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その9、変身ヒーローだコレ




 これ、魔法少女じゃない……。



 私はスマホを取り落としそうになりながら、ひたすら脱力した。


 よくへたりこまなかったもんだと思う。



 アップされていた画像や動画。


 そこに映っていたのは、日曜の朝にやってそうなかぶりものヒーローだった。



 ヘルメット状のマスクも、ライダースーツみたいな服も。


 全て黒。



 よく見ると、あちこちに羽根みたいな金のラインが入っているが。


 フルフェイスのヘルメットには、鳥の顔みたいな意匠。


 これは正義のヒーローというよりは――



 理由があって正規のヒーローと敵対しているダークヒーローという感じ。


 後に改心するか、さもなくば死にそうなキャラである。



 体つきも完全に男で、私こと黒羽の体形とは別物だ。



 おいおいおいおい……。 



 何でこんなテレビの中か、さもなきゃヒーローショーにいそうなデザイン?


 確かに正体はバレにくいだろうけどさあ?



 私は頭を抱えるしかなかった。



 遅れて警察やら何やらが来て、事情聴取などをする。


 ゴタゴタしているなあ、と思っていると――



「お嬢様、お迎えにあがりました」



 家の者が迎えに来た。



 黒服のサングラスの女性である。


 悪役っぽいセンスやなあと感じるが。



「どうかしたの?」


「学校の事件は、テレビやネットでも流れておりまして……」


「あー……」


「奥様がすぐに迎えに行くようにと」


「なるほど」



 教師に確認してみると、



「今日はもう帰ってよろしい」



 と、おざなりな返事。



 魔女狩りに襲われた武市は病院に運ばれたようだ。



「明日からどうなるんでしょう? 授業は?」


「おって、また連絡します」



 まあ、教師にも答えにくかろう。


 しかし、こんなに早く魔女狩りが出てくるなんて……。


 こりゃ前世の知識も本格的に当てにならんなー。


 私は車の中でうなだれるのだった。



「お嬢様、大丈夫ですか?」



 運転しながら、迎えに来たサングラスは話しかけてきた。



「……少し疲れたわ」



 私は正直なところを言ってから、少し黙る。



 それから――



「学校を襲ってきた、アレについて何かわかってる?」


「さあ。それは……何か魔物の類であることは確からしいのですが」


「何かわかったら、教えて」


「かしこまりました」



 ふう、と息を吐いた後、私は家に着くまでネット検索を続けた。


 魔法や他種族が当たり前なのと同様、魔物モンスターというのも当たり前の世界。


 それは前世で言う原子力と放射能みたいな関係かもしれない。



 どっちがマシかは……まあ、個人で別れるところだろうが。





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