これからどうしよう······
その後も続々と冒険者や職員がやって来て貼り紙を見て阿鼻叫喚になった。
僕みたいに呆然と立ち尽くしている人もいれば怒鳴る人、泣く人、立ち去る人、何処かに連絡する人等色々いた。
本来ならば僕達職員が対応しなければいけないんだけど僕達だって急に首を切られたもんだからどうすれば良いかわからない。
「ま、こういう時は飲むのが1番でしょ」
ミリヤさんにそう言われて僕を含む数人はミリヤさんと共に酒場に入った、僕はお酒は飲めないんだけど。
こういう時、飲んで忘れられたら良いんだけど現実問題、いきなり無職になってしまい先の事を考えると酔いたくても酔えない、と思う。
「ルーマ君はこれからどうするつもり?」
「とりあえず、新しい仕事を見つけないと······」
今日から職探しをしないといけないとなると思うと憂鬱になる。
「それだったら、ギルドマスターになってみない?」
「はい? ギルドマスター?」
「そっ、新しいギルドを立ち上げるんだよ」
「僕、普通のギルド職員ですよ? 戦闘もした事無いのにギルドマスターになれる訳無いじゃないですか」
「いや、なれるよ。大きな手柄を立てなくても試験を受けて合格すればギルドマスターになれるんだよ」
「えっ!? そんな制度があるんですか? でも、年に1回とか特別な条件とかあるんじゃ······」
「確かね、ギルドの所属年数が10年以上だったら誰でも受けれるよ」
「マジでっ!? 僕ちょうど10年ですよっ!」
「それに試験は週に1回、定期的に行われているよ」
「特別感が全く無いっ!」
「王都にある中央ギルドで行われるんだけど試験は筆記と面接、合格すれば即ギルドを持てるらしいわよ」
そんな制度全く知らなかった······。
「ってミリヤさんはなんで知ってるんですか?」
「私のお父さんが中央ギルドのお偉いさんなのよ。それで『なかなか成り手がいない』て愚痴っていたのよ」
えっ、また衝撃的な事をサラッと言ったよ。
でも、そんな機会があるんだったら受けてみるのもアリだと思う。
それに王都にも行ってみたいし。
僕はギルドマスターの試験を受ける事にした。