アゲサゲ家の長男と次男登場
こんにちはマルマルです(^^)/
最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^)/
〇授賞式
年に1度行われる日本で活躍した歌手を受賞する式典
である歌手ベスト大賞の会場には多くのファンが集まっていた。
「それでは今年のベスト大賞は
3年連続受賞の紅さんです」
司会の男が持っているカードの中身を言った。
すると、会場から歓声があがった。
そして、髪はショートでレザージャケットにジーパンを履いた女性であるカッコイイ紅が出て来ると会場から紅コールがこだました。
「く~れない!! く~れない!! く~れない!!」
紅がマイクを持ち右手を上げると歓声が止んだ。
「いいか、クソヤローどもに宣言した通り、
受賞したのはこの私。紅だ」
低い声で言った。
「キャーーーーー紅様。カッコイイ(≧∀≦)!!」
「紅様-------。最高(^〇^)/」
観客席から祝福する声が聞こえた。
「この賞を貰うのも飽きた。
だから、次の夢をクソやローどもに見せてやる」
大きな拍手が鳴り響いた。
チラリと時計を見る紅。
「次の夢は世界中の国で売上No1を達成して
この私が世界1の歌手になる。
クソヤロども。見たくないか?
世界1になる所を?」
マイクを客席に向けた。
「見た~い」
「聞こえないな。見たいか?」
耳に手を当てた。
「見た~~~~~~い」
「見たいか?」
「見た~~~~~~~~~~~~~~~~~~い」
どんどん大きな声になって言った。
「だったら、私に・・・・・・・ついて来きな」
マイクを投げ捨てた。
そして、左手を腰にあて、右手の人差し指と腕を前に出して微笑んだ。
「キャーーーーー紅様。カッコイイ(≧∀≦)!!」
会場にいるファンも皆、紅ポーズを真似した。
「く~れない!! く~れない!! く~れない!!」
紅が退場するまで、地鳴りの様な紅コールが発生した。
〇会場外
ダッシュで車に向おうとしていた紅に多くの記者が感想などを求めて囲んだ。
「急いでるから、どいて」
時計を見て焦る紅。
だが、記者たちも何とかコメントを貰うためにどこうとしなかった。
「コメントはSNSで答えるから、
質問は会社に送って」
イライラする紅。
「紅さん。男性と付き合った事があるんですか?」
唐突にニット帽を被ったヒゲもじゃの男が聞いた。
「え? あ、あるに決まってるでしょ」
目が泳いで動揺する紅(゜д゜;)。
「調べても調べても男の影が全くなかったので変だと思ってね。
・
今も彼氏はいないですね」
ニヤリと笑いながらニット帽の男は聞いた。
・
「い、今はいないわ」
「へぇ~。そうなんですかね?」
疑いの目で見られ、顔から汗が流れ落ち焦る紅。
「そ、そこまで言うんだったら恋人を作って
皆に見せてあげるわ」
「おお~~~~~~~~~~~!!」
歓声を上げて、ざわつく記者達は一斉にカシャカシャと写真を撮り出した。
「期限は?」
「そうね。これでどう」
紅が指で1を作って言った。
「1ヶ月ですね。流石天下の紅さんだ」
「え? ええ。そうよう。
1ヶ月で彼氏を作ってあげる」
本当は1年のつもりが1ヶ月になってしまい
一瞬しまったと言う表情をしたが、
直ぐに余裕の表情を見せた。
「どんな男性が良いんですか?」
「相手はやっぱり芸能人ですか?」
記者達が一斉に質問をしてきた。
「1ヶ月後に彼氏を見せてやる。
クソヤロども、楽しみにしときな」
