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83/301

その83、ラブ子は『バイト』をしに来日したらしい?

モンスター娘って、色々難しい。



 そして。



 蛇塚ラブ子は、昼前に戻ってきた。



 教室の窓から例の魔法少女衣装のまま、



「よいしょっとー」



 と、自宅に戻ったような気楽さで。



「ただ今、戻りましたー」



 変身を解きながら、ラブ子は授業をした教師に手を挙げて報告。



「あ、じゃあ……席に戻って?」



 授業中の英語教師は引きつった顔で、そう言った。


 色々しんどいだろうな、こんな生徒がいると。



 わけのわからん迫力に、みんなはほぼスルーしていたのだが――



 昼休み。



「あのー、蛇塚さん? お話とかいい?」



 弁同箱を手に、エミリが話しかけていったのだった。


 のほほんとしているが、けっこう度胸のある子なのである。



「うん。いいけど?」


「良かったー。あ、まきめに黒羽さんもいいかなー?」


「い、いいけど……」


「こっちもOK」



 まきめはちょっと緊張しているようだったが、私は平静を装う。



 そしてまあ。



 4人で机を寄せ合い、弁当を広げることになったわけだが。



「蛇塚さん、さっきはどこに行ってたの?」



 弁当の唐揚げを頬張りつつ、エミリが質問。


「あー、バイト?」


「バイトって……いいの? 学校の途中で……」


「そういう契約でやってるからね。学校にも話がいってるの」


「へー、どんなバイト」


「まあ、害獣駆除? ていうか、モンスター討伐だねえ」


「も、モンスターって……」



 ちょっとまきめが息をのんでラブ子を見つめた。



「色々呼び方はあるけど、仕事のほうじゃ黒鳶くろとびって呼んでる」


「聞いたことない妖怪……モンスターね」



 なんとなく予想はつくが、私は内心ギクリとしながらそう言っておく。



「ネットとかじゃあ、魔女狩りって言われてるね」



 ああ、やっぱり。



「え。魔女狩りって魔法が効かないんじゃあ?」



 エミリが驚いた顔ながら、唐揚げを食べ続ける。リスみたいだ。



「そりゃ種族特性みたいなもんっしょ。人間の魔法は効かないみたいだね」


「ああ、そっか。蛇塚さんは……」


「ラミアだからね」



 と、ラブ子は笑う。


 今気づいたが、ラブ子の弁当は半分近くがゆで卵で占められていた。


 それを、まさに蛇みたいに喰うのだ。



「ま、一応人間の血は引いているけどさ?」


「そーなんだ? あ、じゃあ蛇塚っていうのは……」


「お父さんの苗字。半分は日本人なんだ、私」



 なるほど。そういうことであったか。



「ま、ラミアは女だけの種族だから、父親はみんな他の種族だけど」


「ふーん……。じゃあもしかして、エルフとかドワーフも?」



 そういう子もいるよ、とラブ子は笑い、ゆで卵を喰うのだった。





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― 新着の感想 ―
[良い点] ふむ、このモンスターっ子、かなり強そうですな(こたつでせんべい食べながら)
2019/12/23 13:52 謎の百合好き
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