その86、異界につながるようなもの?
ちょっと体調不良気味です……。
あの変なものは何なんだろうか?
魔力を感じるから、その手のものに間違いないんだろうけど……。
<異空間ゲート。類似――>
魔法による探知ではこんな感じだった。
すると、あれは異世界に通じているというのか?
私は警戒しながら、まきめやエミリをそれとなく引き離しておくことにした。
まさか、あそこからいきなりモンスターが出てくるのでは。
いや、確かに反応はあるが……。
と、
<魔女狩り探知。複数確認>
え。
いきなり空気が変わり、警官たちがざわめいた。
遠巻きに見ている建物から、のそのそと魔女狩りが出てくるではないか。
「下がって、下がって!!」
「みんな急いで離れて……! 急いで学校に……!!」
警官と教師たちが同時に叫び出す。
途端に、周辺はパニックとなってしまった。
「逃げましょう!」
私は友人二人を促し、振り返りつつ逃げ出す。
だが、たちまち押し合いへし合いになり、地面に転がる者も。
魔女狩りは後から後からわき出し、たちまち警官たちと乱戦になっていった。
だが、警官の銃や魔法は効かない。
あふれる魔女狩りは、すぐに警官を圧倒して、周辺に広がり始めた。
ちょっと振り向くと、逃げ遅れた女子生徒に接近するヤツも。
「……先に逃げて!」
私は二人に言い置くと、魔力で速力を強化し、逃げ遅れの女子を捕まえた。
そのまま担いで駆け出し、ひとまず距離を置いてからおろした。
「あんたも急いで逃げなさい!」
それから、物陰に隠れると、ワープで秘密基地に飛び込んだ。
当然は逃げたわけではない。
私は変身すると、鳥型ツールと共に再び現場に戻る――
敵は、一瞬の間にもっと増えているように思えた。
<索敵・照準。攻撃開始>
鳥型ツールには、上空から魔力弾で的確に攻撃させた。
人も家屋も多い場所だ。
あまり派手な攻撃はできなかった。
この前の最猛勝といい、敵の数がまた多い。
潰しても潰してもきりがなかった。
さらに、警官に後ろから打たれる危険性まである。
魔法少女が来てくれれば、さっさと退散したいところなのだが。
とはいえ、今は一人と一機だけの戦い。
魔女狩りが広がらないようにするだけで精いっぱいだった。
多少数が減り出したと思えた頃、魔女狩りは例によって群れが集まり出す。
そして、細長い尾の巨大な怪物に変わっていく。
見上げるそれは、巨大な黒いコブラだった。
今度は、毒蛇というわけか。
私が身構えていると、コブラは口から紫の霧を吹き出してきた。
あわてて避けると、霧を受けた建物はグズグズと腐ったように崩れ出す。
人間が受ければ、ひとたまりもあるまい。
そう思っているうちに、またも毒霧を吐きかけてくるコブラ。
かわそうと思ったが、近くには倒れた警官の姿が……!?
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