その87、敵の異質な強さ
主人公が苦戦すると、読者が離れるって本当ですか?
まずい!!
私はやむなく鳥型ツールに防御させた。
結果、鳥型は金属の翼を広げ、放たれた毒液をもろに浴びてしまう。
途端に、むかつくような悪臭が漂い、鳥型の装甲は溶け始めた……!
<ダメージ大。活動に悪影響。修復不能レベルの危険――>
さらにやばくなった!?
<迅速な処置必要。緊急帰還――>
ダメージを受けた鳥型ツールは、煙を吹きながら秘密基地に。
さらに、まずい……。
私だけであの厄介なヤツを相手せにゃならんのか!?
倒れていた警官を担ぎ上げ、私は急いで飛んだ。
離れた場所に何とか警官を下ろし、再びコブラに向かい合うが、
「がっ!?」
強烈な一撃を受け、近くに民家に吹っ飛ばされてしまう。
屋根を突き破り、瓦礫を盛大に浴びてしまった。
巨大な鉄柱みたいのごとき、尻尾の攻撃……。
しかも魔力のこもった攻撃で、頭がグラングランする。
こいつ、違うぞ……今までの魔女狩りとは攻撃も頑丈さも……。
何とか立ち上がるが、ダメージが足に来ていた。
それでも飛び立ち、再びコブラと対峙するが……。
「ぎゃあ!?」
今度はもろに毒霧を喰らってしまう……!!
全身が、スーツごと焼けただれ、ひりついて動かない。
私は無様に落下して、道路に転がった。
何だ……。
こいつ、他のと何かが違ってる……。今までの敵とは本当に異質だ。
疑問がわいてくるが、それどころではなかった。
コブラはあちこちに毒霧を吐きちらし、パトカーだの警官だのを溶かしていく。
「この蛇野郎……!」
私は立ち上がるが、うまく力が入らなかった。
<毒による障害。解毒魔法、並びに治癒魔法>
傷と毒は魔法で対処はできた。
だが、完全とはいかず、体のあちこちがピリピリして違和感が消えない。
とはいえ、何もできないわけじゃない!
私は短期決戦とばかりに魔力をブーストさせ、死角からコブラを狙った。
腕の刃で、滅多切りにしてやる。
だが、まるで分厚いゴムみたいな感触が伝わってくるばかり。
硬さと弾力のために、大きなダメージは与えられなかった。
コブラはすぐに振り向き、また毒を吐いてくる
「そうそう何度も!!」
私は障壁魔法を展開して、それを防ぐ。
……が。
「うわ!?」
毒霧を受けた障壁は、煙を上げて霧散していった。
この毒は、魔法にも効果があるのか!?
効果のありそうな鳥型ツールは動けなくなり、嫌でも長期戦の予感が。
冗談ではないぞ!?
私はより加速して動くと、今度はコブラの背中に張り付く。
<螺旋回転。突貫攻撃魔法>
今度は、いわゆるドリル攻撃だ!!
私は右腕に集めた魔力を回転させ、より深くコブラの肉をえぐった。
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