私をもう愛していないなら。
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家のギブソン伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫でありホスキンス伯爵家当主のアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、ジェーン・バーカー男爵令嬢と。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
***
時刻は空が真っ暗になった夜。
アイクは屋敷へと帰ってきた。
「ただいま、メアリー」
アイクは帰ってくると私に挨拶をした。
そして私の元へと来ると、頭を優しく撫でながら穏やかな表情で話しかけてきた。
自分では見えないけれど、私はきっととても冷たい表情だったはずだ。
「今日は疲れたよ。少し仕事が忙しくてね」
丸っきりのウソだ。
だって、仕事をなんてせずジェーンと歩いているのを私は見たのだから。
私は少し問いかけた。
「どんな仕事だったの?」
「ああ、えっと、商売の話をちょっとね。ルーム商会から新しいのを贔屓してくれ、って」
そうしてアイクはウソを重ねていく。
彼は私にはまだ浮気がバレていないと思っているのだろう。
最後に、一番重要な質問を。
私はアイクの目を見つめた。
「アイクは私のことを愛してる?」
アイクはニコリと笑った。
仮面のような温度のない、冷たい笑顔だった。
「もちろん、愛しているよ」
そしてアイクは、息をするように嘘を吐いた。
「っ」
彼が流れるように嘘を言い放ったことに、私は静かに息を呑んだ。
予想はしていた。
浮気をしていたのだから。
真実を問いただしたところで、アイクはきっと私にウソをつくだろう、と。
しかしこうして息をするように嘘をつかれると、さすがにショックを受けた。
胸が痛い。
でも真実を言わないと。
「ウソよね?」
「いいや、嘘じゃない」
アイクは額から汗を流した。
自分の浮気がバレていると勘付いたのかもしれない。
「じゃあ、なんでジェーンとキスしていたの?」
私は核心に切り込んだ。
アイクの目をしっかりと見据える。
アイクは無表情になって少し目を見開くと、無言で私を見つめた。
そしてゆっくりと口を開いた。
「……見ていたのか」
「今日、家から帰ってくるときに見たわ」
「まいったな……、ウチの馬車がないかしっかり確認していたんだけど」
「当然よ。ギブソン伯爵家の馬車をつかったんですから」
アイクは深く息を吐いた。
そして覚悟を決めたように私を見た。
「メアリーの言うとおりだ。僕は浮気していた。ジェーンとね」
「…………どうして」
「君を、愛することができなくなったんだ」
ズキン、とその言葉は私に突き刺さった。
「なぜ」
目に溜まる涙を堪えながら、私は質問する。
こんな奴のために泣いてなんかやるものか。
「ジェーンに比べると、君には魅力が無かった」
パン! と私はアイクの頬を叩いた。
「……」
アイクは黙って反論しない。
その程度には罪悪感があったということだろうか。
「実家に帰らせてもらうわ」
アイクを睨みつけ、震える声で私は言う。
「…………分かった。慰謝料は後で請求してくれ」
それに対してアイクは淡々と告げた。
そこには微塵も後悔はなかった。
「……っ!」
私は後ろを振り向いて部屋から出ていく。
今にも零れ落ちそうな涙は、最後まで我慢した。
***
(一年と少しで帰ってきてしまった……)
私は実家であるギブソン伯爵家へと帰ってきた。
最初の頃、初めての結婚に胸が踊っていた私は、こんなに早く帰ってくるとは思っていなかった。
しかし結果は情けなくも浮気をされ、離婚。
父や母はなんと言うだろうか。
私は憂鬱な気持ちで屋敷の扉を開けた。
いきなり帰ってきた私を不思議な顔で迎える使用人に挨拶をして、私は父のもとへ向かう。
談話室の扉をコンコン、とノックした。
「私です。メアリーです」
「メアリー? 入ってくれ」
父は突然帰ってきた私の名を不思議そうに呼んだ。
「どうしたんだ、こんな夜更けに突然帰ってきて」
談話室の中には母もいた。
「実は……」
私は父と母にどんな経緯で帰ってきたのかを説明する。
アイクの浮気を見たこと。
そしてそれをアイクが認めたこと。
父と母は話を聞いているうちにどんどんと表情に怒りが混ざっていった。
「そ、そんなふざけたことを言われたのか……!」
「まさか彼がそんな人間だったなんて……!」
そして父は私の肩を強く叩いた。
「安心しろ! ギブソン家の全てを使ってアイクを追い込んでやる! たとえどんな手を使ったとしても──」
