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19話

 ◇◆◇◆◇◆


 3人の生徒が出て行ったのを見送った後

「ふぅ〜、藤宮家の令嬢にその楯の江藤、そして‘アノ’大沢かぁ〜。今年の1年どもは個性的な奴らが多いな〜。見たところ藤宮はまだまだだな、その楯の江藤が一番実力が読めないが、楯なんだし何か特殊能力があるんだろう。そして一番の問題は大沢だな。力を扱えきれてないし何もかも荒削り、成長したら一番厄介になる可能性がある。しかもこの面子が揃うとはな、偶然か、はたまた誰かの陰謀か、これから蛇になるか剣になるか…そこは指導次第か。教師という職業はこれだから辞められない!今年は面白くなりそうだ。」

 筋肉ムキムキ野郎はそう呟いて部屋を去った。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 はぁ〜国家の敵、これはなんでもヤバイ気がする。・・・俺は呼ばれた2人と一緒に歩いて医務室に向かっている。俺たちは演習場を出てから沈黙状態で、そんな状況を打破しようとしたのか志郎が俺に話しかけてきた。

「そういえば祐樹、預かってたアーティファクト返すよ。」

 志郎が金色の指輪を取り出し、手の平に乗せてこちらに出した。俺は受け取り、

「またすっかり忘れてたよ、ありがとうな志郎。なあ藤宮、ところでこのアーティファクトの能力ってなんだったんだ?」

 俺は指輪を見ながら藤宮に問いかけたが…

「・・・・今後背後を気をつけることね。いきなりグサッと刺されるかもしれないわよ」

 藤宮はこちらを睨みながらそう答え、ツカツカと先へ行ってしまった。

「・・・そういえばこっちのことも忘れてたよ。あぁぁ〜〜〜、足痛いし、アーティファクトのこと何もわかんねぇ〜し、不幸だぁ・・・」

 そんな頭を抱えて落ち込んでる俺の肩をポンっと叩き、志郎は

「あれはしばらく時間がたたないと無理だな。ついでだけどそのアーティファクトの自分の仮説思いついたが聞くかい?」

 これは紙の御恵み!?これは拝んでおかなければ、

「おお、ありがたや〜、ありがたや〜」

「おい、なぜいきなり拝む。で仮説聞くのか?聞かないのか?」

「聞く、聞く。教えてください。お願いします。」

 俺はすぐに拝むのをやめ、土下座しておねがいする。だってさ俺じゃさっぱり分かんないし、仮説でも当たってるかもしんないし、アーティファクト使えれば何かと役立つだろうし。

「そこまでしなくても…まあ単なる思いつきだし、期待するなよ。最初前衛で自分と戦ってた時、藤宮に指輪預けただろ?そして祐樹は水の魔法を使ってみせたよな?」

「ああ、あん時は水、そして今回は土魔法を使ったけど、俺自分の魔法の属性すら分けわかんないぜ。」

「そうソレ、君の魔法属性とアーティファクトは密接に関係してんじゃないのか?今回は土だったんだし。」

「???どういうことだ???」

「藤宮は水属性の使い手で、最初の時指輪を持っていた。そして今回自分は土の属性の使い手で、自分が指輪を持っていた。つまりその指輪は片方を持ってる人の属性を使えるんじゃないか?」

 ポクッポクッポクッポクッ、チーン!

「おぉ!確かに。それなら俺の魔法の理由もあってるな!その仮説通りなら俺は全属性使えることになるな。俺って凄かったんだな!」

 俺って最強なんじゃね?全部使えるんだぞ。相手の苦手属性にすれば簡単に勝てるんじゃね?

「自分の仮説があってればそうなるが…その状態になるには指輪の相手が4属性もってなければならないといけない、そんな人いるのか?さらに指輪が誰も持たなければ、君は何も使えない魔法使いになるってことだし。」

 何も使えない魔法使い、何も使えない魔法使いって役立たないんじゃ…何も使えない魔法使い…何も使えない…何も使えない魔法使い何も使えない魔法使い何も使えない何も使えない何も使えない・・・

「NOォォォォォーーーーー!」

「おい、どうした、いきなり取り乱して。おい大丈夫か?」

 志郎は俺の肩を掴んでガクガク揺らし始めたが、俺は関係なく神に訴える!

