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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
2章

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8 首輪が似合う男

高木君と中華に行く三日前の仕事帰りにかおるこさんのヘアサロンに行った。


この間のデートの報告と、また髪を少し切って貰うためだ。


サロンのドアを開けると、相変わらずアロマのいい匂いがしたけどこの前と匂いが変わっていた。



「はるちゃ~~~ん、いらっしゃ~~い」と、かおるこさんに迎え入れられ、



私は、「こんにちは。今日はカットでお願いします」と、挨拶した。


山下さんから席に案内され、髪の準備をされていると、かおるこさんの対応していたお客さんがちょうど帰り、サロンのお客さんは私だけになった。



「ちょっと~~。はるちゃん!ね、デートどうだったどうだった~?教えて教えて~」と、言われ、私は目元を隠されたまま、



「服装もアドバイス貰って、バッチリでした。公園も散歩したので、ヒールが低くて良かったです。山下さんも、かおるこさんも有難うございました」と言った。



「いいのよいいのよぉ~。で、詳しく教えてよ!」


私の席の横にかおるこさんは椅子を持ってきて座った。



「店長、もう少し離れて下さい。はい、席、戻しますねー。お疲れ様です。はるさん、デート、楽しかったですか?」


山下さんは優しく聞いてきた。



「山下、この位でいい?んもう。はるちゃん!イタリアンからよ!!話は最初からして!!」



席を少し話したかおるこさんに聞かれた。



「楽しかったです。天気も悪くなくて良かったですし、イタリアン美味しかったですよ。コーヒーが美味しいし、盛り付けが綺麗でした。イタリアンを食べた後、公園散歩して帰りました」



「はや!!はるちゃん話終わるの、はや!!分かりやすいけど、はや!!いや、もうちょ~っと詳しく話して!!こう、なんかあるでしょ~。公園デートでいい雰囲気なった~とか、手ぇつないだ~とか、付き合ってくれって言われた~、とか、そういうの話して!!」


かおるこさんがくねくねして言っていると、山下さんから「今日はそろえるだけでいいですか?」と聞かれた。



「あ、ないですね。はい、そろえるだけで大丈夫です。でも、今度また高木君と会うんです。二回目です。今度は中華、食べに行きます」



「それよそれ!!ていうか、なかったの!!おい!高木!手ぇくらいつなげや!あら、でも、いいじゃな~~い!二回目デート~~~?今度は中華?はるちゃんチャイナドレス着ちゃったりして!!ムフフ!!はるちゃんお団子したらかわいいわ~。いや~ん。スリット入ったスカートはいちゃう?太ももチラリしちゃう?ふふふ。で、どこ行くの?」



「駅裏の来々軒ですよ。行ったことあります?」




「はぁ~~!!!???そこ??なんで??他あるでしょ??いや、美味しいけど。行ったことあるけど。二回目デートで来々軒??なんで??」



かおるこさんに言われ、山下さんに髪を切られていく。



「んー-。話の流れで?私が行った事あって、美味しいよって言ったら、行くことになりました」



「え~~~・・・。はるちゃんがいいならいいけど・・・。イタリアンはどうだったの?」



「はい、コース料理を快気祝いでおごって貰いました。今度は私が来々軒でおごります」



「ああ、そういうこと。ならいいのかしら。んー。微妙?まあ、はるちゃんがいいならいいわ。高木君も大変ね。で、今度はどんなカッコにするの?」



「寒いしブーツでタイツでタートルネックでチェックのスカートで行こうかと。どうでしょうか?」



「んー。中華よね、来々軒よね。頑張りすぎると浮くけど、タートルネックかあ・・・。鎖骨みせたいけど・・・。でも、来々軒だし・・・。まあ、いいか。上は白以外の色で。中華だから汚したら目立つし。来々軒だと跳ね防止とかないし。スカートと全く同じ色は止めてね。ファー生地はダメよ。来々軒なら椅子だし、ブーツでいいわね。うん、いいんじゃない?」と、かおるこさんに言ってもらえた。



「よかった。ちゃんと考えたんです。」と、私が答えていると、山下さんから「長さはこれくらいでいいですか?」と、聞かれ、はい、と答えた。



「まあ、いいわ。で、はるちゃん、相手の写真ないの、写真。顔見たい。イケメン?」



かおるこさんに聞かれ私は首を傾げた。



「写真、撮ってないんですよ。会社の人からも言われました。普通写真撮るんですか?料理の写真も撮ってなくて。今度撮ってきますね」



「はるちゃん、来々軒の写真はいいから。その高木君の写真撮ってきてよ」



来々軒の写真は撮らなくていいのか。



「料理は撮らなくていいですか?高木君は嫌がらなければ撮りますね」



「ね、芸能人で誰に似てるの?イケメン?」



かおるこさんに鼻息荒く聞かれ、



「会社の人からも聞かれたんですけど、ジャーマンシェパードみたいな感じです。イケメンと思いますよ。背が高くてモテそうです」と、答えた。



「犬・・・。はるちゃん、ジャーマンシェパードは犬よ・・・。どういうこと?警察犬っぽいってこと?不審者見たら噛みつくの?強そうってこと?今、私の頭の中は腕に噛みついてる姿が浮かんでいるわ。それとも犬にスポットを当てるの?首輪が似合うってこと?あら、なんかいいわね」




「かおるこさん、私の友達の志麻ちゃんいるじゃないですか、志麻ちゃんは猫のロシアンブルーに似てると思います。志麻ちゃんから私はポメラニアンに似てると言われました」



「あー、志麻ちゃん?うちに何回かはるちゃん迎えに来たスラっとした背の高い綺麗な子よね?あーなるほど、ロシアンブルー。分かるわ。ちょっとツンっとした感じも猫っぽいわ。で、はるちゃんがポメちゃん?あー、なるほどね、そういうことね」と、かおるこさんがうんうん、と頷く。


「でも、ジャーマンシェパードねえ」と、あごに手を置きながら考えていた。



私の髪を切りながら、「店長は土佐犬ですね」と山下さんが言う。



「おい、山下。こら、お前はなんだよ」



「んー、山下さんはダルメシアンかな。ショートカットが似合っていて、目元が優しくて、口元のほくろがセクシーなので」


私が答えると、耳元で、「ありがとうございます」と山下さんからセクシーに言われた。



「チッ。なんか想像できる」




山下さんからも、「楽しかったようで、良かったですね」と、言ってもらえた。



「はい、二回目も楽しみです」と、答えると、かおるこさんから頑張ってね~。またきかせて~。と言われた。




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