その98、蟹仮面の秘密兵器
百合展開にいくとしても、最低10~15日ほどかかりそう
ゆみかを凝視していた男は、すぐにハッとしてかぶりを振った。
まるで何かを振り切ろうとするかのように。
「何なんだ、貴様あ!!」
マシンガン男は叫び、銃弾をゆみかに放つ。
「散弾!!」
ゆみかの杖から無数の魔弾は飛び出し、相手の弾をすべて打ち落とす。
リリアンゆみか……いつの間にあんなにレベルアップしたんだか。
ゆみかが接近すると男は銃剣を振るうが、心なしが動きは鈍かった。
「もうやめなさい!」
「誰が……!!」
お互い平行線な怒鳴りあいをしつつ、戦いは続く。
何で、いきなりゆみかが出てきたのか。
しかも、猫耳になっているのか知らないけれど……。
「どうやら、助かった……?」
私は少し息をつき、あの合成獣を探した。
と、空中に煙幕のようなものがまかれ、あの合成獣の姿が浮き上がる。
「同じ能力なら、すでに対処済みなので――」
言って、松上少年こと蟹仮面がⅤサインを見せてきた。
「は……」
私は少し笑い、空飛ぶ合成獣に飛びかかっていく。
<魔力集中――魔鋼刃強化>
十分に近づくと、腕の刃で合成獣を斬りつけた。
正直、浅い。
近づきすぎると、蔦が襲ってきて危ない。
かといって、距離を取ればまた毒霧だ。
鱗のない個所を殴り、蹴ってみたが効果は今一つ。
今までの集合体だけあって、防御力も並ではなかった。
「こりゃ、こっちもやる気でやらなにゃあ」
松上少年が、困ったように叫び杖を持って魔術を使いだす。
今まで本気じゃなかったんかい!?
「少しの間、援護を頼みます」
「了解!」
私は蔦や毒霧をかわしながら、合成獣の気を引き続けた。
どこか、弱点でもないかと思ったが。しかし、発見はできず。
と。
松上少年の足元に魔法陣が広がり、さらに何かが姿を現した。
「かに……?」
出てきたのは、金属でできた巨大な蟹の化け物だ。
蟹は地面に降り立ち、その巨大な鋏をガチャガチャさせる。
いつの間にか、こんなもんを作っていたのか……。
見た感じ頼もしそうだが、相手は空中だぞ?
「離れて!」
私が疑問に感じていると、松上少年が叫んだ。
言葉を受け、私はすぐに合成獣から離れる。
すると。
蟹の巨大な甲羅から、何かがせり出してくる。
砲塔? いや、パラボラアンテナか……?
アンテナ砲は空中に向けらると、カッと閃光を放った。
いや、ビーム? レーザー……!?
とにかく、強力な魔法兵器である。
巨大な光の帯は、合成獣にぶち当たり、真っ黒な蒸気を噴き上げた……!!
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