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その81、風雲の時に転校生来たり

新しい章の開始。

新キャラも登場です。



 事件の後――



 私はそのまま学校を早退して、夜まで眠ってしまった。


 敗北感。焦燥感。まあ色々あるが、とにかく疲れていたのだと思う。



 夢もない眠りの後、気づけば朝だった。


 ため息をついて、身支度の後は……結局学校に向かう。



 自分でも図太いというか、無神経かもしれないが、クヨクヨ悩んでも仕方ない。


 まあ、結局山田青年が助かったおかげかもしれないが。



 で。学校についてみると、何やら雰囲気が物々しい。


 さらに教室内に行けば、



「黒羽さん、昨日はどうしたんですか?」



 まきめが飛んできて質問。



「ああ、少し気分が悪くなったものだから……」


「昨日の事件知ってる!?」



 次はエミリがまきめの横に並んで叫ぶ。



「昨日の……?」


「ほら、さい何とかいう妖怪が出たところで……」


「ああ……」


「あの、坂本さん、テロ疑惑で捕まったんだって!!」


「……え?」



 聞き間違いだろうか?



「えーと、坂本さんって、坂本ゆみかさん……だよね? あの人が?」


「何かテロリストの疑いがあるとか言って、逮捕されたって」


「な、なんですと……?」



 寝耳の水、というやつだった。



「ほら、これ!!」



 エミリが出してきたタブレットには、ニュースサイトが表示されている。



 要約すると――



 昨日、最猛勝の大量発生した現場でテロに関与したと疑われる未成年女子が逮捕。



 ゆみかの名前は出ていない……。


 もしもこれが男だったら、たとえ小学生だろうが実名報道されてるだろう。


 ここは、そういう社会だ。



「なんてこったい……」



 私はさすがにショックを受け、眩暈を感じて机に突っ伏してしまった。



「まさか、あの坂本さんがねー……。テロリストってホントかな?」



 それは、多分ない。


 いや、絶対ない。



 だが、とんだことになったもんだ……。



 優秀な魔法少女だし、すぐ釈放されると思いたいけど、何とも言い難い。



 耳をすませば、教室はゆみか逮捕の話題で花ざかりだ。


 魔法少年ではなく、魔法少女が最初に逮捕されるとは……。


 私はうまく思考がまとまらず、突っ伏したままで時を待った。



 やがて、担任の武市が来て何やかんや話し出す。



「私は坂本さんの無実を信じている」



 というようなことを淡々と、しかし真剣に語っていた。



「…………で、こんな時ですが、転校生の紹介をします。入ってきて」



 コホンと咳払いをした後、武市は教室の外に呼びかけた。



 入ってきたのは――



 ダークグリーンの長い髪をした、人形みたいに美しい少女。


 耳がつんととがっているが、エルフのそれではない。というか、耳もダークグリーンだ。



「はじめまして。蛇塚ラブ子です。てきとーによろしく?」



 転校生は片手をあげて、軽い感じの挨拶をしたのだった。






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