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15話

 卯月はさっきの端末に向かい操作している。一応入り口の扉はあるな…壁はないけど扉だけが存在し違和感ありまくり。さて次はどうな空間になるのかな?

 砂漠の空間が歪みが発生し部屋がまた変わり始める。今度はさっきと違って夜だった、昼夜変わるくらいで驚かないが…岩があったり遮蔽物が結構あるフィールドに変わって雰囲気は全く違う感じになった。しかしあたりは真っ白で・・・

「さむぅ!」

「まあさっきは暑かったみたいだから今度は涼しいとこに変えてみました。砂漠から雪山ね」

「う~さっきまで暖かかったのにぃ~」

 いや薫さん?あの暑さで暖かいって…それよかこの冷たさ痛いんですけど…てかこの風景さっき見てたよ。てかさっきの猫人物いないよな!?

 俺は周り見渡して猫人物を探したが、いないようだ。だがこの風景でいるのはさっきのを思い出して嫌だ。

「卯月!もっとマシなフィールドないのか?この寒さもかなり堪えるんだが」

 このフィールドをさっさと変えてくれ。

「そう?俺にはちょうど良いくらいなんだけどな~このままでも良くない?」

 てめぇなんでそんなに平気なんだよ、なんで平然と立ってられる。俺なんか体中がガタガタいってのに――まさか!氷の使い手だから寒さに強いとかあんのか?それかなにか魔法使ってるとか?

「あぁ、あんなとこに暖かい暖炉の火がみえる…そしてなんだか私眠たくなってきたよ…あぁおいしそうなご飯が待ってる…」

「おい!薫!寝るな!寝ると死ぬぞ!卯月、早く別のフィールドに!」

 雪の上に横になってる薫を揺すり卯月ながらへ叫んだ。卯月もちょっと驚いていたが、

 理解したみたく端末を操作して空間が歪み新しいフィールドにすぐに変わった。こんどは木が沢山生い茂ってる。

「今回は密林ね。まあさっきの二つの空間よりマシな空間だよ」

「最初からこういうフィールドしてくれよ。やっと落ち着けるよ。」

「ですよね~こういうとこあるなら最初からしてくださいよ~」

 すぐ横を向くとさっきの状態から一変して普通の元気な薫が立っていた。あれ?さっきまで死にかけてなかった?そこに倒れてたよね?すっごい笑顔でこっち見てるけど。卯月の顔も驚いていたから、まあ多分俺らはこの女に騙されたんだな。まあ俺もあんな暑すぎ寒いすぎ空間なんて嫌だから良いんだけどね。

「しかしVRシステムすげぇな~本物みたいじゃん。気温とか物体とかの感触あるし」

「そうだね、まあそのおかげで空間に有利だったり不利だったりするんだよ。この密林だと障害物が多いから狙撃とかしにくいんだけど、隠れてりするには良い空間だしね。」

「どういう魔法なんですかね?私も特殊ですけどコレも特殊ですよね?」

「ん~錬金術師と魔法研究者が共同開発したらしいけど…僕もそのくらいしか知らない。」

 卯月はあいまいな言い方したし、知らないみたいだな。まあサラッと説明したとしたら俺はこいつと付き合ってられないと思うよ、多分。しかしまだ他のフィールドあんのかな?変えられる前に聞いたほうが良い気がしたので卯月にさりげなく聞いてみた。

「へ~、この空間以外にあとどんな空間があるんだ?」

「あとは平原とか廃墟とか橋の上とかあるよ。ちなみに武術大会でもVRシステム使うみたいだから、どんな感じなのか分かってると有利だと思うよ。この隊は人数も少ないから使い放題だよ、さあ入隊してみる気になったかい?」

 卯月のさわやかな笑顔で勧誘してきた。この笑顔気にくわないが、ん~確かに武術大会の練習とかできるのは確かに便利だよな~。

「まあ無理にとは言わないよ。もう夕食の時間だし案内はココまでだね、僕はシステムを解除してくるよ、ちょっと待ってて」

 卯月はスタスタと端末のほうへ行って操作し始めた。また前の空間が歪み元の何もない広い空間になった。さて帰るかね、薫もついてきてるし部屋の扉をあけるとちょうどそこには葵さんが歩いてやってきた。