紅は左手を腰にあて、右手の人差し指と腕を前に出して微笑む紅ポーズをした。
そして、紅の顔写真とアルバムの宣伝が大体的にされたキャンピングカー中のに急いで入っていった。
〇キャンピングカーの中
「しまった~~~~~~~~~~(×_×)」
車に入るなり頭を抱えて激しく上下に揺れる紅。
「ニット帽記者の挑発にやれたわね」
運転をしている幼馴染でありマネージャでもある京子が言った。
「あ~~~~~~~~~~~もう」
雄たけびを上げた。
「まぁまぁ。
冷蔵庫にまだ試食品だけど新しいアイスが・・」
京子の話が終わる前に紅は瞬間移動でもしたかの様に
冷蔵庫に移動し、カップのアイスをパクリと食べていた。
「はぅうううう~~~~(≧_≦)」
ホッペが落ちそうになるくらい美味しそうな表情で食べた。
「何点?」
「う~ん。私は好きだけど好みが分かれて
売れないかもしれないわね。
だから点数は・・・82点!!」
パクパク美味しそうに食べながら言った。
「なるほど。アイス社に連絡しておく」
アイスを食べ終わった紅は20個以上山済みされた弁当を食べて1個目の弁当を平らげて、
2個目の弁当を食べ出した。
「でも、ちょうど良かったんじゃない?」
「何が?」
モグモグ食べながら言った。
「彼氏を作る機会が出来て」
イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「はぁ? 知っているでしょ。
・・・・
私がトラウマで彼氏を作れない事を」
口を尖らせて言った。
「ああ。あの事件ね」
「そうよ。思い出しただけどもムカつく~~。
私は数々の夢を叶えてきた。
だけど、唯一叶える事が出来なかったのは、
・・・
私の大切な大切な最初の夢をアイツが壊した。
絶対絶対絶対絶対絶~~~~~~対に許せない!!」
握り拳を作って怒りに震えた。
「それでどうするの? 彼氏?
1ヶ月で作るなんて無理じゃない?」
「そようね無理よね・・・無理?・・・閃いた!!
考え方を変えれば良いのよ
私って天才( ̄▽ ̄)!! ( ̄▽ ̄)!!天才」
ご機嫌にスキップをしだす紅。
「え?何?」
「それはね・・。あーーーーーーーー(°д°)!!」
車の時計を見るなり大声を出した。
「どうしたの?」
車に内臓されてあるテレビを急いでつけた。
「きゃーーーーーー|拳龍様!!」
プロレス中継が始まり急いで拳龍のTシャツに着替え、
【拳龍様好き】と書かれたハチマキを付け、ペンライトを持ってて大はしゃぎする紅。
「行けーーーーー!!拳龍様!!」
拳を前に出して一生懸命応援をした。
〇勝彦の部屋
「行けーーーーー!!拳龍!!」
可愛い犬のパグの顔が大きく描かれたTシャツを着た、
アゲサゲ家の長男である勝彦が机の上にあるノートパソコンを見ながら、拳を前に出して応援しいていた。
「1、2、3。やったーーーー勝った(^〇^)/
拳龍がチャンピョンだ~
嬉しい~~~~~( ̄▽ ̄)!!」
その場で飛び跳ねて喜んでいた。
「トルルル」
電話がかかってきた。
「何だよ~。余韻に浸らしてくれよ~」
不機嫌な表情で電話を取った。
「勝彦。俺だけど」
お笑いコンビの相方のテルマが暗いトーンで言った。
「ああ。テルマ。どうした?」
「実はさ。コンビを解散したいんだ」
「はぁ? 何でだよ?」
「お前が面白くないからだ」
「な、なんだよ今さら。コンビを組む時はそんな事
言ってなかったじゃないか?」
「それはそうさ。言ったらコンビ組まなかったろ?
