ギルドマスターへの道(結果発表)
面接が終わりロビーにやって来た僕をエマが待っていた。
「兄さん、どうでしたか?」
「うん、なんとかなったよ、まぁどうなるかはわからないけど。エマは?」
「はい、別室にて話をしてきました。近日中に査察が入るそうです」
「うわぁ、査察が入るとなると大がかりな事になりそうだね······」
「多分ギルドマスターは罰を受けますよ」
「なんで言いきれるの?」
「今回、報告した中にはギルドマスターがギルドの資金を私的に使っている証拠も入ってますから」
「いつ調べたのっ!?」
「知り合いの受付嬢から託されました」
「女性の恨み怖っ!!」
そんな事を話していたらアナウンスが聞こえてきた。
『ギルドマスター試験の結果を発表します。掲示板の前まで来てください』
「いよいよですね、兄さんの人生が決まりますね」
「そんな余計なプレッシャーかけないでよ」
僕とエマは掲示板の前にやって来た。
「それではギルドマスター一般試験の結果を発表する。数字が書いてある人物が合格だが赤く書いてある者は特別合格となりこの後行われる研修は免除となる」
そんな制度があるのか、と思いつつ掲示板に張り出された合格発表を見た。
「あっ、あった!」
僕の数字25番は書いてあった。
「赤で書かれてますね」
「本当だ······、と言う事は特別合格?」
「そうなりますね、これは幸先の良いスタートですよ」
そう、僕の数字は赤で書かれていた。
つまり特別合格と言う事だ。
しかも、赤で書かれていたのは僕だけだ。
その理由は『ギルド職員として働いていたのでギルドの仕事を理解しているから』らしい、ギルドマスターの免許を貰う時に係員の人が教えてくれた。
凄く全うな理由だったので納得した。