編集者も使っている? ~なろう良質小説検索方法~
小説家になろうで少しでも良質な作品に出合いたいと考えている方は非常に多くいらっしゃると思われます。しかし、たとえ出版されているような書籍や作者の作品であっても肌に合わなかったり、「クソラノベ」と評価されてしまう作品は無数にあり真の良作はその中に埋もれてしまい見つけるのは非常に大変です。
そこで、私が行っている比較的良質な作品に出合いやすい検索方法をご紹介し、少しでも良質な作品の検索のお役に立てればと思い執筆することにしました。
内容が良ければ、高評価の上、より多くの方に閲覧していただければと思います。
さて、本投稿の内容は、下記の順に執筆しますので、閲覧する際の参考として下さい。
1.検索条件
2.検索条件のデメリットとメリット
3.検索条件についての解説
4.なぜ、この検索条件が比較的良質な作品を検索できるのかについての考察
5.蛇足
1.検索条件
検索条件は下記の通りです。
・詳細条件設定
・小説種別の絞り込み
・短編と完結のみにチェックを入れる
・検索範囲の指定
・最新部分掲載日の検索日時を少なくとも2年以上前に設定する
(例:~2017年12月31日)
・検索結果の並び替え
・総合ポイントの高い順にする
以上になります。さらに条件を絞り込みたい場合はここからお好みで条件を増やしてみてください。
2.検索条件のデメリットとメリット
・デメリット
・この検索条件は、どんなに内容が素晴らしくても過去にほとんど閲覧されていない良作を検索することはできません。
・この検索条件では、現在連載中、直近で完結した小説から、良作を発見することはできません。
・メリット
・なろうにおける悪質なステルスマーケティング(同一者またはグループが複数アカウントで評価を行い、ランキング上位に食い込ませるなど)による作品を比較的除外することができます。
・ある種の淘汰機能が働き、より上質な作品が検索結果の上位に表示されやすくなります。(詳細は考察にて)
3.検索条件についての解説
検索条件のキモは、最終部分掲載日を今日の日付よりも過去に設定することです。
検索条件の日付以降に更新した小説は対象外となるため、対象の小説は短編か完結済みかエタッた小説となります。そのため、エタッた小説を除くため完結のみにチェックを入れて、連載中のチェックを外す必要があります。
検索結果の並び替えは、総合ポイント順にすることで、先ほどメリットで上げた淘汰機能をより効率的に働かせることができます。
4.なぜ、この検索条件が比較的良質な作品を検索できるのかについての考察
最終部分掲載日を過去(おすすめは2年以上前)にするとなぜ、良質な作品を検索しやすくなるかについてですが、これは完結した後にどれほどの読者にブックマークされ続けているかに関係しています。
小説家になろうにおける評価システムの計算方法は下記の式のようになっています。
評価合計+ブックマーク件数×2pt
評価合計は、最新話または、完結済みの最終話の最後にログインユーザーがつけることができる星の数です。アカウントにつき最大で5ptまで評価することができます。
ブックマーク件数はそのままブックマークを行っているアカウントの件数です。
ここから、なぜ最終掲載日を過去にすると良質な作品に出合いやすくなるかについて考察します。
小説家になろうでは、完結するとそれまでその作品についていたブックマーク件数が減少することがあるようです。
理由は定かではありませんが、更新チェック中一覧から小説を検索する場合の邪魔になるためや、マメな人は定期的に整理している、プロフィール検索された場合に表示されるブックマークの一覧に自身の感性を疑われる作品などを表示させないため、などが考えられるかと思います。
そうした人たちが何を基準にブックマークから外し、または残すのかという点から考察していきます。
私見もありますが、良作と呼ばれる作品にはその作品を何度も読み返す読者がいることも多いです。そういった読者はその作品がすぐに読めるようにブックマークを外すことはしないと思われます。また、良作は口コミの宣伝などにより友人、知人あるいはインターネットで拡散され少数ながらも新規の読者を獲得する可能性があります。
対して、一時的にのみ評価される(出版などのメディアミックスによる宣伝、あるいは出版物をより売るための出版社あるいは作者のステルスマーケティング)作品は、その作品が良質なものであれば問題ないですが、世間一般で駄作と評価される程度の内容の作品ではその評価を上げている外部戦略がなくなった場合、そこから更なる評価を得ることは困難になります。またそういった作品は再び閲覧しようという読者も少ないため、ブックマークが外される可能性も高くなります。
そのため、そういったよりよい作品がより評価され、そうでない作品は評価されない淘汰期間を設けることで、検索結果の上位に良質な作品を表示させやすくなると考えています。
個人的には、その淘汰期間を最低2年としています。
5.蛇足(飛ばしていただいても問題ありません)
1.今回の検索条件の更なる使い方について
最新部分掲載日の範囲を1年区切りにすることで、その1年の間に完結した作品の良作を検索することができます。
(例:2005年4月1日~2006年3月31日)
これにより、過去の一定の時期に掲載された良作を読むことができます。また昔に掲載された作品はまだなろう読者の数が少なかった時期でもあるので、評価ポイントは少なくなりますが、評価された実績はありますのでポイントの値に関係なく面白い場合も多いです。
完全に余談ですが、先ほどの例の期間(2005年4月1日~2006年3月31日)で検索した総合ポイントの高い順で検索されたTOPに来る作品は、総合ポイント500pt未満であるにも関わらず、2018年に5月9日に出版されているようです。(マーケティングではありませんので作品名はここでは述べません。気になるかたは実際に検索してみてください。)最終更新日が2005年10月30日なので、実に12年以上後になって総合評価500pt未満の作品が書籍化されていることになります。普通の方法では編集者がこの作品を発掘することは困難なので、もしかしたら本稿と同じ検索を行って発見したのかもしれません。(タイトルをこのようにした理由になります。)
2.本稿の方法で検索した作品上位10タイトルと週間BEST300(総合)の上位10タイトルの作品名の文字数の比較(漢字は1文字、空白は0文字、記号は1文字としてカウント)
検索条件
・最新掲載日:~2018年8月1日
・連載(完結のみ)
・総合ポイントの高い順
検索結果の平均タイトル文字数:18.7文字
週間BEST300(総合)(日間を避けたのはその日たまたま更新されたビックタイトルを避けるため)
検索時間:2020年8月15日 21:40
検索結果の平均タイトル文字数:68.1文字
少なくとも、近年のBEST300に入りそうなタイトルがやたら長い作品は淘汰によりなくなってしまうようです。不思議なこともあるものですね。
以上になります。今回の投稿がより多くの方の目に留まり、より良質な作品が発掘されることを願います。