「オンナの推測」
ああ、秋風がアタマに涼しい、、、。
体育科 対 社会科のソフトボールで
惨敗して、なぜか成り行きで
体育大学受験以来のボーズ頭に。
(第10部分参照)
翌週、同じくボーズにした
体育科主任のK山先生と並んで
授業を担当するクラスへ向かって
歩いていくと、廊下にいっぱい
たむろしている生徒らが
俺らのアタマの異変に気づいて
うわあーーっ!!と大騒ぎする。
こんなハズカシイことで
注目されたくないわー。
「ええーーっ!!
なんでふたりともボーズ頭なん??」
「先週の先生同士のソフトボールで
体育科が大負けしたからやてえ。」
「ウソおおおお!!」
「K山先生のは知ってたけど
レオ先生もボーズにしたんやあ!!」
「きゃあー、一休さんみたいー!!」
「ハイ、先生あげるう〜。」
なぜか1人の女子生徒が
クシをプレゼントしてくれた。
体育教官室でソファに座ると、
部屋に入ってきた砂かけババアY田先生が
後ろから大笑いする。
「ああーっはっははは!!
アンタらふたり並んで座ってたら
満月が2つ浮かんでるみたいで
ケッサクやな!!」
K山先生が
「そやから俺の横に
座るなっちゅうてんねん!!」
と怒鳴る。
「そんなあー、たまたまですやんー。」
ああー、
元通りの髪の長さに戻るまで
何か月かかるんやろか?
週末、高校の同級生から
「ミナミへ行こや。」
と電話があった。
彼とは仲良しでこの2、3年
時々女の子をひっかけにも行く。
いつも何時間も歩き回って2人組に
飲みにいこう、と誘いをかけるけど
なかなかそう簡単にはいかない。
5、6組くらいにフラレて
あきらめてふたりだけで飲んで
帰ることもよくあるし、
たま〜にはいきなり1組目で
意気投合して飲みに行って
ダブルデートになることもある。
最初は道行く全然知らない女の子に
声をかけるということに
すっごく抵抗があって緊張したけど、
勇気を出して2、3組立て続けに
あっさりフラレてみたら
妙にスッキリして割り切れた。
「やっぱり難しいよなあ。
俺ら特にハンサムでもないし、
いきなり知らん男に誘われたら
やっぱり警戒するよなあ。
でもまあ、いいやん。
別に悪いことをしてるわけじゃ
ないんやから。」
うまくいこうがいくまいが、
今からどんな土曜の夜が始まるのか
まったくわからないワクワク感が
楽しくて、ゲーム感覚で歩き回る。
おかげで、まあいい意味では
行動的で大胆になってきて、
後には多くのガイジンとの交流や、
海外ひとり旅を始める原動力とかにも
繋がっていったのかもしれない。
今日はこんなボーズ頭じゃ無理やろなあ、
と思いながら待ち合わせ場所に行くと
もう1人別の同級生も来ていた。
「ええ〜〜っ!!!
ウソやろおおお!!
またボーズが来たあっ!!」
また??
驚いている彼の向こう側を見ると
なんともう1人の同級生も
ボーズ頭にしてるではないかっ。
「来週こっちの耳の手術を
することになってな、
医者に、髪があったらあかんから
ボーズにしておくように、
って言われてん。
おまえらいつも楽しそうやから
いっぺんまぜてくれよ〜。」
3人中2人がボーズなんて、
ついてくる女の子はおらんやろけど
まあ3人だけで飲んでもいいやん、
と歩き出した。
3人組はなかなかいないから
仕方なく2人組に声をかけると
意外にも盛り上がって
居酒屋に行くことになった。
女ゴコロなんてやっぱりわからない。
「え〜と、レオ君って言うのね。
で、なんでボーズなん? 野球部?」
「いや、学生じゃなくて
高校で体育と保健を教えてるんよ。
非常勤講師やけどね。」
「ええ〜〜〜っ! 先生!?
もお〜、ウソばっかりい〜〜。
先生がミナミでひっかけてくるう?」
「まあ、、、あんまりそんな
チャラい先生はおらんやろけどなあ。
でもホンマやっちゅうのに。」
彼女はヤキトリを食べる手を止めて
俺をじいいーーっと見つめた。
「レオ君、もしかして、
生徒を妊娠させたん?」
「なんでやねえ〜〜ん!!」




