1話
金髪のツインテールにトンガリ帽をかぶって箒まで持った、ちんまい女の子がDクラスに入ってきて教壇に立った。
「はぁ〜い、みなさん席に座って〜。おはようございます。」
「おーい祐樹、アレって担任だと思う?」
「俺もしらねーよ、見た目は小学生にしかみえんし」
「このDクラスの担任になった白川桜です。よろしくね〜。こんな姿ですけど君たちより、う〜んと年上だからちゃんと話聞いてくれないと魔法ぶっ放すからね♪」
あのちんまい女の子はどうやら担任らしい、魔法学院大丈夫かよ…
「祐樹さん。魔力がすごく高い人とかは、見た目が変わらないこととかあるみたいですよ。」
俺の後ろに座ってる薫が有益な情報をもたらしてくれた。
「そうなのか?ならあの人は見た目に似合わず、すごい人ってことか……みえないな〜ハロウィンの仮装ですって言われたほうがまだ納得できる。」
「このDクラスは武術・魔法ともに一般人の方が集められてます。みなさん私と一から学んでいきましょう。ちなみにAクラスは武術・魔法ともに優秀な方、Bクラスは魔法が優秀な方、Cクラスは武術が優秀な方が集められてますので喧嘩とかあんまりふっかけないでくださいね、ボコボコにされますよ〜。」
そういう分け方なのか…しかしいつそんなこと調べたんだ?まあ喧嘩なんてしないけどね。
「喧嘩なんかしないけどね、みたいな顔してるけど祐樹のせいでよくからまれたこと覚えてねーのかよ。」
「そうなときもあったかな?」
「祐樹さんが喧嘩なんてするわけないじゃないですか!何言ってるんですか小塚さんは!」
「「・・・・・・・・」」
薫さん、あなたは俺と会ったばっかりじゃないですか…なぜ断定できるんです。
「さて今日は寮での荷物整理とかありますからね〜、入学式だけでお昼には終了です。さてちゃっちゃと第一演習場に行きましょう。迷っても知りませんのでちゃんとついて来てくださいね〜」
俺たちは先生に付いていき第一演習場に到着、入学式が始まった。大抵校長などの話はダラダラとながいイメージがあるが、この学院の校長は
「強くなれ!以上。」で終わった。
それだけで良いのか校長!まあ意味のない長い話よりは良いけど。そして入学式が終わり、教室で解散となった。
「祐樹さん一緒に食堂いきませんか?」
「おし、俺たちも昼飯にしようぜ。どうやって祐樹と神崎が知り合ったのか知りたいし。」
「あなたはいなくてもいいんですが…」
なんか薫がボソボソいっていたが
「そうだな、俺も腹減ったし行くか」
『くつろぎの場』という名の食堂らしい、学生が一気に座れるほど広い、ひろ〜い、広過ぎる食堂だった。俺はB定食を文也、薫はそれぞれ別のものを頼み、三人で俺と薫の出会い話をまじえながら食べた。
「祐樹さん、また明日です。」
薫は一人で寮にいってしまった。
まあ女子寮と男子寮はかなり離れてるからしかたないよな〜
「おし祐樹、俺たちも帰ろうぜ。」
俺たちも寮にむかった。 ここは全生徒個室という寮らしく、
「祐樹、これからもよろしくな。暇だったら部屋に突撃するから」
不穏な言葉を残して文也は自分の部屋に入っていった。俺も自分の部屋へとむかった。自分の部屋はベットにトイレ、シャワーつき、小さなキッチンまでついた一人で住むには十分広い個室だった。俺は荷物をある程度整理したら、疲れたのでぐったりベットに倒れこみそのまま寝てしまった・・・
「おーい、祐樹。いるか?飯食おうぜ」
文也が部屋前で言っていたが、返事がなく扉が開いていたで勝手に入ってきた。
「なーんだ寝てるのか…まあ今日は疲れたんだな。寝かしておくか。」といって出て行った…
次の日、今日は朝から吐き気腹痛がして体調が最悪、朝食も食わずに出てきた、
「学校行ったら寝るかな。」
ボヤキながら学校へむかった。Dクラスへ入ると朝食を抜いたせいかまだ誰も来ていなかった、俺はそんなこと気にせず、自分の席に座って寝た・・・
