火柱とか出てたりする、もしくは剣などで魔法弾いて戦ってたりするのだが…あれってやっぱり上級者の戦いだよな〜

 前までは戦ってる最中に回りなんて見てる余裕なんかなかったし、みんなあんな感じで戦ってるのかと思ってたよ。

 どうやら目の前の2人の決着がつきそうだ。俺からみて右の伊達の魔法が弱まりかなり押され気味になってきた。左側の武田は好機だと判断したのかいきなり火力を上げた。

 ふと気になったが、このままじゃ伊達が火傷しねぇか?

 俺がそう思っていたのも杞憂で、伊達は勝てないと判断して横に避け武田の魔法が伊達の場所を通過し何かに当たり消えた。

 ふむ、最後自分で判断すんだな。判断を間違えると怪我すると…

「だぁ!また負けた。もっと効率よくするには・・・ぶつぶつ・・」

「それじゃあ今度は私達ね、大沢君。どんなのか見てて分かったよね?まあもっとすごいことできる大沢君には楽勝よね。」

 負けた伊達が何か呟いていたが、まあそれは別に良いが…

「いや真田さん間違えてる、俺はまだ魔法すら上手く出せるか分からないんだよ」

「またぁまたぁ、あんなすごいとこで戦ってた人が何言っての?ほらそっち側に立って」

 いや~マジだってつい最近まで自分の属性すら分からなかったのに…と言いたいが確かにあっちのほうで戦ってたから説得力なしと。

「始めていいか?大沢」

 さっき勝った武田が審判を勤めるようだ。

「ああ、いいぜ」

 俺はそう返したが、心の中は不安だらけだった。今の俺は火属性だと思う…間違ってたら確実に魔法で大怪我する。


 昨日の放課後の時までさかのぼる。

「薫、ちょっと頼みがあるんだが・・・」

「はい、なんでしょ。祐樹さん?」

「この指輪を受け取って欲しいんだが…」

 俺は自分のアーティファクトの指輪を手に乗せて薫に差し出した。

「…///」

「「・・・・・」」

 なんか周りの空気が一変した気がする。俺はまた変なことを言ってしまっただろうか?そう思っていると薫が顔を赤らめながら

「不束者ですが、よろしくお願いします。」

 そう答えながら頭を下げ、そして左手の若干薬指を見やすいように前に出してきた。

 ん?何か勘違いされてないか?この状況。

「まさか俺達のいる前で堂々と祐樹が神埼に告白するとは思わなかったぜ、指輪つきで…」

 文也がそんなことをのたまって、北枝もコクコクと頭を縦にふっていた。

「えっ!…告、…は……く?……」

 ・・・・・・・・・・・・・フリーズ・・・・・・・・・・・・・[再起動します]。ウィーーーーン、ガチャガチャ・・・・

 ハッ!確かに俺の台詞を振り返ってみるに、告白とも受け取れる言葉を言っている。

「いやっ!そういう意味じゃなくて!」

 俺は思いっきり叫んだ。だがその俺の言葉を聴いて薫は絶望した顔をしており、あっ、と思った時には周りから冷ややかな視線で見られていた。

「別に薫が嫌いなわけじゃない、薫は料理もうまいし可愛いと思うし、いつも助けてくれたりしてありがたいと思ってる。だからそんな顔しないでくれ。頼む!」

 そう慌てて答えたのが良かったのか、薫の顔に少し変化があった・・・


 ということがあったが最終的には薫をなだめて、その他二人にも納得させて、俺のアーティファクトの一方は薫がもっていることとなった。以前薫が受けている魔法学で小さな火が出せたと言っていたが、確証など何処にもないのでぶっつけ本番である。

「始め!」

 え!ちょっと、まだ準備してないって。心の準備が!

「氷よ」

 真田さんがそう言い、魔力が手にあつまってもう放たれる瞬間だった。げっ、まず!

「炎よ」

 間一髪唱え目の前で氷と炎が衝突しあっている。

 ふぅぃーーー、ギリギリだった。もうちょっと遅かったら凍ってたよ、ちゃんと炎も出てくれて良かった。ちょっと前田さん!好機だと思って火力あげないでー

 俺も火力を上げなんとか目の前で均衡する。

 目の前で鍔迫り合いは心臓に悪いよ、せめて中間くらいにまで戻そう。俺はさらに火力を上げ中央までなんとか押し戻す。

 しかし中央までもって行くのにゴッソリ魔力もってかれた気がする。この魔法の戦い方は見た目とは違い、えらい疲れる。

「よくそんなんで、ここまで押し戻せたね。大沢君はかなり魔力量持ってるのね。でもそんなんじゃ勝てないわよ。」

 真田さんがそんなことをこちらに向かって言ってきた。

「はあ?俺が勝てない?なんでそんなこと分かるんだよ。」

「やってれば分かるわよ。いくわよ、ほらぁ」

 真田さんはさらに1段階火力をあげた。

 ぎゃーやめろよなー。またこっちになるじゃねぇかぁ!

 俺も先ほど押し戻したくらいの火力まであげた。

「ふぅーん、なるほど。んじゃ次いくわよ。」

 さらにもう1段階あげた。俺もそれにあわせて火力をあげたが…

「ぐ、な・・ん・・・だ?」

 俺の力?が抜けていく感じがする。火力が維持できない。

 そう思った瞬間俺の火が消えた、そして俺は倒れた。俺の上を氷も魔法が抜けて消える。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 重力が増したみたいに身体が重い、身体が思うように動かない…どういうことだ?何があったんだ?…

「ほらね、私の言ったとおりでしょ。私の勝ち。おい、武田。大沢君をあっちで休ませてあげて」

「イエス、サー・・・」

「武田!何か文句でもあんのか!ほらさっさと運べ!」

 俺はちょっと慌てる武田の手で隅の方に運ばれ、座らされられる。

「まあ立てるようになるまで休んでろ」

「・・ああ・・はぁ・・はぁ・・ありが・・と・・」

 聞きたいことなどあったが、今の状態では意味がない。俺はそのまましばらく休憩することに専念した。





どうも、にゃあプーです。またストーリーに要らない物を書いてしまった…気がします。読んでくださった方ありがとうございます、これからも気長にお願いします。

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