ギルドマスターへの道(筆記編)
あれから数日後。
「此処が中央ギルドかぁ」
「やっぱり大きいね」
僕とエマは中央ギルドに来ていた。
「しかし、やっぱり人が多いな」
「しかも強そうな人ばっか」
中央ギルドは国の全ギルドを仕切っている総本部みたいな所。
中央ギルドの下に各地域を管轄する地方ギルドがあって更にその下には支部がある。
僕が働いていたのはギルド支部、エマが所属していたのは地方ギルドだ。
昔は馬車で1ヶ月くらいかけて着いたけど現在は列車があるから数時間で移動できるから楽な時代になった。
「ところでエマ、その封筒は何?」
「あ、これ? 今までの私が受け取った達成金の明細書とある筋から貰った音声データ。ちょっと掛け合ってこようかな、て」
ニッコリ笑って言ってるけどどす黒い物が背後から出ている。
「そ、そうなんだ。穏便によろしくね」
「私はいつだって平和的な解決を望んでいるよ。向こうの出方次第だけど」
だから、そういう所が怖いんだってっ!?
一旦エマと別れて僕は試験の受付を済まして試験会場にやって来た。
会場は学校の教室みたいになっていて30人ぐらいが入れる広さだ。
僕は席に座り試験が始まるのを待った。
暫くして試験官らしい人が入って来た。
「それでは、ただいまよりギルドマスター一般試験を行います。試験は筆記と面接、その総合結果を踏まえて合否を判断します。まず筆記ですがギルドマスターに相応しい常識を持っているかをテストします。不正行為を行った者は即退室してもらいます」
説明を受けた後、裏返しにされた問題用紙と解答用紙が配られた。
「では始めてください」
問題用紙を捲って問題を解き始めた。
内容は知識とシミュレーションみたいな問題だった。
(多分、シミュレーションの問題は面接の時に聞かれる事なんだろうな)
僕はそんな事を思いながら解いていった。
周りからは呻き声も零れる事があった。
ギルド職員の僕からしたら問題は簡単だったけど冒険者は基本体力を使うのがメインだからこういう座学的な事は苦手なんだろう。
あっという間に1時間は過ぎて試験は終了、次は面接会場へと向かった。