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20話

 先輩を見つけようにも、俺は先輩のクラス知らないじゃん。

「はぁ〜ちゃんと聴いとけよな〜5話くらい前の俺。」

 このまま偶然先輩と会うとは思えないし、どのみち俺は2年のクラスへ足を運ばないといけないみたいだ。俺は2年のクラスが集まる場所へ向かって歩きだした。

 どうせ行くなら人がいない時に行きたい。1年が1人で上級生のクラスが集まるとこなんて変な感じがあって近づきたくないぜ。

 階段を上り2年のクラスが近くなったとき

「そこの君!ちょっと待った。」

 俺は後ろから声をかけられた。

 この辺りに俺しかいないし多分俺のこと言ってるんだろうな〜。

 俺はそんなことを考えながら歩みを止めた。

 しかし俺よく呼び止められるな〜ただ自転車押して帰ってたのに、警察官に呼び止められたこともあるし、変なオーラでも俺の身体から出てんのか?

 俺を呼び止めた女性が後ろから来た。

「うむ、素直でいい子だ。君、ところでこんなとこで何してるの?」

 俺は振り返り女性を見た。その女性は、髪形がロングで変わったネックレスをしている。そして腕には風紀委員と書かれた腕章をしていた。

 風紀委員……なんか面倒なことになりそうだな〜。別にやましいことなんかないし、真実を話せば問題ないはず。

「ねぇ聞いてる?もしも〜し、なんでこんなとこいるの?もしかして迷子?」

「聞こえてますよ、そして迷子でもありません。人を探してるんです。」

「人?誰?2年生?」

「ええ、2年の白銀葵さんなんですけど…」

 茜先輩は確実にいないだろうが、葵先輩ならもう来ていそうな感じがする。

「白銀葵……ねぇ、葵に何の用?内容によってはぶっ飛ばすよ。」

 葵先輩の名前を出した途端、前にいる女性の雰囲気が物騒になった。

 なんかマズイことでも言ったか?

「えっと……小隊に入ること報告をしに……」

「小隊?………あっ!もしかして大沢君?」

「ええ、多分その大沢だと思います。」

「な〜んだ、そんなことなら早く言ってよ。あっ自己紹介がまだだったね、私は2ーBの愛川麻耶、よろしく♪」

 急に態度が変わったよこの人。何なんだよこの人。

「あっはい、1ーDの大沢祐樹です。よろしくお願いします。」

「1ーD?1D?イチディ?なんか最近もどこかで聞いた気が…まあいいや。葵ね、ならこっち」

 愛川先輩は2年のクラスとは別方向に歩きだした。俺も遅れないよう、ついていった。

 ついて行くと愛川先輩は校舎から出て、さらに裏山付近の広場に行き、そして俺が作ったミステリーサークルの森近くまできて、ようやく目的の人物の姿が見えた。

「おーい!あおいぃーー!」

 愛川先輩が叫び、大きく腕振っていた。その声で気がついたのか葵先輩がこっちに振り向いた。

「麻耶、そんな叫ばなくても聞こえるわ。」

 俺達の‘後ろ’から声をかけられ俺は驚愕した。さっきまで100m以上離れた場所にいたのに……瞬きくらいしかしてないのに、今はその場所には誰もいなく、振り向けば葵先輩がいる。

「相変わらず速いね~葵は。なんて魔法?属性は風?」

「相手に戦術を教えるわけにはいかないわ。理解してるでしょ。」

「えー、知り合いじゃん、友人じゃん、教えてくれてもいいじゃん。」

「嫌です。それで?持ち場から離れてまで何しに来たのですか?まあ何となく予想はつきますが…」

 葵先輩は俺の方を見た。

「あっ!葵に迷子の男の子を連れて参りました!」

 麻耶は敬礼しながら報告していた。

「俺は迷子じゃありません!」

 あーもう何なんだこの人は…マイペースというか何というか…

「えーー、だって私が見つけてなかったら今頃迷子でしょ。」

 ぐぅ、確かにココに葵先輩がいるとは思ってなかったし会えなかったと思う。

「まあそのことは別にして、麻耶はもう戻って良いわ。大沢君、この間の話ね。聞かせて貰うわ。」

「むぅ、もうちょっと居たかったけど、仕方ないよね。風紀委員の仕事あるし。んじゃあ~ま~たねぇ~」

 直ぐさま愛川先輩は後ろ向きで走りながら手を振り、来た道を帰っていった。

 行動力があるっていうか、気まぐれ的って言うのか、疲れる先輩だった。

「………ハァ、愛川先輩って行動力ありますね。」

「そうね、麻耶のあれは長所でもあり短所でもあるわね。それじゃあ時間もないことだしさっそく聞かせて頂戴。」

「小隊への勧誘ですが、大沢祐樹、神崎薫、共に入らせてもらいます。今後ともご指導よろしくお願いします。」

 俺は深く礼をした。昨日の放課後、薫と(+2名もいたが)話しあい小隊に入ることに決めた。

「こちらこそよろしく。そんなに畏まる必要はないわ、こちらからお願いしたのですから。顔を上げてちょうだい。」

 俺は葵先輩の言葉を聞いて顔をあげた。

「じゃあ今日の放課後から13小隊の建物に来てね。それにしても大沢君って朝早いのね、意外だったわ。今日の昼頃に来ると予想してたのだけれど。」

「え?いや今日は偶々です。悪夢を見たせいで朝早く目覚めてしまって、学院に着いてからも暇だったもので…そうだ!葵先輩クラス教えてください。」

「あら?教えてなかったかしら?そうかも知れないわね、私は2-Aよ。また何かあったら来るといいわ。さあそろそろ帰らないとHRが始まってしまうわ、帰りましょ。」

 俺たちはゆっくりと歩いて学院に帰った。

 

 俺がクラスに着くころにはもうHRが始まりそうな時間になっていた。俺がクラスに入ってすぐに声をかけられた。

「やっぱりもう来てたな、祐樹。おはようさん。」

「…ん…」

 いつもの面子の2人がいた。だが1人来ていなかった。

「あれ?薫は?今日はまだ来てないのか?」

「ああ、来ていない。お前のせいで。いつものとこでギリギリまで待つと言ってたぞ。」

「マジで?」

「…本当…」

「マジでマジ。おめーが何も連絡せずにとっととコッチにくるからだろ。せめて俺に連絡入れろよ。」

 確かにいつもより朝早かったからな~まだ寝てると思って何も連絡しなかった。

 薫には悪いことしたな~。その時クラスの扉が開き、薫が顔を見せた。

「祐樹さん来てたんですね。良かったぁ。部屋で倒れてたらどうしようって思いましたよ。」

「ごめん、悪かった。今日はかなり早起きしちゃったから、文也にでも伝言しておくんだったと反省してたとこだよ。朝、葵先輩に小隊のこと話しておいたから今日の放課後からだってさ」

 俺たちは今日の朝も他愛のない話をしながら過ごした。

 

 


にゃあプーです。頭がオーバーヒートしそうです。なかなか頭で考えた表現を文章にできないもんですね。

読んでくださった方、ありがとうございます。お気に入りに登録してくださった方もありがとうございます。

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