その88、鉄球を振るう乱入者
新キャラ登場の回です。
コブラはのたうちまわり、私を振り落とそうとする。
だが、そう簡単にやられるわけにはいかない。
私は必死でしがみつき、ドリル攻撃を続けた。
と――
いきなり、全身に衝撃と痛みが雨のように降り注いできた……!?
たまらずに、私はコブラから転がり落ちてしまう。
何とか起き上がろうとするところへ、さらに同じ衝撃と痛み。
これは、一体……!?
私は痛む体を引きずって低空飛行。できるだけの距離を置いた。
体制を建て直して、コブラを見ると、長い尻尾の先をこっちへ向けている。
そして、尾の先端から蠢き、怪しく輝いた。
何か仕掛けてくる!!
すると、コブラは尻尾から何かを機関銃のように発射してきた。
私は飛び上がり、障壁を張りながら回避していく。
何なんだ、この攻撃……!!
<解析。鱗を発射している模様>
どうやら、鱗を弾丸のようにして撃っているらしい。
おそらく魔力を帯びているであろう鱗はアスファルトの道路を穴だらけに。
さらには、周辺のあらゆるものを破壊しまくっていった。
あっという間に、数件の家屋がグシャグシャになってしまう。
何て傍迷惑なヤツだ!!
私は魔力弾を放つが、それも鱗で相殺される。
かと思えば、またも毒霧を吐き散らしてきた。
……これじゃ、どうにもならない!
長く戦えば戦うほど、周りを破壊してしまう。
いっそ、ひとまず退却するか――?
できるだけ犠牲は防ぎたいが、自分が死んでしまったら意味はない。
私が迷い、判断に困った時だった。
いきなり、風を切って何かが飛んでくる。
それはコブラの胴にぶち当たり、その巨体を転倒させた。
魔導警官の援軍か?
見れば、近くの屋根におかしなヤツが身構えていた。
ほとんど下着か水着みたいな、露出しまくりの鎧みたいなもの。
……というか、あれは鎧の意味あるのか?
頭には山高の兜をかぶり、手に長く重そうな鎖を持っている。
鎖は、コブラのほうへと続いていた。
その先には、無数のスパイクがついた輝く巨大鉄球が。
「へ!」
エロアーマーの女はニヤリと笑うと、鎖を振るう。
鉄球が浮き上がり、空中でブルンブルンと回転した。
「おらあ!!」
女は巨大鉄球を楽々と操り、コブラにぶち当てていく。
よく見れば、全身褐色の肌。傷なのか、入れ墨なのかわからないものが全身に。
ネコ科の猛獣を思わせる、野獣的な美女だった。
いや、もっと若い……。 美少女?
鉄球に何度も打ち据えられたコブラは、いきなりバラバラに砕けた?
否。合体前のノーマル魔女狩りに戻っていく。
ほとんどは消えて塵となっていくが、残った何体かは、あの奇妙な建物の中に。
「逃げたか……」
舌打ちをして、女は鉄球を引いた。
鉄球は光を失い、見る見る縮まってサッカーボールほどのサイズになった……。
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