表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/33

17話

 「おわ、刃物出すならそう言ってよ。あぶな」

 俺に向かって刃が向いていた。前髪が何本かもっていかれた、もうちょっとのり出してたら頭バッサリだったよ。

「……ごめん…」

 北枝は小さく言葉を絞りだした。北枝のアーティファクトはすぐに見えなくなって、下を向きながらなんとなく少なくなってるように感じる北枝は麻婆豆腐をまた食べ始めた。

 なんか落ち込ませちゃった?俺。こんな子が落ち込ませると罪悪感あるんだけど。『どうにかして!この雰囲気』と残り二人にアイコンタクト送ると

 1人はすぐに反応してくれたが、もう一人は無視するみたいだ。

「それって見えなくなったんだけど?どうなってるですか?」

 薫がそう言うと、北枝は顔をあげ反応した。

「…これは…物体になる因子を集めまとめ魔力の糸によりつなげ一つの物体をつくり出し大量の物体の中から自分の考えにあう物体を合わせ能力発動を効率よくなるよう並び変え物体を構築するそして自分が使いやすい形に変形し出来上がる。あとは普通の道具と同じで魔力をこめて使えば良いだけ。先ほど消えたように見えたのは物体を分解しすべてもとの因子に戻したため実際に消えたのではなく因子に戻っただけである………わかった?」

 えーーっと一時思考停止になりました。急に北枝がなめらかにしゃべりだした。いつも口数少ない北枝が・・・それに驚いて話の内容はさっぱり覚えていない。

「ごめんなさい、わからなかったよ、カナデちゃん。もうちょっといつもどおりで、話してくれない?」

 薫が申し訳なさそうに言った。まあ俺と一緒だろ、驚愕してサッパリわからなかったんだろうと思った。そんなことを思っていたら

「話しを聞く限り、カナデのアーティファクトは簡単に言うとイメージ通りに物体を作るみたいだな。」

 文也がそんなことを言った。

「ちょい待て文也。お前はさっきの理解したのか?」

「ああ、別にそんなに難しくなかったろ。なにをそんなに驚いてる?」

「いや、北枝があんなにしゃべるとは思わなくてだな…」

 俺がそんなことを言うと、文也は逡巡し状況を理解したみたいだった。

「授業中のカナデはいつもあんな感じだ。あのくらい喋ることは普通にあるぞ。」

 俺たちはそんな思いがけない事もありながら昼食を終え、それぞれ午後の授業に向かった。


 前衛科の場所は前と同じく第1演習場、入ると前と同じのような感じだが三人組で集まってる感じになっていた。まあ俺も仲のいい友人とかいないので藤宮さん達を探した。藤宮さんと志郎はすでに合流しており、そこに加わった。

「来たわね、大沢君。待っていたわ。」

「こんちわ〜、んで藤宮さん何かあったんですか?機嫌良さそうですけど…」

「大沢君のアーティファクト1日中調べさせてもらっていたもの。」

 はあ?俺のアーティファクト?左の指にはあるし右には・・・・・ない。

「なんで持ってるんですか!てか売ってないですよね!返してください!」

「なんで持ってるって?昨日の前衛科の時借りたわ。ここにちゃんとあるし、一応返すつもりよ。」

 藤宮はそう言い上着のポケットから金色の指輪を取り出した。昨日の前衛科?ん〜確かに渡した記憶はあるな〜その後は・・・・えーっと返してもらってないな、あのまま持っていかれたのかな?確かに売ってはないみたいだが、『一応』返すって…

