地方ギルドへ
「これがギルドマスターの認定証かぁ······」
係員から認定証を貰いまじまじと僕は見た。
「これで兄さんも一国一城の主になるんですね」
「でも、まだやらなきゃいけない事があるみたい」
そう、認定証を貰ったからと言ってすぐにギルドを立ち上げる事が出来るか、と言えばそうではない。
ギルドを作る為には地方ギルドに行き登録申請をしなければならない。
更にギルドに必要な道具や場所その他諸々······、とにかくお金がかかる。
「1番良いのは兄さんが勤めていたギルドが使えれば良いんですがね」
「多分、借金の型に取られているから無理だよ。まぁ中古品が出回っている可能性があるかもしれないから商店を回ってみるよ」
まずは壁を1つクリアー出来た事をよしとしよう。
家に帰って合格した事を両親に報告したら凄く喜んでくれてその日はお祝いをしてくれた。
翌日、僕は地方ギルドへとやって来た。
流石に中央を見ると地方ギルドの建物は小さく見えてしまう。
早速受付に向かう。
「あら、ルーマさんじゃないですか」
受付にいたのはエマの知り合いの受付嬢シルビアさんだ。
「こんにちはシルビアさん、実は······」
「エマから聞きましたよ、ギルドマスターになるんですよね」
「情報はやっ!?」
「そりゃあギルドの情報は把握してますから」
えっへんと胸をはるシルビアさん。
胸が大きいのではると更に大きく見えてしまうので男としては目のやり場に困ってしまう。
「で、ギルド登録ですよね?」
「そうなんですけど、必要な物ってありますか? お金とか······」
「勿論、登録料がかかりますよ。金貨10枚が必要ですね」
金貨10枚か、やっぱり高いよなぁ······。
「大体持ち合わせが無い人は先輩ギルド支部から借金して借りるんですけどね」
「前のギルドもそうでした、結果潰れましたけど」
「それって第10支部から借りたんじゃないですか? あそこは新人のギルドマスターに無理矢理お金を貸し付けて立ち行く事が出来なくなったら買収して吸収しちゃうんですよ。問題にはなっているんですがね、第10支部のマスターが地方ギルドの幹部と繋がってるみたいで揉み消してるみたいなんです」
「マジですか······」
「だから第10支部とは関わらない事をオススメします」
うん、この忠告は聞いておいて良かったかも。