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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
3章

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38/55

5 着地地点はあなたと共に (完)

完結致しました☆

読んで下さってる方、最後までお付き合い下さりありがとうございました。


高木君とまたメッセージを送り合い、春になった。


私達は友達で、筆まめな高木君のおかげで穏やかな関係は続いていた。


高木君とは、次どこ行こうかと話したりもしたが、お互いの休みが合わずあれから会ってない。


職場が近いから会いに行きたい気持ちもあるけど、お仕事の邪魔はしたくない。


かおるこさんのサロンに行ってアドバイスを貰ったり、志麻ちゃんと一緒にイタリアンにデザートを食べに行ったりもした。


楽しく、平和に毎日は過ぎていく。


仕事の方も、年度末の処理があったり、新入社員の準備や、異動もあったりで2月、3月は忙しく、あっという間に4月になった。


朝晩も大分暖かくなってきた頃に高木君にデートのお誘いをした。


仕事も落ち着いたので、この間とは違うカフェに行かない?とメッセージを送った。



(自分から動かないとね)



高木君からは「おー。行こう。仕事は落ち着いて、よかったなー」と返事が来た。


その後、何度が連絡をし合い、少し遠くの古い町並みが残るレトロ地区に行くことが決まった。


電車の快速でも45分はかかるので10時に駅の時計台に待ち合わせをすることにした。


一応、デートスポットだからと私は気合を入れ、よし、ここで告白するわよ。と志麻ちゃんにメッセージを送った。



「志麻ちゃん。今度高木君とお出かけするけど、その時に告白する。ダメだと思うけど、ちゃんと自分の気持ちを伝えます。がんばって挑んできます」



と、パンチをしているスタンプと一緒に送った。



「骨は拾ってやるわ。健闘を祈る」



鎖につながれた犬が座っているスタンプも一緒に来た。



(きっと、鎖を引きちぎる勢いでぶつかってこいってことね)



私はよし!と決意を新たに当日まで洋服の準備をしたり、デートコースの確認をしたりしていた。


デート当日は良く晴れた気持ちのいい日で、ああ、春だなあと思った。


朝晩はまだ少し肌寒いけど昼間はすっかり暖かくなった。


私は駅前に20分前に行くことにした。



(この間も高木君待たせちゃったしね)



駅に着き、時計台を見ると手を挙げる高木君がいた。



(え、なんか、この光景毎回じゃない?)



「高木君、待った?ごめんねいつも」私は時計台の方へ駆け寄り言った。


「いや、俺、待つ方が好きだから」


「本当?ちょっと早いけど行こうか。早い快速電車、乗れそうだよ」


高木君もコートは来ていなかった。二人の洋服から、ああ冬が終わって春になったな、と感じた。


ホームに降り、二人で電車に乗り込んだ。


車窓から流れる景色を見たり、これから行くカフェの話をしたりしていると、45分はすぐに過ぎた。


電車を降り駅に出ると、海の香りがしていた。観光名所の事もあり、駅を出ると人も多かった。



「おー。俺、初めて来た」


「本当?私、小さな時に家族で来たことあるんだ。お店なんかは変わっちゃってると思うけど。記念館やミュージアム、レトロ地区は変わりないみたいだね。むしろ綺麗になってる」



私たちはキョロキョロあたりを見回しながらどこへ行くかを話し合った。


観光ガイドブックを駅で貰い、おすすめのぶらり観光、というものをする事にした。半日コース、一日コース等観光モデルがあり分かりやすかった。



(色々考えてきたけど、結局こうなるのよね)



私は高木君と観光名所を巡りながら楽しく歩いた。


お昼時になると海沿いのカフェに入り、二人でカフェのおすすめを食べた。


その後もゆっくりお店を見たりして過ごし、さあ、どうしようかという時間になった時に、私は高木君に「ねえ高木くん。コーヒー飲まない?」と言った。



「ん?いいよ。どこ入る?」



と聞かれ私は駅横のスター〇ックスをを指差し、「ここ、いい?」と聞いた。


高木君は一度ジッと店を見たけど、「ああ。いいよ」と言った。


店に入り、私はブラックコーヒーを注文して、高木君はカフェオレを注文した。


商品を受け取り席に座りコーヒーを飲んだ。



「天気。いいな」


「うん。もう春だね」


「武蔵疲れてない?」


「うん、大丈夫」



(そう。大丈夫)



高木君はカフェオレをゆっくり飲んで「気持ちい季節だな。眠くなる」と言った。


私は、そうだね、と言った後、



「ねえ高木君」



「ん?」



「あのね」



「ああ」



「突然なんだけどね」



「・・・・うん・・・・」



「私ね」



「・・・・」



「今更なんだけど、高木君のこと好きだよ。付き合って下さい。返事は、はっきり言ってくれていいよ」



私はゆっくり高木君の方を見て言った。



(言った。言ったよ。言ったぞ)



ああ、心臓がバクバク言ってる。すごい。こんなに心臓が働いてるの感じることがあるんだ。


私が高木君を見ると高木君はじっと俯いてて、(あれ、やっぱりダメか)と私が思う頃に、



「は?」と言って、ぐんっと顔をこっちに向いた。



「ごめん。もっかい。もっかいいい?幻聴かもしれないから」



身を乗り出して高木君に言われ、私はもうヤケクソで、



「好きです。付き合って下さい!」と言った。



バッ!と高木君は一瞬バンザイをして、さっと手を下すと、



「幻聴じゃなかった。マジで?いいの?もう、返品なしだぞ?」と言われ、



「うん」と言うと、



「はあ~~。マジかあ、待て辛かった・・・。でもよかった。武蔵、俺はずっと武蔵が好きだ。ずっとずっと好きだ。武蔵しか好きになんない。武蔵としか付き合いたくない」と言われ手を握られた。



高木君の手はすごく熱くて大きくて、私の手はすっぽり収まった。



「ああ~。俺、やっぱりもう会わないって言われるかと思った。ああ~。マジ良かった。あー。しんど。どんな訓練よりもシンドイわ」と高木君は私の手を握ったままテーブルに突っ伏した。



私は真っ赤になった顔を隠したかったけど、手を離すことも出来なかったので、お店の人からの優しい視線にも頑張って耐えた。


繋がれた手をじっと見て、


手、繋いでる。なんて当たり前のことを思って。





私達はこれから過ごす時間が増えていき、高木君の新しい発見があって、好きなことも増えていくんだけれどそれはもう少し先の話。










この作品を見つけて読んでくれてありがとうございます。m(__)m☆☆☆彡


初めての作品、無事完結出来ました。

最初は11話で完結予定でしたが、ここまでお話が長くなりました。


この後は、ゆっくりその後の二人を番外編で投稿出来たらと思います。


拙い話を最後までお付き合い下さり、有難うございました☆

では、また会いましょう☆( =^ω^)


面白かったと思った方は評価をお願いします☆

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