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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
番外編

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番外編 高木君とバレンタインデー

俺は今日、マサトに誘われてショッピングモールに来た。


「よー。高木久しぶりー」


「おー。マサト元気か?」


俺が待ち合わせ場所に行くとマサトはもう待っていた。マサトとよく来るショッピングモール。武蔵とも来たことはあるが、マサトの家が近い事もあって、俺らは良くここで待ち合わせをして、ぶらぶらしたりする。


「マサト、今日は買い物に付き合ってくれって、彼女でも出来た?」


「高木。今、お前は世の男の半分に喧嘩を売ったな。いいか、彼女がいるのはお前だけだ。いいか。俺の統計ではな、世界の男の人口の半分は彼女はいない。そして、俺はその、お前とは違う半分側にいる訳だ」


「お。おお。マサト、なんかゴメン」


「いいか。俺は別に彼女が欲しいわけではない。可愛い子と遊びたいとか好きな子が欲しいとは思うけどな。でも、いないからと言って、寂しいわけではない。いいか、高木。分かったか」


「おお。分かった」


「よし。今日はな、俺はねーちゃん(三人)達から頼まれた、チョコレートを買いに行かなきゃいけないんだよ。今の時期に男が一人でチョコレート売り場を彷徨うのはちょっと寂しいだろう?でも、男二人なら、スイーツ男子と思われるかもしれない。だから、高木、今日は付き合ってくれ」


「ん?まあ、いいけど。マサトのねーちゃん達は自分で買わないの?好みとかあるんじゃないのか?」


ショッピングセンターの中はピンクのハート、白の可愛いモチーフ。キスマークなんかで埋め尽くされ、何処をみてもバレンタイン一色だった。


「ねーちゃん達からはちゃんと、これを買ってくるようにって、メッセージを貰ってる。しかも、第一希望から第三希望までそれぞれな。三人も姉がいるとな、一番下の俺なんてもう召使と一緒だ。言う事聞かないと、三人から攻撃されるんだぞ?女三人からいっせいに攻撃だぞ?恐ろしいだろ?母ちゃんの援護射撃もあるしな」


「お、おお。大変だな?」


「ああ…皆、相手がいないんだよ。だから下手な事はいえねえしな。上のねーちゃんは仕事に生きるタイプだからまだいいんだけどな。真ん中のねーちゃんは喧嘩別れしたばっか、変な事いうと、物理的にもやられる。下のねーちゃんは好きなアイドルを追いかけているけど、推しの悪口を言うとやられる」


「そうか。でも、大変そうだけど楽しそうだな」


俺がそういうと、マサトは首をかしげたが否定はしなかった。マサトはなんだかんだ言って、姉ちゃん達から可愛がられていると思う。だからこうやって言う事も聞くんだろうな。


「うちの親父のチョコも買ってないらしくて、俺に買ってこいって。同じ、子供なんだから、俺が選ぶのも当然なんだそうだ。まあ、そうだよな。ねーちゃん達が金出して、俺が選ぶ。まあ、そんな感じだ。あと、母親の分と、じーさんの分とか色々買わなきゃいけないんだ」


「成程な」


「あ。そう言えば、ねーちゃんが言ってたけどな。バレンタインは男から何か、贈ったりするらしいぞ?高木は彼女にプレゼント贈るのか?」


「え?」


武蔵からは「高木君、バレンタインね、チョコのお菓子焼こうか?お菓子何が食べたい?」って聞かれて、武蔵の家で今度チョコレートパイと、ブラウニーを焼いて貰う。俺がコーヒー豆挽いて、一緒に食べて、まったりして、ちょっといい感じになって…。という事を考えている。俺が何か贈るなんて考えてなかった。


武蔵を思い出して顔がにやけそうになるとマサトから小突かれた。


「おい、捨てられないようにしろよ!」


武蔵に捨てられる。


縁起でもない事を言うマサトに小突き返しながら俺達はバレンタイン特設コーナーに行ったが、チョコレートは色んな種類があって見てるだけでも楽しかった。


辺りを見回すと、女性が8割位か。やっぱりと言うか圧倒的に女性が多い。


マサトが買ったチョコを眺めながらスマホをいじって、頼まれている商品を確認した。


「この時期しかない、チョコが出てるんだと。ねーちゃんの友達も皆、自分用買ってるって言ってたな。高木も彼女に買ってもいいんじゃないか?ねーちゃん達、ホワイトデーのお菓子より、バレンタインデーのチョコの方が貰って嬉しいって言ってたぞ。贈り物、チョコでもいいんじゃないか?」