「やめて、父さん」
「メアリー?」
「父さんの気持ちは嬉しいけれど、私はもうあの人とは関わりたくないの。離婚もして慰謝料がとれるならそれで十分だから」
父は不服そうだったが、当人である私がそう言うなら、と聞きいてれて矛を収めてくれた。
「分かった。メアリーがそこまで言うならやめておこう。ただ、慰謝料はしっかりともぎ取ってやる」
「後のことは私達に任せなさい。辛かったわね、メアリー」
「ありがとう、父さん、母さん」
私は父と母に抱きつく。
そして離婚された私を温かく迎え入れてくれた二人に感謝するのだった。
***
そして夜が明けて。
父と母は早速アイクから慰謝料をもぎ取るために奔走し始めた。
そのため、屋敷に私は一人残ることとなった。
私も手伝おうとしたのだが、二人から今は心を休めなさい、と諭された結果、家に残ることになったのだ。
食事をしたり、庭を散歩したりしながら時間を潰す。
何もすることがなく、手持ち無沙汰になっていたところ、来客があった。
「久しぶり、メアリー」
私が出迎えると、そこには幼馴染のハルト・シュタインがいた。
彼はシュタイン侯爵家の当主で、アイクのホスキンス伯爵家よりも数段上の家格を持つ。
シュタイン侯爵家とは領地が隣接していることもあり昔から繋がりがある。
黒い髪に黒い瞳。
それを引き立たせるように白い肌。目が覚めるような美貌。
記憶とは違う彼の立ち姿に、思わず私は目を見開く。
「は、ハルト……?」
「なんだその顔、幽霊でも見たような顔だぞ」
「ちょっと変わりすぎでビックリして……」
目の前に立っているハルトは、私の記憶にあるハルトとは全然違っていた。
昔はもっと背が小さくて、自信が無さそうに私の後ろをついてきていた印象だった。
今のはハルトは背が高く、体格も昔よりがっしりとしていて男らしい。
そして、凄く格好良くなっている。
「そうじゃなくて、ええと、なんでハルトがここに?」
「用事があったんだ」
ハルトは何でもない、と言う。
その表情にどこか見たことがあったが、分からない。
「それより、メアリーこそなぜ屋敷に?」
「それは……」
私は少し目を伏せる。
その表情で察したのか、ハルトはすぐに心配そうな表情になり、私の顔を覗き込んできた。
「何かあったのか?」
「うん、いいの。あの人とはもう離婚するって決めたから」
「……浮気か?」
「……」
私は頷く。
ハルトは眉をひそめた。
「メアリーという女性がいながら浮気をするなんて……」
「ちょっと、やめてよ」
「お世辞じゃない。メアリーはこの世で最も素晴らしい女性だと思ってる」
「や、やめてってば」
歯の浮くような賛辞に私は照れる。
けれどハルトはいたって真面目な表情だった。
「じゃあ、俺は帰るよ。……色々とやることができたみたいだし」
「え? うん……」
そう言うとハルトはさっさと帰ってしまった。
そのハルトの背中をぼーっと見送って、私はあることに気づいた。
「結局ハルトの目的は何だったんだろう……?」
***
パーティー当日。
ドレスを着た私は、母と一緒に最後に身だしなみを確認していた。
「わざわざ新調する必要なんてなかったのに……」
「そんなことないわよ。せっかくのパーティーなんだからしっかりしたものを着ていかないと。それに、適当なものだったら彼が悲しむじゃない」
「別にハルトはそういうのじゃ……」
私は否定するが、母は一切聞いていない。
そうこうしている内にハルトが家まで訪ねてきた。
「ハルト」
「メアリー」
扉を開けてハルトが入ってきた。
どうやら案内されたらしい。
「……綺麗だ。とても似合ってる」
「あ、ありがとう……」
ハルトは入ってきていきなり私のドレス姿を褒めてきた。
一切の照れ無しで褒めてくるので、逆にこちらが照れてしまう。
「さぁ、行こう」
ハルトはそう言って腕を差し出した。
エスコートしてくれるようだ。
その時、私は思い出した。
アイクはこんなエスコートをしてくれたことがなかった。
いつもパーティーに出る際は私は横を歩いているだけだった。
それが私を愛していなかったからかどうかは今となっては分からない。
けれど目の前のハルトはアイクよりも格好良く、優しいのは確かだった。
「ありがとう」
私は腕を取って歩き出す。
そして馬車揺られること十分。
パーティー会場へついた。
ハルトは馬車を降りるときも私をエスコートしてくれた。
ハルトのエスコートはあまりにも丁寧だった。
一つ一つの所作が、私を丁重に扱ってくれていることが分かって、嬉しかった。
世間で言う、お姫様になったような気分だった。
「楽しいね、ハルト」
「そうか。それは良かった」