「NO!NO!NO!」

「なんかさらに悪化した感じだな。しかし正気に戻さないと面倒だしな〜う~む、これならどうだ?」

 志郎がどんなことをされようとも俺は神に訴えつづける!志郎が右腕を後ろ側にするように構え、そして右手をすばやく前に出し…

「がはぁ!ごほっごほっ」

 おもいっきり俺の胸あたりを掌でうつ…

「ちぃ、はずしたか…まあいい正気にもどったか?」

「ええ、もう大丈夫です。」

 いきなりこんなことをするのか志郎は、意外に危険人物なのか…とっさに動かなかったらやばかった。

「さっき話たのはただの仮説でしかない、何も調べてないから自分でいろいろ調べて確かめてみてくれ。ほら医務室いこうぜ、その足早く手当てしないと」

 俺たちはそうして医務室に向かったのだった。医務室では、俺の足の怪我より胸のほうが重傷みたかったらしい…何放ったんだ志郎よ…


 俺は医務室での治療を終え自分のクラスに向かっている。小隊のことで薫ともう少し話をしたかったし、結構遅れたがいてくれると良いな〜と思いながら一人でクラスに向かっていた。

 俺がDクラスの扉をあけると…

「お疲れ様でした、祐樹さん。」

「おう、やっと帰ってきたか祐樹」

「…ん…」

 おなじみの三人がいた。

「まだ残ってたのか…みんな暇人だな〜」


 ◇◆◇◆◇◆


 ん?何だココは?

 見渡す限り赤い世界。

 空が紅い、木も草も赤い、建物まで赤みがかっている。しかしこの世界でも一つだけ色が違うものがある。『黒い月』、どこまでも黒くまるで世界に穴が開いてあるようだ。

 何だ?この世界は?来たことがあるような・・・

 今更ながら俺は草の上に寝ていたようだ。横には森があり、赤みがかった建物は学園の校舎のようだ。

「俺は何でこんなとこにいるんだ?」

 と呟いたが思ったより響いた。時が止まったかのように静かだった。

「一体何なんだこの空間は。」

 何かきっかけでもないかと周りを探るため起き上がりると俺の目の前に小さい光が浮かびあがった。

 その光はフワフワ飛んで森の奥の方に飛んでいき、そして俺と少し距離を開けて止まり点滅した、まるで俺を呼ぶかのように・・

「何?そっちへ行けばいいのか?」

 なんとも不思議だが、このままココにいても仕方ないし付いていくか…俺は森の奥へと足を進めた。

 光について行くと少し開けたところに出た。そして今まで案内していた光が消えてしまった。

「おい、何処いったんだよ!」

 俺が叫んだとき、横の草むらからガサガサッと音がした。そして蝙蝠こうもりが一匹飛び出してきた、そして俺の足に張り付いた。

「なんだ?蝙蝠?」

 張り付いた蝙蝠を剥がそうとしたとき、1匹出てきたところから続々と蝙蝠が出現した。

「おう!おう?」

 そしてどんどん俺の身体に張り付いていく。

「ちょっと待て、待てって!」

 蝙蝠に言っても無駄なんだけど、言わないとやってられないくらい俺の身体に張り付いていく、今も次々と張り付いていく。

「離せ!」

 まずい、このままじゃ確実に危険な感じがする。一か八かやってみるしかねぇ。

「火よ、燃やせ!」

 俺は右手にできるだけ魔力を集め、火の玉を作りだし自分に向けて放つ。火傷くらいは覚悟の上!まずはこの蝙蝠を剥がすことが先だ。

 俺は身体が火だるまになると覚悟していたが、火の玉が蝙蝠に当たった瞬間、燃えることなく吸収された。

 はぁ??マジかよ。何この蝙蝠?

 俺がどう剥がそうと考えていると、蝙蝠が出てきた場所から強烈な熱量を持った物が出現した。

 それは約5Mある大剣をもった上半身だけの巨人、しかし剣も身体も全部が炎を纏っていた。まだ距離があるのにかなり熱い。

 俺は巨人と目があった。そして巨人は戸惑う様子もみせず大剣を振り上げた。そのまま炎を纏った大剣を振り下ろせば俺を場所を確実に捕らえている。

 避けないと・・・俺はそう思っていても身体を動かそうとすれば蝙蝠が邪魔でほとんど動けない。

 そして炎を纏った大剣は静かに振り降ろされた。

 ガバッ

 あん?ココは………………俺の部屋?

 俺は凄い汗をかき、凄い勢いで起きたみたいだ。どうやら俺は悪夢を見ていたらしい、なんとなくだが覚えている。炎の剣が迫って…

 あー汗が気持ち悪い。二度寝する気分でもないし、まだ時間はあるからシャワーでも浴びてとっとと学校いくか。


 悪夢のせいでかなり早く起きた俺は今日は一人で登校していた。昨日の放課後、薫と話しあい13小隊に入ることに決めた。相手側にも良いし俺にとっても悪いとこなどなかったからな~

「どこかで先輩みつけないとな~」

 学院についても生徒などほとんどいなく、もちろんDクラスに入っても誰もいなかった。

「一番乗りかぁ、珍しいことやってしまった。にしても時間ありまくりだな」

 点呼まで机で寝てようとも思っていたが、さっさと先輩見つけてしまったほうが良いと思い、荷物を置いてクラスを出た。




ふー、やっと2回目の悪夢…自分は早くストーリー進めたいんだが、なぜか思ったように進まない。

読んでくださった方ありがとうございます。今回は文章にするのに苦戦して遅くなりました。これからも気長にお願いします。

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