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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
2章

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27/55

10 栄養ドリンクとチョコレート

高木君が元気がなかったから、かおるこさんのプレゼントを買ってすぐに別れた。


(疲れちゃったのかな。買い物付き合わせて悪かったな)


私はそう思いながらアパートの方の駅の出口に歩いていて、


(あ、かおるこさんから高木君の写真撮って!って言われてたな。撮り忘れたけど、疲れてたししょうがないか)と、思ったが、駅横の薬局に入り、栄養ドリンクのユン〇ルとアーモンドチョコレートを買って高木君に電話をした。


すぐに電話はつながって、まだ外にいる音が電話越しに伝わってきた。



「もしもし、高木君?今電話大丈夫?」


「ん?ああ、どうした」


「いや、高木君、今まだ駅の近く?」


「うん。まだ、駅」


「本当?ちょっとだけ時間いいかな?高木君、今駅のどこ?」


「あー。じゃあ、時計台の所いるわ」


「わかった、すぐ行く。ごめんね」


「おー」



と言われて電話を切った。


よし、と私は急いで時計台へむかった。


私が時計台に着く前に高木君はもう時計台の下にいた。



「ごめんね、高木君、体調大丈夫?」


「ん?いや、大丈夫だけど、なんかあった?」


「いや、買い物途中から具合悪そうだったから。これ、よかったら」



と、言って薬局の袋を渡した。



「お父さんが元気ない時に飲んでるものだから、高木君に効くか分からないけど。チョコレートは志麻ちゃんが疲れた時はチョコレート食べてるから。よかったら食べて。体調、早く治してね」


「!!。ありがと・・・」と言って高木君は受け取ってくれた。


「じゃ、寒いのにごめんね。今度はコーヒー行こうね」と言って帰ろうとすると、


「なあ、この後どっか行くの?」と言われた。


「うん、美容室。あ、高木君写真、撮っても大丈夫?」


「!!。美容室って、さっきの?」


「うん、お誕生日、今月だけど、来月にしか美容室は行かないだろうから、遅くなる前に渡したいなって思って。年末になると忙しいだろうし。写真は撮られるの嫌?」


「いや、嫌じゃないけど・・・。そっかあ。なあ、美容室まで俺も行っていい?」


「うん?いいよー。高木君の写真撮りたいの、かおるこさんが見たいって言ってたからだし、一緒に会いにいこうか」


「うん、行く」



高木君は力強く頷くと薬局の袋をぐっと握った。



(チョコレート。潰れないかな)



握力強そうだなと思いながら、こっちだよと言って、かおるこさんの美容室へ高木君と歩いた。


高木君は黙ったままだけど、具合は大丈夫なのか心配になって聞いた。



「高木君、具合は大丈夫?化粧品売り場って香りが強いからダメだったのかな?買い物付き合わせてごめんね」と言うと、


「いや、具合悪くないよ。ごめん、大丈夫」と言われた。



話しもあまりないまま、かおるこさんのヘアサロンが入っているビルに着いて、「ここの二階だよー」とヘアサロンへ案内した。


「こんにちは」と、サロンを開けると相変わらずいい匂いがして、あ、高木君、この香りは大丈夫かな?と後ろを振り返ると、険しい目つきでサロンの中を見つめる高木君がいた。


やっぱり、高木君は女性系の香りが苦手なのかな。



「あら~~?はるちゃんどうしたの?いらっしゃ~~~い」とかおるこさんの声がした。


「あ、忙しい所すみません。今大丈夫ですか?」と私が聞くと、


「ちょうどお客様、終わったところで私の次の予約までちょっとあるから大丈夫よ。どうしたの?あら?あらあら!!もしかして高木君?ちょっと~~!!連れてきてくれたの~~??いや~~ん。初めまして~~。かおるこで~す☆」


かおるこさんは私たちの前まで来ると、ニコッと音が出そうな可愛い笑顔で挨拶をした。


高木君はびっくりしていたようだが、「あ、どうも、初めまして、高木です」と挨拶を返していた。


「かおるこさん、お誕生日、少し早いけどおめでとうございます。これ、よかったら使って下さい」と言ってプレゼントの袋を渡すと、「いや~ん☆永遠の21歳だけど嬉しい~~☆なに~~?開けていい?」と言われ、はい、と答えた。


「いや~ん、可愛い!!マニキュアじゃな~い。嬉しい!はるちゃんありがと~!」と言って、くねくねしてくれた。



よかった。



「高木君も選んでくれたんです。でも、高木君の写真は撮るの忘れちゃってまして。かおるこさんにプレゼント渡しに行こうとしたら、高木君も、着いて来てくれるって言ってくれて。かおるこさんにも紹介できるしと思って、来たんですけど、突然ですみません」と、私が言うと、


「いいのよいいのよ~。会えて嬉しい~☆高木くんも有難う~☆」とかおるこさんが言ってくれた。


15分位なら時間大丈夫だけど、コーヒー飲んでく?と言われたが、他のお客様もいるし、高木君の体調が心配なので、またゆっくり来ます。と言ってかおるこさんに挨拶をして帰った。


今年はもう会わないかもしれないので、少し早いけど、「よいお年を」と言ってヘアサロンを出た。


かおるこさんも言ってくれて、高木君にもしっかり抱き着いて挨拶をしていた。


かおるこさんは高木君の事気に入ったのかな。抱き合うと二人とも背が高いから迫力があるな。


美容室を出た後、高木君はまたぶつぶつ言っていたけど、顔色も良くなっていた。良かった。やっぱりデパートの香りがダメだったのね。


外歩いてすっきりしたのかな。


「高木君有難う、またね」と言って別れようとすると、


高木君から「なあちょっとそこのカフェでコーヒー飲まね?」と聞かれて、


「高木君の具合が悪くないならいいよ?」と言うと、「よし」と言われてカフェに入った。

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