私は初めてパーティーを楽しいと思った。
誰か大事な人と来るパーティーは、こんなにも時間が輝いていることを初めて知った。
しかし、その輝きは次の瞬間消えた。
目の前に、アイクとジェーンが現れたからだ。
「……」
「こんちには! 奇遇ねメアリーさん。あなたはパーティーに出ないだろう、って聞いてたけど」
アイクは私の顔を見て気まずそうに黙り、逆にジェーンは勝ち誇った笑みを私に対して向け、皮肉を飛ばしてきた。
何故私がパーティーに出ようとしなかったのかを理解しているのに聞いてくるのは、そういうことだ。
アイクを奪い取ってジェーンは私に優越感を抱いているらしい。
ハルトが私の前へと歩み出た。
「既婚者にはしたなく言い寄った盗人の分際で、随分と猛々しく勝ち誇るんだな。君に恥という感情はないのかな?」
「なっ……!」
ハルトの顔にジェーンは眦を吊り上げる。
「では失礼」
ジェーンが癇癪を起こし私達を怒鳴りつけようとする寸前、ハルトは私の腕を掴み、くるりと振り返った。
「ま、待ってくれ!」
しかしアイクが引き止めてくる。
振り返るとアイクは信じられない光景でも見たような顔で、私の顔を見つめていた。
「ほ、本当にメアリーなのか?」
「……? そうですけど」
「…………そんな、まさかこんなに……」
ブツブツと呟くアイク。
その声は小さく、意味は全く分からない。
様子のおかしいアイクを見て、ジェーンも訝しげな顔をして「ちょっと、アイク?」と肩を揺すっている。
「メアリー、行こう」
「う、うん」
ハルトに促されるまま、その場を離れた。
会場の隅の方にやってくると、ハルトが心配そうに訊ねてくる。
「大丈夫か」
「大丈夫。ハルトが庇ってくれたから」
「すまない。離婚して数日でまさかパーティーに来てるとは思わなかった。もっと気を配るべきだった」
「いいえ、ハルトは全く悪くないわ。それに言われたことも全く気にしてないから大丈夫」
ジェーンとアイクともう会うことはなさそうな会場の端まで来ると、私たちは一息ついた。
水を受け取り飲んでいると、隣のハルトが眉をひそめて誰かを見ていることに気づいた。
私もその方向を見て顔をしかめた。
アイクがこちらを向いて立っていたのだ。
隣には、なぜかジェーンがいなかった。
アイクは私たちの方向へと歩いてくる。
「なんのつもりだ」
ハルトは私の前に出て守るようにアイクを睨みつける。
声音も低く、アイクを警戒しているようだった。
こんな状況なのに、ハルトに庇われて少し胸がときめいた。
「少しメアリーと話がしたいんだ」
「君に止める権利はないだろう? これは元夫婦同士の話なんだ」
そしてアイクは近づいてくると、強引に私へ話を続ける。
「メアリー、僕とやり直さないか?」
「……はぁ?」
私とハルトは声を揃えて疑問の声をあげた。
今更何を言っているのだろうか。
やり直したい?
冗談じゃない。
「ホスキンス。俺達を馬鹿にしているのか?」
「いいや。これは僕の本心だ。君ともう一度やり直したい」
「何を言っているの。そもそもあなたにはジェーンがいるでしょう」
混乱して頭を押さえながら話していると、アイクはきっぱりと告げた。
「ジェーンとはもう別れた」
「は?」
私とハルトはまた同じく声を上げた。
アイクの言っていることがますます理解できなくなったからだ。
「今日、君を見てどれだけ君が美しい女性だったのかということを理解し直した。やっぱり僕には君が必要だ。もう一度ボクとやり直そう」
「やり直すって……ジェーンは……」
「君とやり直すために、彼女とは別れてもらった。実を言うと彼女にはもう魅力を感じなくなっていたし、問題はない」
「いや、そんな勝手な……」
「君のために全て捨ててきた。僕の手を取ってくれるよね?」
アイクはそう言うと跪き、私の手を取った。
私はすぐに手を離す。
「触らないで! 浮気したくせに虫が良すぎるのよ!」
「それは謝ろう。君に魅力がないと言ったことも撤回する。でも君が近すぎて君の魅力をはっきりと捉えられていなかったんだ。灯台下暗しとはまさにこのことだ」
「都合のいいことばかり並べないで! あなたとはもうやり直すつもりなんてないわ!」
「メアリー、僕は君を……」
「そこまでだ。いい加減にしてもらおうか」
そこでハルトが私とアイクの間に入った。
アイクはハルトを睨みつける。
「だから僕の邪魔をするな! これは元夫婦の間の話で──」
「俺とメアリーは婚約している」
「は?」
今度はアイクが素っ頓狂な声を上げる番だった。
「お前とメアリーが離婚したあと、新たに婚約し直したんだ。これでもまだ割って入る権利はないと言うつもりか?」
私はそんな話を知らないので、これはハルトのアドリブだろう。
