今、始まった。
種族.....そっか。このゲームには種族があるのか。でも、順番おかしくない?普通種族が決まった後に職業やらスキルを決める......
「種族はランダムで決まります。」
...って、だったら余計に一番最初に決めたかった!
だってこれで防御力が強い種族だったら、嫌だし....
「最初にやってくれればいいのに...」
「申し訳ありません。そういうルールですので。
あと、種族が決まったら職業やスキルはもう変えれません。今ならまだ変えれますが、いいですか?」
って、まじか.....
まぁ、変えなくていいかな。
運...頼むぞ.....
「職業とスキルは変えません。」
「分かりました。ではこれからいくつかの質問に答えてもらいます」
あっ、なるほど。そういう感じなんだ。
「はい」
「では質問1。
犬派ですか?猫派ですか?」
って、なんだ。意外と簡単な質問だな。
「猫派です。」
「では質問2。
空を飛べることに、熱烈な願望はありますか?」
うーん、空を飛べること......
無いことはないんだけど、熱烈ってほどじゃないんだよなぁ。
「ないです。」
「では質問3。
自分は明るい方だと思いますか?」
.....どうなんだろう。昔からよく喋るなぁ。と言われてるんだよなぁ。だったら、明るい方...なんだよね?
「はい。」
「では質問4。
運動は好きですか?」
運動か...嫌いじゃないけど、好きでもないんだよねぇ。どちらかというと、のんびりしたいし。
「いいえ。」
「では質問5。
勉強は好きですか?」
勉強...嫌いじゃないけど好きじゃない。運動と同じで、私は休日はゴロゴロして、運動や勉強をやれって言われたらやるけど、率先とはやらない。
「いいえ。」
「では次は最後の質問です。
違う自分になることは、好きですか?」
おぉ、もう最後?6問なんだ......
って、それより、違う自分?
あぁ、なるほど、VRとかでか。
たしかに好きっちゃ好きだな。普段の自分じゃ出来ないことができる気がして。
でも、同時にハメを外しすぎちゃいそうで、怖い。
知らない人とは一線おくのが私の中での常識だけど、その常識がなくなりそうで、怖い。
普段の私がしないことを、VRで出来ちゃいそうだから怖い。
だから、楽しいって意味ではいいんだろう。
でも、好きっていう意味ではきっと、違う。
急に深く考え込んじゃったけど、まぁ、答えは決まってる。
「いいえ」
まぁ、意外と最後の質問は深いなぁ。
ただただ楽しんでる人は多分、好きって答えるんだろうなぁ。
でも私は色々考えちゃったからなぁ。
「分かりました。質問に答えていただいた結果から、当てはまるものを選び、そこから更にランダムで抽選した結果となります。」
へぇ。最後は結局ランダムなんだ。
「では発表します。ルカさんの種族はーーー」
あぁ、なんだかドキドキするなぁ。
なんだろうなぁ。
ネコ獣人とか?それともそれとも、ドワーフやエルフ?
いっそ人間族(ヒューマン」でもいいかもしれない!
「狐族です」
・・・・・・・。
「え?狐族?狐獣人じゃなくて?」
「はい。」
・・・え。
それって、人型じゃなくなるってことなの!?
それは困る。本当に困る。ダメダメ!
人型がいい〜!
「ちなみに、狐族といってもしっかりと人型です。」
あっ、なんだ。そうなのか....
「しかし、キツネ獣人というのもありまして...」
えっ、じゃあやっぱり想像してるものと違うのかな....
「姿形は変わりませんが、得意な魔法が少し変わっていたり、狐族は変化の術が使えるのに対し、キツネ獣人は使えません。」
へぇ。そう考えると、狐族。意外といいな。
「狐族の固有魔法として、幻覚魔法を使えます。」
おぉ!なんか凄いな。
「こちらでお試しできますが、どうしますか?」
「勿論やります!」
「分かりました。」
部屋はさっきのRPG然とした部屋から変わっていない。だからここで試すということなのだろう。
「ちなみに幻覚魔法とは、見た目を変えたり、フィールドを幻覚として変えることができます。
ただし、幻覚ですのでそれらは触ると感触がありません。」
おぉ!私が疑問を抱く前に教えてくれた。
ていうかさっきからおにーさん、ずっと喋ってくれるなぁ。
私がドジばっかりしてるから、先に説明してくれるのはありがたい。
よし!早速イメージ開始!
体の一部...腕...いや、爪を尖らせて、マニキュアみたいに爪に色を塗る.........ことを想像して。
「幻覚魔法!」
そして私の腕を見てみる。
すると...凄いっ!完璧に魔女の手だ!
魔女の手って、見たことないけど、いたらこんな感じにしてるのかな。そう思うほどの出来だった。
ひとまず幻覚魔法は成功だ。
次は変化の術...
これも魔法みたいにイメージなのかな...
「ちなみに変化の術は、魔法ではないので、イメージしなくても出来ますよ。」
.......エスパーかな。
よし!気を取り直してやろう!
「変化の術!」
ポンっ!
うわぁ。一気に目線が低くなった。
てか真正面に鏡が...準備いいな...
いざ、ご対面...
・・・。
まぁ、見たところ人形サイズだね。
でも、尻尾が九つある。九尾なのかな?
色は全体的に黒くて、白のメッシュがある。
瞳は金色だ。
動いてみると、体が軽い。
この姿で脚力強化はできるのかなと思い、やってみると、できた。
あまり不自由はない。
可愛いし。
「ちなみに、もとの姿に戻るには、心の中か、声に出して、解除。と念じるのです。」
もう慣れてしまった。このエスパーに。
まぁ、とりあえず、『解除』
ポンっ!
おぉ、もとの体だ......
あっ、もとの体も鏡で見てみよう。
...........へぇ。尻尾は一つなんだ。
おぉ、あと、尻尾、動かせるんだ。
動かそうって思ったら動かせるんだぁ。
あっ、耳も動かせるみたい。
これからはこの容姿、なかなかいいね。
「以上で必要な設定を終えました。
こちらは運営からのプレゼントです。
冒険に役立ててください。
それと、今日はサービス開始日なので、特別セレモニーがあります。
特別セレモニーに参加すると、いいアイテムが貰えるので、参加してみてください。
それでは、VRの世界を、お楽しみください。」
プリーストの装備と、ポーション10個を貰って、送り出された。
私の新しい冒険が今、始まった。
やっと冒険に出れますね。
ここまで長かったです。作者的には。
一度データが消えましたからね笑
これからも、私は鈍感じゃない!をよろしくお願いします。