「一応返すではなく、確実に返してください。」

「まあまあ、落ち着いて話を聞いて頂戴。私が指輪を調べた結果、一応どういうアーティファクトか見当がついたの。だから今から試してみたいの、大沢君協力してね。」

「まあ確かに俺自身もどんなアーティファクトなのか分からないですから、興味があります。ですが必ず返してもらいます。」

 返してもらわないと何かそのまま持っていかれそうな気がするし、その後売られていそう。絶対返してもらわないと。

「でもね〜仮説の検証するために、コレは私達が戦ってる間に志郎に持っててもらわないといけなし、まだ返せないわ。」

 藤宮はそんなこと言い返してきた。なにか?志郎が持っていて能力を発動するのか?その指輪。

 ん〜まあ志郎なら売ったりすることはしないだろ、藤宮の手にあるよりはマシだな。

「なら、今すぐ志郎に渡してください。藤宮さんが持ってる必要はないです。」

 俺がそう言うと、藤宮さんはしぶしぶ志郎に指輪を渡した。

「私ってそんなに信用ないかな〜?」

 藤宮さんがボソっとつぶやいたが、俺たちは―――

「「ない」」

 即答で同時だった。

「えぇぇーー、ショック。志郎までそんなこと言うの?」

「金品、財宝とかを目にした時の藤宮には一切信用できない。普段は信用してるが。」

「むぅ・・・まあいいわ。検証のために今日は私と大沢君ね。志郎は審判しながらソレ持ってて、持ってるだけで良いし」

 藤宮はまだ納得してない言い方だったが、仮説の検証を進めることにしたみたいだ。てか今更ながら気づいたが俺、藤宮と戦うはめになってるし。何も準備してない、槍とかまだ持ってないし大丈夫か俺?死なないよね?

「さぁ準備はいいかしら?大沢君。」

 あ〜どうにもならん、どうせ戦うしかないんだろ!

「泣いてもしらんからな!覚悟しとくんだな藤宮。」

「へ〜言うじゃない。ボコボコにしてあげるわ。」

 何んで俺、藤宮を挑発してんだよ。ココはむしろ手加減してもらうように言うとこだろ。そんなことを考えながら俺は距離をとって構えた。


「始め!」

 藤宮はBだし魔法使いだよな、グリフォンの時も魔法で戦ってたし。遠距離では不利、近接攻撃で仕掛けるほうが良いだろうと判断してダッシュをしようとしたら

「水の精よ。大気より集いて、障害を押し流せ。飛泉瀑布!」

 藤宮がいきなり叫び、俺たちの間の上空から大量の水が発生し、滝のように流れその勢いのまま地面を流れ俺を押し流した。

 おわぁーーちょっと思考しすぎてたか?時間をかけすぎだったか?息を止めながら、しかしどう抜け出すか…

 ゴン!ダァン!

 う〜〜〜痛ぇ。俺は後頭部を何かにぶつけて、身体もその物体のとこで止まった。そして押し流していた大量の水もどこかに流れてしまった。

 俺は痛みをこらえてすぐさま立ち上がり周りもみると、さっきぶつかった物体は演習場の壁のようで壁まで押し流されていた。そのため藤宮とはかなり距離があいてしまっていた。

 この状況はマズイなと思いながら藤宮をみると、右腕を伸ばし人差し指だけを俺に向けていた。

 その姿をみて俺の直感が危険と告げていた、それに従いとっさに俺はその場から動いた。直後、俺のいた場所にバレーボールくらいの球体の魔弾が飛んできて着弾。だがそのまま止まらず俺は走った、藤宮の指から次々魔弾が発射さえているのが俺はしっかり見えていた。

 はぁはぁ、少しは落ち着かせてくれ〜と願いながら左右に動いていた。

 しばし動きながら俺はこの魔法を観察していた。藤宮の魔弾は連射できるみたいだ、詠唱もなしにジャンジャン遠慮なく飛んで来る。しかし狙ったとこに直線に飛んでくるため、少し動くだけで避けられると分かり避けるのはそれほど難しくなくなった。さらに魔弾はだが地面に衝突しても何も変化は起きない。爆発とかもせず、はじけたりもしない、ただ地面に溶けるかのように消える。

 ん〜当たっても大丈夫?とか思ったが…藤宮のことだし、なんかあるだろうな〜でもこのままでは俺の体力がもたないし、このまま接近するか?と少し考えてたため反応が遅れた。

 今まで同じリズムで飛んできたのに次の弾が飛んでこなかった、そして俺は同じリズムまま次へと動いていてしまっていた。明らかに俺の動く場所にもう魔弾飛んできている、俺は身体を無理矢理捻り避けたがバランスを崩しすぐに次へと動けない。

 次弾が飛んでくる、コレは避けられない。何か防ぐ物とかないか?せめて棒とかあればと思った瞬間、左手に木の棒が生まれ俺はとっさに両手に棒を持って魔弾にむかって構えた。棒が魔弾と接触すると木の棒は一部溶けた、そして余った棒はサラサラと砂となって地面に落ちた。

 藤宮さん、溶けるってやばくないですか?俺の身体に直撃していたら…それは考えるな俺!違うこと違うこと、そういえばとっさに構えたけど木の棒って、俺って水属性じゃないの?志郎との時水使った記憶あるよな〜さらに木から砂になるって変じゃない?砂ってことは土属性?どうなってんの俺の属性?余計わけわかんなくなったぜ。


読んでくださった方、ありがとうございます。

ぼちぼちあげていきますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