ただ、何故かとても演技には見えないような、リアリティのある振る舞いだ。
「ふざけるな、そんなのただのでまかせだろう!」
「いいえ、違うわ」
私はハルトの腕を組む。
「私は彼と婚約しているのは本当よ」
「なっ」
「えっ」
私の言葉にアイクと、なぜかハルトまでもが驚いたような反応を見せた。
「だからもうあなたとは結婚なんてできないわ」
「っメアリー! 君は僕を──」
「いい加減にしろ!」
眦を吊り上げ、私へと怒鳴りだそうとしたアイクを、ハルトが一喝した。
「浮気してメアリーを傷つけた挙げ句、自分の都合でまた結婚し直そうなんて、お前は一体何様のつもりだ!」
「くっ……!」
アイクの顔が悔しげに歪む。
その顔を見てまだこりていないと思ったのか、ハルトは強い口調で言い放った。
「我がシュタイン家がホスキンス家との間で行っていた取引は全て中止! 融資の件に関しても白紙にさせてもらう!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
アイクが焦ったように言う。
「取引の中止どころか、融資まで白紙だなんて! 今うちの財政状況は知ってるだろ!? 融資がなければホスキンス家は潰れてしまう!」
「知ったことか。もとより、お前へ嫁いだメアリーが苦しい思いをしないように助けてやっていただけだ。離婚しただけでなくメアリーを苦しめた今、助けてやる義理はない」
「そ、そんな……」
「メアリーを蔑ろに扱ったこと、せいぜい後悔しろ」
アイクがガクリ、と膝をつく。
今のアイクはハルトに全ての取引と融資を打ち切られたショックからか、顔から血の気が引いて真っ青になっていた。
それを冷たい目で見つめていたハルトは私の腕を引いた。
「メアリー、行こう」
アイクから離れたところにやってきた。
するとハルトは私の手を取って、言った。
「婚約の件について、本来ならふさわしい場所と状況で言うつもりだったんだが……順番が入れ替わってしまって申し訳ない」
「ハルト……」
私は次の言葉を察して、顔を赤く染める。
彼が私と「婚約している」と言い出したのは単なるアドリブじゃなかったのだ。
「メアリー、もし君が良ければ……婚約してくれないだろうか」
「っ」
嬉しくて、息を呑む。
私の答えはもちろん決まっていた。
「……っはい!」
***
そしてアイクには高額の慰謝料が科せられた。
今、アイクは必死に様々な貴族に頭を下げて、借金をさせてもらえないか頼みに行っているそうだ。
しかし、シュタイン侯爵家に取引をすべて中止されたことが噂として出回り、他の貴族にも取引や借金を断られているらしい。
ホスキンス家の財政状況を支えていたシュタイン家との取引がなくなった今、アイクは家財道具や屋敷まで売らなければいけない状況のようだ。
両親からは「借金すらできなくなるなら、行き着く先は奴隷になるしかない」と、今のアイクの状況を教えてもらった。
残念だけど、同情する気にはなれない。
そしてもちろん、アイクと浮気していたジェーンにも慰謝料が科せられた。
こちらも男爵家の財産の殆どを売り払う結果になり、ジェーンの現状はアイクと同様、悲惨なことになっているようだ。
家を存続させるにはお金をもらうためにどこかの家に嫁ぐしかないが、アイクと浮気した醜聞が広がっているため若い貴族の男性はジェーンを避けており、貰ってくれるような貴族は年を取った中年や老人の貴族しかいないそうだ。
そして私は今、ハルトと一緒に暮らしている。
実はハルトから正式にプロポーズを受けたのだ。
今まで誰とも結婚していなかったのは、私をずっと昔から想い続けていたからだそうだ。
そしてこれは後から聞いた話だけど、私がアイクと離婚して実家に帰ってきたとき、ハルトが家に訪ねてきたのは私の両親がハルトを呼んだからだそうだ。
ハルトの長年の想いを知っていたのと、傷心の私を見て、私とハルトが結ばれてくれたら、と考えてのことだったらしい。
私はとても驚いた。
まさかハルトがそんな想いを向けていてくれたなんて知りもしなかったからだ。
しかしハルトの目は本気だった。
そして私の方もハルトに徐々に惹かれていたので、私もハルトなら、とプロポーズを受け入れた。
アイクから庇ってくれたハルトなら、この先ずっと守っていってくれるはずだ。
何度も衝突することはあったが、ハルトへの気持ちは冷めることがなく、またハルトも浮気することは無かった。
私達は今、すごく幸せだ。
ご一緒に自作『かくして魔王は世界を救った』もいかがでしょうか?
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