ガヤガヤガヤ・・・・ガラッ
「お、やっぱり祐樹の奴、もうきてやがった。朝飯の時いなかったし、多分こんなことだろうと思ってたよ。今日はまた死んでるな~。」
文也がクラスに入ってきた。
「ん?文也か?今日はアレだ、かまわないでくれ。」
俺は机にうつぶせになったまま言った。
「あいよ」
そしてしばらくして薫がクラスに入ってきた。
「祐樹さん!おはようございます。あの~なにかあったんですか?祐樹さん、大丈夫ですか?」
薫が俺の机に倒れてる状態に心配したのか聞いてくる。
「神崎さん今朝はおとなしくしといてやってくれ、昼くらいには祐樹は多分回復するから。」
「そうなんですか?」
「ときどきこうなる、なんか朝から体調が悪いらしい。下〇じゃね~の〇痢!」
「いや文也、出ないから下〇でもない」
少し寝てもまだ体調は回復してない、俺は机にうつぶせになりながら耐えていた。なんか周りの女の子たちの話声が聞こえる、占いの話か?今日の魚座は……健康運最悪かよ!確かに当たってるな~こんなときだけ占いもあたるもんだな~っと密かに思っていて過ごした。
「小塚さん祐樹さんのこと意外に詳しいですよね?」
「はぁ?そうか?まあ中学からの親友だしな、つきあいはそこそこながいしな。」
「祐樹さん、体調悪いなら私が今日一日お世話します」
「いやいい、かまわないでくれ。」
俺はまたうつぶせのまま薫に返事を返した。
「そうですか…ざんねんです。」
そして桜先生がきた。
「ヤッホー!今日もみなさん来てますかぁ~?よし要るようですね。今日から魔法の授業です、がんばっていきましょぉ~」
うー体調わりぃ、このまま寝たいが今日は最初の魔法の授業だし、起きて聞かないと!腹痛い…
そして午前の授業が始まった。
「みなさん、アーティファクトって知ってますか?ざっくり言ってアーティファクトとはオーダーメイドの魔導具のことです。そしてただのオーダーメイドじゃありません!他人には全く使えないんですよ!自分だけしか使えない物体なのです。」
へー、俺のアーティファクトどんなんなんだろ?
「おー祐樹つらそうだな~」
「ああツライ。うわ、鼻血まで出てきた。もう帰りたい・・・」
腹痛に吐き気、そしてなぜか鼻血。今日は確実に厄日だ!厄日!
「これ使ってください祐樹さん」
薫がすばやくティッシュ出し渡してくれた。
「祐樹、鼻にそのティッシュでもつめとけ。」
文也の言うとおりにティッシュ丸めて鼻につめた。こんなことをしている間にも桜先生の話がすすんでいた。
「私のアーティファクトはこの箒ですね、魔女みたく浮いたりできますね。ではみなさんのアーティファクト作りましょ。ではここで紹介する人がいます。どうぞ、入ってきてぇ~。」
桜先生がそういうと、クラスの前の扉からド派手な服着た髪の長い可愛い女子が入ってきた。そして
「アトリット・フェルメルトといいます…、ど…どうぞアトリとお呼びください。よ、よ、よろしくお願いします!」
ド派手でカラフルな服をきた子は、クラスの黒板の前で深々とお辞儀しながら自己紹介していた。
「アトリちゃんはね、こんなに可愛いけど、世界でも珍しい錬金術士さんなんですよ。さらにアトリちゃんは自分のアトリエも持ってるのくらいですから凄いんですよ~。そんなアトリちゃんにみなさんのアーティファクト作ってもらうことになってま~す。パチパチパチ」
俺はティッシュで机についた血をふきながら聞いていた。
「それでですね、アーティファクトを作る材料なんですが……なんと自分の『血』なんですよ……というわけで今から採血しま~す。一人一人いきますからね~」
なぜかスキップするかのごとくランランと桜先生が一番前の生徒へと近づいていった。
「あー最悪だな祐樹、今日はとことんついてないな~」
マジかよ、今日は本当に最悪の日だぁー
にゃあプーです。読んでくださった方ありがとうございます。