表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/55

番外編 高木君の悩み1 かおるこさん視点 

お久しぶりです。甘々ではありません・・・。

「ふんふんふ~ん☆」



今日も私はご機嫌で仕事をする。この間、はるちゃんがカットに来た時にジャーマン高木君に抱き着けたわぁ。


相変わらずいい身体だったのよね。最近、ジャーマンシェパードを見るとうっとりして見てしまう自分がいるわ。


そして、犬から脅えられてる気がするのよね。犬を飼いたいわねと、ちょっと思うけどこの間ぽろっとそんなことをオトモダチに言ったら、絶対駄目!と諭された。



「ペットを飼っちゃダメよ!!もう、彼氏出来なくなるわよ!!ペットに全部持っていく事になるのよ!カレピが出来てから、二人の子供とするならいいけど。でも、犬も猫も寿命考えると切ないのよね。私はやっぱり飼えないわ」



そうよねえ~。そうなっちゃうわよね~。


私は最近片思いしている居酒屋の彼の事を思い出した。「らっしゃい」と言ってビールを運んでる姿が素敵なのよねえ。


あの、太い上腕二頭筋が素敵だわ。タオル巻いてる短髪も素敵だわ。


はるちゃんじゃないけど、最近人を見ると動物に見えてくるのよ。居酒屋の彼(高橋君)は熊かしら。グリズリーね。ほうっと息を吐いてカラー表を持っていると、「店長、顔、逝ってますよ」と、山下が言ってきた。



「逝ってないわよ!通常運転よ!」



まったく、失礼な奴だわ。


そうやってご機嫌で仕事を終え、私は、今日は仕事終わりに高橋君に会いに行こうと居酒屋にルンルンしながらむかって行った。居酒屋に着いてカウンターで一人で飲んでいたが、グリズリー高橋君は見当たらなかった。


今日はお休みなのかしら。がっかりしてトイレに行くと、聞きなれた声が個室の方から聞こえてきた。


「・・・・先輩・・どうしたら・・・」



「・・うーん・・高木・・・」



うん?少し聞こえた声に高木君の名前が聞こえる。やっぱりさっきの声は高木君?こそーっと個室の方を見ると、丁度注文を持ってきた店員が障子を閉める所で高木君が見えた。そして、後ろ姿でチラリとだけど、あれはマッチョのいい男と飲んでるわ。


ジャーマン高木君がマッチョのいい男と一緒!


あららら!!!いいじゃない!!ちょっと突撃しちゃっていいかしら。


でもね、いきなり行くのもダメかしら。うーんっと考えていると高木君の個室の障子が開いて高木君が出てきた。


「あ、かおるこさん」


「いや~ん、高木君☆偶然ね!」


「ええ。かおるこさんは?」


「あ、私は一人なんだけど、高木君元気ないじゃない?大丈夫?はるちゃんの悩みなら聞くわよ?」


高木君がぴくりと反応した。


「なんだ?知り合いか?」


障子から、イケメンマッチョが顔を出した。いや~ん、同年代くらいかしら?いいじゃない!


「はじめまして~☆かおるこで~す☆高木君の彼女の友達で~す☆」


「ああ、かおるこさん。名前は伺ってます。どうも、高木の先輩になります、千堂です」


「千堂さん☆仲良くして下さ~い☆高木君、何か悩んでるの?顔が疲れてるわよ?相談ならいつでもしてね☆」



私がそう言って手を振ると、先輩がちらっと高木君を見て私の方を見た。流し目素敵!!



「あの、宜しければご一緒しませんか?高木の話を聞いてやって下さい。彼女のお友達の意見も参考になるでしょうから、ご迷惑ではなければですが」


「えぇ~~!!いいんですかぁ~!?」


私は千堂さんが話終わる前に、会話をかぶせて返事を返した。


店員さんに席の移動を告げて、高木君達の個室に移動した。




イケメンは仕草もイケメンね☆


千堂さんは高木君を見て、頷くと、私の分のお酒を注文してくれた。


「飲み物は何がいいですか?俺らはノンアルですが、気にせず飲んで下さい」


「すみません・・・・」


あららら、ジャーマン高木はちっちゃくなってるわ、いやーーん可愛い☆


「えー。じゃあ、生ジョッキでお願いしまーす☆高木君、はるちゃんの悩みでしょう?吐いちゃいなさいよ」


「ええ・・・」



ジャーマン高木は、はるちゃんの事になるとちっちゃくなるわね。私は届いた生ビールを乾杯して頂く。



「ほら、高木。彼女とは上手くいってるんだろ?喧嘩でもしたか?」



高木君はムキムキ千堂さんに声を掛けられて、大きな身体を小さくしていた。


本当に可愛いわね。



「あの・・・、この間、武蔵と一緒に友達の早瀬ってやつとマサトってやつと一緒に飯食い行ったんですよ。で、仕事の話になってですね。武蔵は、「消防士って尊敬出来る仕事だよ」って言ってたんですね」


