14話
やっとあの頭痛からの生活から復活!
「えっマジかよ、Bって藤宮と同じ・・・・」
Bか…藤宮と同じくらいの実力・・・藤宮の実力は知ってるつもりだが、やばいんじゃね〜の?俺。結構フランクに接してたけど、俺は知らぬ間に相手を不快にさせたりするみたいだし…
俺が背中に冷や汗をかいていると隣から救いの手がきた。
「氷って珍しいんじゃ…授業の4系統になかったはずですよね?」
「ああ厳密にはないけど、まあ水の系統の変異ってことらしいよ。僕は氷は扱えるけど水は使えないし、ちょっと特殊な性質だな。おっ、ちょうど着いたよ、ここがトレーニングルームだ。」
扉あけて入るとそこは俺の部屋くらいの広さの何もない部屋だった。
「何もないな・・・」
「何もないですね・・・」
「まあ確かに見た目的に何もないな、でも壁には対魔法障壁が張られてる。壁の中に障壁を張る魔導具が埋め込まれているみたいだよ、多少の魔法使ってもビクともしない。見てて」
卯月は奥の壁に向かって右手をあげ
――shoot a bullet through the wall――
と小さくつぶやき小さな氷の弾丸が複数右手の前に現れ、連続で壁に向かって飛んでいった。
弾丸は壁に当たる前に何か見えない物に阻まれ、はじけた。
「まあこんな感じ魔法とか使っても平気って部屋だね。技とか編み出すのに便利だよ」
「わーすごい、本当に氷の魔法を扱えるんですね。」
「信じてなかったのか?でも普通あっちの壁がすごいと思うんじゃないのか?」
「そうなんですか?私は魔法自体1回しかみたことなかったですから、祐樹さんもそうですよね?」
「えっ?いや俺は前衛の授業でドンパチしてるから、そんな感動してないが…でも俺も氷の魔法は見たことないから壁より魔法のほうが興味があるな」
そんなことを言ってはいるが頭の中では、Bクラスはやはり毒蛇くらいの魔法をあっさりやってしまうのか?こいつも藤宮と同じ、怒らせるとヤバイなと結論づけていた。
「そっかDクラスだもんな、魔法自体珍しいのか…まあ次の部屋いこう」
さっきのトレーニングルームは5室ほどあるみたいで、俺たちはトレーニングルームを出て次の部屋の前まできた。
「ここが次の部屋だ、まあここもトレーニングルームだ。」
「「え?」」
「まあ疑問もあるだろうが、入れば分かる。」
ここは自動ドアらしく、ウィーンと開いて俺たちは中に入るとそこは………雪国だった。
見るからに吹雪であり、いつの間にか後ろの扉までなくなっていた、そいて薫、卯月もいなくなっていた。そして俺の後ろにいるのは
「にゃあぁぁぁーーー!さぶいよぉぉぉーーーーー!ここはにゃんにゃのさぁぁぁーーーーーー!」
と叫んでいる猫耳と猫しっぽをつけ、手には肉球がついた手袋をしている人物。
薫と卯月はどこに?てか誰だコイツは?俺の友人にこんな知り合いはいないはず。まあコイツは置いといて、まずはこの寒さをなんとかしないとな~
俺は一人で歩き始めた。すると後ろから
「お肉・・・私のお肉・・・どこへ行く?・・・」
なんか嫌な予感の言葉が聞こえた気がする。ここで振り向いてはダメだ。走ろうとしたが足元は雪でうまく走れなった、そうしている間に俺の背中にさっきの人物が乗っかり、おんぶしているような感じになってしまった。
「いったっだきま~す!」
「おい!やめろ!俺はおいしくないぞ!」
俺の背には大きな口を開けたさっきの人物・・・
・・・
・・・
・・・
「・・さんっ・・・うきさん!・・祐樹さん!」
目の前には薫が呼びかけて立っていた。
「大丈夫ですか?いきなりボーっとしてましたけど・・・どこか具合が悪いんですか?」
そうか、さっきのは幻だったようだ。俺は部屋に入る瞬間が何かの鍵になってたのか、俺は変なものを幻視していたようだ。
「いや大丈夫。」
俺は薫にそう答えて、改めて部屋の中を見ると
「ひろっ!」
見た目はさっきのトレーニングルームと変わらないが、第1演習場並みの広さあるんじゃないか?
「ここでチーム戦やらの練習するわけだよ。このくらい広くないとできないでしょ。ちなみにこの部屋だけVRシステムってのがあるね。」
「VRシステム?って何ですか?」
「擬似空間システムのことだよ、って言ってもイマイチわからないと思うから見てて」
そう言って入り口近くにあったATMみたいな端末を卯月は操作した。
卯月が端末を操作すると、この空間に歪みが発生し部屋がすべて砂漠へと変わった。
「なんだコレ?砂漠になった?…そしてあっち~」
天井もなく空が見え太陽がギラギラ光ってるし、壁だったとこは無くなって地平線が見えてるんですけど…床は砂になってるしちゃんと感触もある、陽炎だっけ?なんかゆらゆらしたものも見える。
「どう?これがVRシステム。ちなみにすごい遠くまで見えるけど、1辺1kmの立法体の空間だから無限に行けるわけじゃないから」
「すごいですね、まるで本物みたいです。砂もちゃんと触れますし、どうなってるんですかね?」
薫はしゃがみ砂をさわって楽しそうにしてるが、さっきの部屋天井まで1kmもなかったろ何処までも行けそうなくらいに見える。まあそこは魔法でなんとかしてんだろ。つ~か暑い。あついあつい、汗がダラダラながれてきてんだが…
「VRシステムはなんとなく分かった。卯月、他のフィールドとかにもできるのか?さすがに暑いんだが…」
「そうだね、流石に俺もこの暑さは辛いね。次の空間に設定するよ。」
卯月は端末へ歩いていった。
ちょっと短いかもしれない。読んでくださった方ありがとうございます。これからも気長にお願いします。