お前と組めんだ奴は売れるジンクスがあるから、
仕方なく面白いと言ったわけさ。
実際に俺をプロデュースしてくれたおかげで、
TVに出られる様になったから感謝感謝
ハハハハ」
大笑いをするテルマ。
「考え直してくれよ~」
泣きそうな勝彦。
「イヤだね。お笑いだけじゃない。
・・・・
お前の顔にも原因がある。
お前のせいで何回怖い奴らに絡まれた事か」
「顔は仕方ないよ。こうゆう顔なんだからさ」
丸いサングラスにパンチパーマで、右目の斜め上から下にかけて平行間隔に3つの刀傷の様な後がある。
しかも、左頬にも縦に1つの刀傷の様な後があった。
簡単に言うと、ヤクザに見えるからだ。
この顔のせいで女性には怖がられて上手く行かず、
本物のヤクザに絡まれたりして大変な人生を送っていた。
「もう、うんざりなんだよ。
お前といると俺まで不幸になる。
とにかく解散だ」
「ま、待ってくれよテルマ」
「あ、そうだ。言い忘れてた。
お前が告白しようとしていたアイちゃんと実は、
付き合ってま~~す♪♪ なぁ。アイ」
「勝君。ごめんね~ ハハハハ」
電話越しにアイがあざ笑う様に言った。
「いや~お前の恋の相談を聞いて何度笑いを堪えたか。
クククク(笑)。
売れている俺が断言してやる。
・・・・・・・
お前は絶対に売れない。
そうゆう事だから。じゃな。
チェリーボーイ君。ハハッハハハ」
テルマとアイは大笑いして電話を切った。
手が振るえる勝彦。
「ふざけるな」
携帯を床に投げつけた。
「絶対に有名になってやる。
そして、絶対に見返してやるからな」
気持ちを込めて言った。
「でも、何で俺はいつもこうなんだ。
上手く行きかけたら不幸なる。
・・・
それもこれも、全部アイツのせいだ。
・・・
あの時から上手く行かなくなったんだ。
くそ」
思いっきりキックした。
「いててーーーーーーーーーーーーーーーー!!
ついてねぇーついてねぇーついてねぇーーーーー」
運の悪い事にスネが机に当たってしまったので、
倒れて左右に転がりながら悶絶していた。
部屋の隅にある座布団に寝ていた黒ネコの金剛が、
全く驚かずいつも見る光景だと言わんばかりに興味を示さないで、目を細めて大きなあくびをした後にスヤスヤと寝てしまった。
〇バスの中
「どうした?」
後ろの座席に座った金髪で細いサングラスを掛けて、
ホストが着る様な格好の白いスーツに黒いシャツを着ていたイケメンでアゲサゲ家の次男である雄二が友達と話していた。
すると、
隣にいる似合ってない大きな黒ブチのメガネを掛け、
髪はみつあみでダサい格好した女性のヒナタが、
雄二の方に顔を向けて眉間にシワを寄せて睨んでいた。
「合コン?いや今回はパスするよ」
雄二は全く隣のヒナタの事を気にする様子もなく話を続けた。
「だって、今からプロポーズをするからさ」
バラの花束を持ち上げながら言った。
ヒナタは驚いた表情で口を両手で隠し目を大きく見開いた。
「だからよ。結婚した後に合コンを頼むわ」
ご機嫌な声で笑いながら言った。
ヒナタはさっきよりしかめっ面になり、雄二の方に顔を近づけた。
「結婚した後の浮気は最高だからさ。ハハハハ」
ヒナタは険悪の顔で雄二と10cmの距離にグイッと近づいた。
「なんなら人妻を紹介してくれてもいい。
やってはいかない禁断のW不倫は
ゾクゾクするよ・・」
ヒナタは雄二の携帯をブン取り電話を切った。
「あなた。浮気も不倫もダメでしょ。
それに、バスでは電話禁止です」
きっぱりと言い放った。
「キミ。メガネ無い方が可愛いよ」
雄二は目を見開いて驚いたが直ぐにニヤリと笑い、
サングラスを胸ポケットに入れてヒナタに近づき彼女のメガネを取った。
「え?」
ヒナタは思いもよない行動にビックリして何かを言おうとしたら、雄二が窓にドンっと手を当ててキスをするような態勢で近づいた。
「そ、そうゆう事は付き合ってからじゃないと。
い、いけません」
震える声で顔を仰け反りながらも目を思わずつぶってしまった。
「ハハハハ。可愛いらしいね。キミ。
キスすると思った?」
イタズラっぽい( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った雄二。
ヒナタは顔から湯気が出るくらい、
恥ずかしさの余り赤面していた。
すると突然、バスが急停止。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バスの揺れで思わず雄二とヒナタの唇が重なりキスをしてしまった。
『え?』
二人とも驚いて目を見開いた(゜д゜)!!