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1 僕らの戦場ごはん

わたしたちは旅と言えば聞こえはいいが、旅をしている。


『皆さんは普段どんなごはんを食べているだろうか?

食べることは、生きること。そう私は考える。』


さぁ、ここは――ヒュードンドンドン。

ヒュードカーン。爆発音が空気を裂き、砂埃が舞い上がる。


戦場の真っただ中である。


『おいゆう、火力が高すぎる。ガスの無駄遣いだ。計算をしろ』

朝日あさひ しずかは眼鏡の奥で鋭い視線を走らせ、

財布とにらめっこをしていた。


『固いこと言うなよ静! 景気よく行こうぜ、ヒュー、ドカンとな!』

わたしたちは旅と言えば聞こえはいいが、旅をしている。


なぜか幼少期のころに出会った、この俺のクローン――夕と一緒に。


『ほら、できたぞ! 今日は一人卵2個だ。豪華だろ!!』


夕は鼻歌まじりに、机へドンと皿を置いた。


『て、おい。卵は明日までの分も買ったよな。まさか全部使ったのか!?』


静が冷たい視線を送る。


とっさに夕はふてくされたように言った。


『いいじゃねえか。もう少ししたら町なんだからよー』


お金の管理をしているこちらの身にもなってほしいものだが、

昔からのことなので、もう慣れた。


まぁ、食べるとしよう。


静・夕『いただきます』


今日の料理は目玉焼きとパン、そしてかぼちゃのスープだ。


目玉焼きは半熟で、黄身がとろっとしていてうまい。

かぼちゃのスープは少し甘味があり、パンを浸して食べると絶品だ。


一つ困ることは、毎回腹いっぱいになることだ。

人間は腹八分目がいいと聞いたが……まぁ、うまいからいいだろう。


夕の料理は雑だが、味だけは本物だ。

どこで覚えたのかは知らない。聞いても教えてくれない。


『うまいだろ?』と得意げに笑う顔が、

なぜか、少しだけ腹が立つ。


……いや、悪くない。


『なぁ静、明日は何作る?』


夕はもう次の食事の話をしている。

この状況で、よくそんなことを考えられるものだ。


だが、その能天気さに救われているのも事実だ。

一人でいたら、私はとっくの昔に廃人になっていたろう。


明日には町に着く。

食料の補充、ガスの買い足し、子どもたちへの差し入れ……

いろいろ備えなくては。


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