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「信じてもらえない2人」

昼休みにサッカー部の生徒らにまぜてもらって

ゴールキーパーの練習をしてみる。

一瞬のボールの動きに精神集中して

飛びついてパンチングでシュートを

阻止するのはムズカシイけど楽しい。


グラウンドを突っ切って砂埃を巻き上げながら

黒く輝く車が走ってきて止まった。

最新型のベンツだ。

運転席から降りてきたのは蒼く光る坊主頭で

金縁に焦げ茶のサングラス、

そしてサンダルではないシブい本物の雪駄を

履いたゴツイ男。

ヤ、ヤクザ?? 高校に??

「あ、S田先生や。」

ひとりの生徒がサラッと言った。

ええっ! この人があの、、、、。

普通科でなく園芸科に

どう見てもカタギじゃない先生がいる、

と指導をしている水泳部女子から聞いていた。

オーバーなことを言うなあと

内心思っていたけど、

ま、まさかこれほどのコワモテとはっ。

ウワサでは「オンナ」にスナックを

4軒経営させているとも聞いたけど、

いったい何者なんや?

「花の応援団」とかのマンガに出てくる

キャラかっ。



1学期もいよいよ終わりに近づいてきて、

初めて自分で苦労して保健科の期末テストを

作成した。

受け持ちのクラスの1つに試験監督として

向かう。

今日は授業もしないし、まあいっかと思って

いつもの黒いジャージの上下じゃなく、

初めて普段着で来ていた。

ハタチから自分で切るようになった髪は

ツンツン立てて前髪だけをパラっと

たらしている。

紺色のサングラス風のメガネ。

ムササビのように肘から腰までがつながった

白いハデなデザインのジャケットに

太腿からスネまでボタンがズラッと並んだ

ストーンウォッシュのグレーのジーンズ。

黒のサンダル型の靴に

パステルグリーンの靴下。

当時22才の俺はとにかくチャラいのだった。


廊下を歩いていくと角から突然目の前に

現れたのはS田先生だった。

うわあーー、この人ホンマのホンマに

教師なのかああ??

しかもよりによって「園芸科」って、

ジョークかよ。

S田先生はそのオソロシイ風貌からは

想像つかない意外とかん高い声で言った。

「ちょっと! 

部外者が学校に入ってきたらあかんやんか!」

「え、いや、ボクは今年から保健を

教えにきている講師なんですけど、、、。」

予想外の俺の答えに驚いた様子で

「ええっ!! 

ア、アンタ先生かいなっ!!」

と上から下までジロジロ観察してくる。

(それはこっちのセリフやっ!!)


世間からとても教員とは見てもらえない2人が

お互い唖然とした出会いの瞬間であった。


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