「おお、いいじゃないか。消防に理解があって。尊敬して貰って何が悪いんだ?」

「ああ、早瀬って志麻ちゃんね。うんうん、それで?」


「ええ、その時は嬉しかったんです。そういえば、俺、この仕事決めたのも、武蔵がそう言ってたからなあ、とか昔の事思い出したんですよ。で、昔、武蔵、確かその時に憧れみたいな尊敬出来る仕事の話になって、武蔵は消防士、漁師、看護師が尊敬出来るって言ってたんですよ」



料理の注文が届き、私が高木君達によそってあげると、二人はペコリと礼をして、受け取った。



「なんだ、いいじゃな~い。看護師も漁師もいいけど、な~に、ヤキモチ?」



「いえ、続きがあって。武蔵は、でも、家族にはいて欲しくないって言ってたんですよ。で、俺、その時、武蔵に聞いたんですよ。「消防士って家族にいたら心配なのか?」って。そしたら、「どの仕事も心配だけど、火に飛び込んで人の命を救いに行くのかなって。家族にいたらすごく心配。看護師さんもとても大変でしょう?大変じゃない仕事はないけど、叔母さんが看護師で、ずっと見てたから。漁師もおじいちゃんの実家に漁師の人がいて、家族は陸に帰ってくるまで心配って言ってたの」って言ってたんです」


「ああ、成程なあ」

「あー、成程」


「早瀬って彼女の友達が司法書士なんですよ。で、この話を思い出している時にそいつから、「むっちゃんの家族にいて欲しい職業は、薬剤師、司法書士、美容師よ」って自慢気に言われたんです」


「そうか、なんか解るな」

「ふむふむ、あら、私ね」


「俺、この間、プロポーズっぽい事したんですよ。で、多分オッケー貰えたのかなって思ってたんですけど、はっきりとは聞いてなくて。なんか付き合って時間もまだ浅いし。で、家族にいたら心配な職業とか、俺大丈夫かなって。先輩、奥さんとはどうやって結婚したんですか?」


そうか、そういう事ね。


「そうだなあ。うちは嫁さんの親父さんが消防士なんだよ。それで、付き合いがあって、そのまま結婚した感じだからな。理解あるって言ったらあるからな。ただ、親父さんは消防士の仕事知ってるからな。消防士と結婚させたくないって言ってたなあ」


「え!!」


「親父さんの先輩で、火事でな、帰れなかった人がいるんだよ。それでな、やっぱり遺された家族見てるからな。自分も散々心配かけてるの知ってるから、娘にはその想いさせたくなかったんだろうなあ。まあ、高木はセーフじゃないか。救急の方だからな」


「・・・」



「俺も娘がいるからな。やっぱりこれから彼氏とか連れてこられたら考えるだろうな。でも、俺は相手がちゃんと言える職業なら、なんでもいいけどな。人に言える事してんならいいかと思うよ、結局どの仕事でも、親は心配だしな。どんだけ娘を大事にしてくれるかじゃないかな」



高木君はゆっくり飯を食いながら、「そうですよね」と言った。


「私も千堂さんに賛成よ。結局は高木君が、はるちゃんをどれだけ大切に出来るかよ。泣かせるような男だったらどんな職業も関係ないわよ。高木君は不安な事は、はるちゃんにちゃんと言った方がいいわよ。あの子はしっかりしてるから。それにどれも心配って言ってたんでしょう?それって本心よ。好きな人や大切な人はいつだってなんだって心配よ」


私がそう言うと、ムキムキ千堂さんも頷いて高木君を見た。


「そうだな、しっかり話し合ってみろ」


それからは三人でゆっくりとお喋りをしたんだけど、ムキムキ千堂さんは奥様と娘さんがいると聞いてちょっとがっかりした。











もう一話続きます。少々お待ち下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