「え?そうかな」


「ああ、別に高木からやったっていいだろ?彼女に貰うばっかりより、高木がプレゼントしたら彼女、喜ぶんじゃねえの?ねーちゃん達のお勧め、チョコ、限定品ですっげえ人気って言ってたぞ?」


「え。じゃあ買う。俺も贈ろう」


武蔵が喜ぶ。それならば買うしかない。


確かに。武蔵は確か、チョコ好きと言っていた気がする。みかんも好きって言ってたな。あ。ピンクのチョコも可愛いな。


俺が一生懸命選んでいると、店員から話し掛けられた。


「ご自分用にですか?贈り物ですか?」


「えっと、彼女に」


俺がそう答えると、店員は凄い笑顔で「素敵ですね!」と言ってくれた。


「え?彼女に?」


「まじ、最高じゃん」


近くにいる女の子達もざわっと俺の声に反応してくれた。


「彼女の好みはー?」


何故か、マサトにギャルが話し掛け、俺の彼女の雰囲気をマサトが説明し出した。


「ねえ、女子ってだけでさ。可愛い感じの贈るのは止めたほうがいいからね?その子の好み、しっかり考えて贈った方がいいよ?私、昔、誕生日にハートだらけの花の詰め合わせ貰ってマジ、引いたから。」


「分かった。ハートだらけは止める」


俺が頷くと店員さんも頷いた。


「彼女様の好きな色、好みのお味、色々種類もございますので、お伝えして頂ければ」


「おい、高木。コーヒーに合うのとか、いいんじゃないか?彼女、コーヒー好きなんだろ?」


マサトも頷いて俺の事を見る。なんだかこの辺一帯の人間が俺を見て、武蔵の事を聞きたそうにしてくる。


「みかんが好きって…コーヒーも好きだけど。でも、最近はほうじ茶とか、抹茶とかも飲んでたような…」


「みかん?」


「抹茶?」


「ほうじ茶?」


皆が当りに目を配り、店員さんが一つの商品をサッと手に取った。


「こちらは?フランスから取り寄せているオランジェットでございます」


「あ、ねえ、店員さん、京都の抹茶のチョコなかった?あれは?」


「ほうじ茶とかのチョコもあったよね?」


「おい、高木。このナッツのヤツ、入れ物が可愛いぞ、これもいいんじゃないか?」


何故か、ギャル数名、店員さん、マサトがそれぞれ散っていっては、商品を手に持って俺の所に戻ってきた。


お洒落な箱。美味しそうな抹茶のチョコ。綺麗な形のほうじ茶のチョコバー。それに、フランスからのオレンジのチョコ。もう、どれを買えばいいんだ?


武蔵…どれが喜んでくれるかな…。可愛い武蔵の顔が浮かぶ。


『高木君』


そう言って、喜んでくれたらもう、それだけでいい。


武蔵の好きな物。


「お、オレンジで」


そう俺が言うと、皆が頷いた。


「うん。いいんじゃない?」


「うん。好きな物を選んでくれたって喜ぶと思う」


「じゃ、俺、抹茶とほうじ茶のヤツ、母ちゃんに買うわ。ねーちゃん達からもこういうの頼まれてて…」


そこから、マサトの買い物を店員さんが手伝ってくれて、俺達は無事買い物を終えて、マサトはギャルと仲良くなり、ニコニコしてバレンタイン特設会場を後にした。



「マサト、ありがとな。俺も買えてよかったよ」


「おー。よかったな、高木。きっと、彼女喜ぶぞ」


「ああ。なんだかバレンタイン、楽しみが増えた」


俺がソワソワしながら、オレンジのチョコを武蔵に渡すまであと二日。


驚く武蔵の顔をやっぱり可愛いと思うまでももう少し先だ。

最近、また、この「爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方」がランクインしていまして、久しぶりの高木君を書きたくなりました。


私はバレンタイン当日よりも、準備している期間が好きでして。なので、今回は高木君と武蔵ちゃんのバレンタイン当日の話ではなく、チョコを渡す準備をするバレンタイン前のお話になりました。


では、皆様、楽しいバレンタインを!!ハッピーバレンタイン!!





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