「あら、もう終わり?大沢君、神崎さんどうだった?VRシステムは楽しめた?」

「ええ、びっくりしましたよ。でもいきなり砂漠、雪山コンボは勘弁してほしかったですが…」

 俺は途中から卯月のほうを冷ややかに見て、葵さんに話した。

「アレは新入生歓迎の恒例イベントみたいなものよ。真樹をあんまり責めないであげてね。」

「俺も最初姉さん達からあの歓迎は受けたよ」

「そうなんですか、私たちだけじゃなく恒例イベントなら仕方ないですよ。まあ私は楽しいかったですから」

 薫にもそう言われてしまったらどうしようもないじゃないの。俺も卯月を別にちょっと困らせてやろうかと思っただけだし

「責めてるわけじゃないですよ。今日は案内ありがとな、卯月。」

「いやいや、姉さん達があんな状態だったしね。君たちが入る可能性が少しでも高くなるなら案内くらいするよ。僕も楽しめたし」

 そう話ながら出口まで行き

「2,3日以内に返事は頂戴ね。」

「はい、ではまた2,3日以内に」

「じゃあな~良い返事待ってるよ」

 俺たちは寮にむかって帰った。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 はあ~祐樹達は行ってしまったし、カナデは残ってるけど教室はもう誰も残ってないし、俺たちもそろそろ帰るか。

「俺はもう帰るけど、カナデお前はどうする?」

「…一緒に帰る…」

「カナデは寄る所とかないのか?」

「…ない…」

「帰る方向違うけどついて来る気か?」

 かなでは縦にうなずいた。チ、どうしても憑いてくる気か…どこかの蛇さんみたく帰るか、それともダッシュで帰るか・・・無理だろうな~この状態で憑いてくるだろうし、下手に憑いてきて怪我とかされるともっと最悪だし。・・・普通に帰るか。そして俺(+カナデ)は教室を出た。


 俺は少し歩いてさっきの考えを後悔しはじめた。廊下とか外とかにまだまだ人はいて、そして視線が刺さる刺さる(主に男子)。まだ寮につく半分くらいなのに…あ~もう我慢ならん、特にそこにいる三人、ブッ潰してやろうかな~。俺は腰にある双銃に手をかけた。

「動かないで!」

 いつの間にか俺の後ろにかなで以外の女性が立っていてナイフが背中につきつけられていた。

「君、今攻撃魔法使おうとしたよね?指定の場所以外での魔法、禁止なの知ってるよね?」

 すげぇ威圧感が後ろからビシバシ感じんだけど…てか魔法禁止なのかココ。知らなかったぜ。

「手を上げてこっち向きなさい。抵抗はしないこと薦めるよ、手足が動かなくなっても知らないから」

 俺は素直に手をあげ後ろを向いた。かなでもまだ憑いているらしく一緒に回る感じになった。

「見ない顔ね、1年生?ナゼ魔法を使おうと思ったのかな?まあなんとなく分かるけど。」

 前には髪形がロングの変わったネックレスをしてる女性がいた。腕には風紀委員と書かれた腕章をしていた。

「ちょっとイライラしてまして」

 あー定番の台詞しか出てこなかった。もっと良い感じの言葉とか浮かばないもんだね。

「ふ~ん、まあ初犯だし、未遂で防げたから今回は許してあげよう。次は尋問室直行だからね。んでクラスと名前は?」

 ふ~~、一応許してくれるみたいだ、助かったのか分からんが素直に従ったほうが良いよねこの場合。

「1-Dの小塚文也」

「1-Dの小塚君ね。そしてあなたは?」

「…1-A、北枝カナデ…」

「1-A?珍しい組み合わせね~どういう関係?」

「お兄ちゃん「みたいな感じです」」

 やっぱり言うと思ったよ。ここからどう事情説明するかね~

「小塚君、きみ洗脳とか使えるタイプ?使えるならブラックリスト入りだよ。」

 かなり警戒しながら女性は聞いてきた。あーやっぱりその反応しますよね、てかブラックリスト入りって嫌だよ。

「いいえ、できません。できるとしても使いたいとは思いませんし。カナデとは専門の授業で知り合いました、どうもカナデのお兄さんとどこか似ているらしく懐かれました。」

「ふ~ん、そうなの?北枝さん?」

 カナデは頷いた。

「むむ、う~ん・・・まあ信じてあげましょう。なんか不審な動きをしてる輩とかいたら報告してもらってもかまわないから。私は2年の風紀委員、愛川麻耶。今度やったらとっ捕まえるから覚悟しててね。」

読んでくださった方、ありがとうございます。

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