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80/301

その80、つわものどもは去るのみ

またもレビューいただいてしまいました……! 大感謝!!


今回で80回となりました。

90、100ももう目の前?



<複数反応――女性魔法使い>



 私はその音声を聞きながら、少ない魔力で飛んでいた。


 山田は、血まみれで倒れている。



「……! …………!!」



 ゆみかは声にならない悲鳴をあげて、一足早く山田のそばに。



「血が……止まらない……!!」



 山田を見て、ゆみかが絞り出すように叫んだ。


 私は視界を強化して、相手を探知する。



<目標補足>



 離れた場所に、複数の魔導警官とおかしな仮面をつけた女が。



「あいつは…………」



 確か植物型の魔女狩りが出た時、私を襲ったヤツ。


 蜂のような仮面をつけた、魔法使い。


 背後の魔導警官たちも、蜂を思わせるジャケットとヘルメットを着けている。



「撃て!!」



 そいつらは私に向かい、一斉に発射してくる。


 普段ならば、余裕で防げるが、あの戦いの後ではこれは少々きつい。



「やめて……。やめてください……!!」



 と、広域の障壁が張り巡らされ、魔弾を防ぐ。


 ゆみかだった。



「この人たちは、妖怪退治するのに協力したんですよ!? それを……」


「鎮圧弾!」



 ゆみかが抗議するが、蜂女は構うことなく部下に撃たせた。


 撃たれたゆみかは、クタクタと脱力して崩れ落ちる。



<生体反応あり。外傷なし>



 おそらくは暴徒鎮圧用のものだろう。


 麻痺か何かの作用を持つ魔法を撃ちこんだのか……。


 このままトンズラをこくのが正解か。



 しかし……。



 このまま山田を放っておくわけにもいかない。


 私には、彼を呼び寄せてしまった責任があるのだ。


 何とか山田に近づこうとするものの、蜂女どもの銃撃は激しい。



<魔力残量――21%>



 まずい……。息切れや眩暈めまいまでしてくる。



 このままだと、こっちも一緒に銃殺される。


 私がたまらず、落下しかけた時だった。



「やはり、愚かだったなあ?」



 呆れたような声と共に、山田の上に紫の魔法陣が出現した。


 この強い魔力は……。



「自由意志を尊重して来させたが、こんなことだろうとは思ったよ」



 魔法陣から、あのダークエルフがゆっくりと現れる。



「ダークエルフ……!」


「た、隊長……どうしましょ……!?」



 強力な魔力を持つ異種族に、黄色ジャケットはあわてふためく。


 人間では、まともにやっても勝てる相手ではない。



「やれやれ。世話の焼ける契約者だなあ」



 ダークエルフは山田の傷に手を当てる。 


 すると、光の粒子があふれ、瞬く間に傷は消え去っていった。



 そして、そのままダークエルフは山田を抱えて魔法陣に消える。



 私も、混乱に乗じてその場を退去するのだった……。


 ある意味で、完敗とも言えるひどい結果……。







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― 新着の感想 ―
[一言] 山田君、引きこもり返上して頑張ったけれど人間の悪意には敵わなかった。 ダークエルフは本当に遊んでいるのか、ここまで計算して男の魔法使い達を女魔法使い達と敵対するように誘導しているのか判断が…
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