その78、そして援軍は来た
昨日体調不良で休みました。本日2回更新です。
次は22:00に予約です。
<新たな反応――男性魔法使い>
何十体目かの最猛勝を潰した時――不意に反応が出た。
松上少年か。田中くんか? それともまた別の。
そう思って確かめると、『戦場』から少し離れた場所に、パーカーの青年が立っていた。
「まさか、本当に来るとはな……まさに意外な展開だ」
そうつぶきやながらも、私は何故かあまり驚いてもいなかった。
山田青年。
彼が手を振ると、魔法陣が出現して、そこから巨大カマキリが現れる。
「何をしに来た?」
私は魔法で声を山田に飛ばす。
「手伝いに来たのか? どっちをだ。妖怪か、私たちか?」
山田は何も言わない。
ただ、カマキリに何か命令を出したようだった。
黒カマキリは飛び立ち、巨大スズメバチにへと向かっていく。
そこに鳥型ツールが追い打ちをかけ、動きを牽制する。
2体の敵に挟まれ、スズメバチはアタフタしたように見えた。
それによって、最猛勝の動きも鈍り出したようだ。
やはり、例の場所から大量発生している。
だが、連携した動きは取れなくなった。
「私は敵の『巣』を攻撃する。お前は最猛勝どもを潰してくれ」
できるかな? と、少し挑発するように私は笑いかける。
山田は、ブーメランを振るって応えた。
Uの字型の動きをする武器が、最猛勝を切り裂いていく。
けっこう。今は、彼の力を借りよう。
「では、頼む――」
私は最猛勝の群れを吹き飛ばしながら、怪しい場所へと突撃した。
<大型魔法。広域攻撃>
私は魔力を惜しまず、周辺の最猛勝を消し飛ばす。
その後、一瞬眩暈がした。
だが、ボヤボヤしてもいられない。
私は瓦礫の山に降り立つと、それらしい場所を探知した。
<大型魔法陣の痕跡発見。不完全な異世界ゲートの可能性>
瓦礫の下からは、確かに魔法陣の光が漏れ出している。
<魔法陣の一挙消去。広域破邪魔法。魔力消費大>
かなり消費が大きいか……。
だが、迷っていられない。
こうしている間にも、下からどんどん最猛勝がわき出してくる。
<魔法発動――>
私は腕の魔法陣を展開して、一気に瓦礫へと叩き込んだ。
遅れて来る、衝撃波。
それに吹き飛ばされそうなりつつも、私は空中で踏みとどまった。
少し観察するが、魔法陣も最猛勝の援軍もなし。
やったようだ。
そう思っていると……。
<鳥型ツール。魔力消費限界。撤退許可を>
忘れていた。アレにも活動限界があるのだってことを。
鳥型を撤退させると、カマキリとスズメバチの戦いになってしまった。
1対1では、カマキリは徐々に押され始める。
こっちが応援に行かなければ、と動いた途端、目の前が暗くなった。
<魔力消費大。未習熟魔法の影響。撤退勧告――>
ありがたい仰せだが、そういうわけにもいかない現状だ……。
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