13話
「それでなんで私たちなんですか?私たち強くはないですよ?」
薫も同じ考えだったみたく、俺もそのことが聞きたく葵さんの言葉を待った
「あなたたち裏山のサークル作ったでしょ、否定しても無駄よ。私かなり耳が良いの、かなり遠くにいてもハッキリ聞こえるから。」
「えっ!?……いや、俺たちいたけどサークルなんて作ってませんよ。」
思ってもみない理由に俺はあのときの記憶が一部なかったが、あんな威力の魔法できるわけがないと葵さんの目を見て否定した。
しかし葵さんは俺の言葉にも揺らがず、すぐに反論してきた。
「いいえ、大沢君あなただわ、あのサークル作ったのは。私はあなたが唱える呪文を自分の耳で聞いたもの。」
またしても驚愕のことを言い出した。俺も記憶が一部ないし本当に俺がやったんじゃ?と不安になっていると薫も不安になったのか、つぶやいた。
「……そうなんですか?祐樹さん」
俺に聞かれても、俺が何があったか知りたいくらいだし。俺は薫に本音をもらした
「いやそんなこと言われても…覚えてないし…」
そのつぶやきも聞こえていたのか、違うとこから返答があった。
「そう、覚えてないのも仕方ないわ。あれほどの魔法だもの、それにともなった莫大な魔力も必要になるわ。魔力を一気に使えば使った時の記憶が無くなっても不思議ではないわ。」
そんなことってあるんだ……とすると俺がやったのか?確かに状況を見るにあってはいるが…俺はあのときの状況を振り返り思考した。
「まあそういう理由であなたたちには私たちの小隊に入って欲しいの。入ってくれるならコレに名前を書いて欲しいのだけど?どうかしら?」
葵さんはどこからか2枚の紙を取り出して、俺たちの前のにまで出してきた。紙は入隊届けと書いてある、名前ところ以外は書いてあり名前を書けば即入隊できる状態になっているみたいだ。しかし俺がこれを書いてしまうと薫まで入ることになるんじゃないか?とよぎり薫のほうを見た。
「あの〜葵先輩?祐樹さんが選ばれたのは分かりますが、なんで私まで選ばれたのですか?……いや別に入るのが嫌というわけでなく、祐樹さんと一緒なら私はかまわないんですが…一応知りたくて」
「そうね、まず人数的にあと1人欲しいってのもあるし、チームを作るわけだから仲がいいのにこしたことないってのもある。でも1番の理由はあなた特殊科だったから。あなたはこれから大沢君よりすごい使い手になる可能性が非常に高いの、だから来てもらったの。」
葵先輩は優しく微笑みながら薫を諭すように語った。
「ぅぅ……私にそんなに期待されても…」
薫は入るのに抵抗はなさそうだし、薫も俺のついでではなく選ばれた理由があったが、ここで入隊届けを書いてしまうのは気がひけた、俺はそう考えをまとめて話すことにした。
「猶予をください、今すぐに決めるにはいきません。もう少し考えさせてください。」
「確かにいきなりですものね、2,3日内に決めてね。あまりにも永いとこっちも考えを変えないといけないし。」
確かに時間をかければ良いってもんじゃないしな〜と考え
「わかりました。薫もそれでいいよな?」
「ええ、私は祐樹さんについていくだけですし問題ないですよ。」
薫は満面の笑みで言った。いや自分のことなんだしもう少し考えようよ、言いたかったがこの笑みを見てると無駄だなと思い言わなかった。
「まあ重要な話は終わったし、ここに折角きたんだしゆっくりしていって。なんなら体験でもしていってもかまわないし。ところで姉さん。入ってきたらどうですか?」
葵さん最初は俺たちに優しく言い、最後のほうは入り口の扉にむかったちょっと棘のある言い方をした。
それを聞いたのか入り口の扉が開きアイスティー2つもってを苦笑いをしながら茜先輩が入ってきた
「あはははっ……やっぱりバレてた?持ってきたはいいんだけど入るタイミングなくて…遅くなったけど2人ともアイスティーどうぞ」
テーブルにストローとアイスティーがおかれ、ちゃっちゃと椅子に座ってしまった。
だが葵さんの追撃がはじまっていた
「姉さんはココの隊長なんですから、堂々と入ってくればいいのです!さらにずっとそこにいたかの様に言ってますけど、ちょっと前についただけじゃないですか!こんなに永くアイスティー持ってくるのに時間かかりません!それまで何してたんですか………」
葵さんが茜先輩を叱ってるかのような感じになってしまった。俺は葵さんの威圧するような眼光と会話で喉がカラカラ状態だったので、アイスティーにストローをさして飲んでやっと落ち着いた。
俺たちは置いてかれた状態になりすることがなく、俺は薫に話し掛けた。
「薫どうする?ココで一休みするのはいいけど先輩たちあんな状態になってるし、帰るか?」
薫はアイスティーを飲んでいたが、口を離し答えた
「私は体験とかちょっとしてみたかったですけど…兄弟?姉妹喧嘩みたくなってますし…」
「それなら僕が案内しようか?」
うぉ、びっくりしたぁ。いつの間にかすぐ後ろにいた卯月に肩に手をおかれて話かけられ、俺はソファから少し体飛び上がった。卯月の悪戯が成功してニンマリの笑顔をみて、心の中でこいつワザとだなと思いながらも聞いた。
「お前いつからそこにいた?」
「結構前からいたよ?葵と裏山のサークルについて話してたあたりかな?」
こいつ存在感薄いよ、全く気づかなかったぜ。それよりも聞きたいことがあった。
「卯月も入ったばっかりだろ?できるのか?」
「僕は入学の時から入れられたから。茜も葵もあんな状態だし、体験は無理だけど施設の案内くらいできるよ」
どうする?と俺は薫にむかって首をふったが、薫は俺のほうをみて微笑んだ。私の返事はいつもと同じです、とでも言いたげな態度に俺は苦笑しながら言った。
「なら頼むよ。入隊するかどうか決める要素にもなるだろうし。」
「OK、ならさっさと行こうぜ。あっちの火の粉が降りかからない内に。」
確かに先輩のほうはまだキャンキャン、ガウガウとでも聞こえてきそうな状態であり、あれに巻き込まれるは御免だ。俺たちはアイスティーは残っていたが、テーブルに置いてそそくさと部屋を出た。
俺たちは部屋を出て廊下を歩いていたが、ふとっ思ったことを卯月に聞いてみた。
「卯月。同じ1年ってことは聞いたがお前はどのクラスなんだ?Dクラスにはいなかったし」
「ん、言ってなかった?」
「はい、聞いていません。私も記憶にありませんし。」
卯月はちょっと考えて、別に言ってもかまわないと判断したんだろう。こちらに向き直り
「1のBだ。これでも一応氷の使い手だ。」
にゃあプーです。考えてるストーリーがなかなか進みません、たまに?結構?思いついた関係ないことまで、たくさん書いている気がします。これは癖と言っていいのか…気長によろしくお願いします。