ミリヤさんが協力してくれるそうです
「う~ん、金貨10枚かぁ······」
一旦ギルドを後にした僕は歩きながら悩ませていた。
金貨10枚無い訳ではない。
ただ、設備面を考えると多少余裕は必要だし何せ報酬金を支払わなければならない。
「いきなり資金面で苦労はしたくはないしなぁ······」
ブツブツ呟きながら歩いていると背中に衝撃が走った。
「いたぁっ!!ってミリヤさんっ!」
「よっ♪ 下向いて歩いてたらぶつかるぞ」
「だからっていきなり背中を叩かないでくださいよ······」
「ちょっとした挨拶代わりだよ、ところでギルドマスターの試験、合格したんだって?」
「はい、合格はしたんですけど······」
「もしかしてお金の悩み?」
「そうです、登録金はあるんですけど、その後の資金面を考えていて······」
「確かに何か始める時はお金がかかるからねぇ」
「借金は出来る限りしたくは無いんですよ、自分のお金でやりくりはしたいんです」
「でもさ、頼る事は大事だよ。1人で抱え込んじゃうとそれこそ夜逃げしちゃうかもしれないから」
「ですよね~······」
「まぁ私が出来る事なら協力はするけど」
「本当ですかっ!?」
「その代わり、私をルーマ君のギルドに入れてほしいんだけど」
「そりゃ勿論大歓迎ですよっ!Aランク冒険者のミリヤさんが来てくれるのはありがたいです!」
「よし、決まりっ! ルーマ君の条件にあったギルド候補地を紹介してあげよう、私の後に着いてきて」
そう言ってミリヤさんは歩き出した。