表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/301

その77、こちらの毒蜂・あちらの大蜘蛛

ヒロインゆみかのマスコットキャラがいるなあと思う今日この頃。



 と、巨大スズメバチが現れると同時に最猛勝の数が増えた?


 スズメバチがガチガチ顎を鳴らすのに合わせ、最猛勝は突っ込んでくる。



「あいつを抑えろ!」



 私は鳥型ツールに命令を出した。


 すぐさま、金属の猛禽が黒い蜂に飛びかかっていく。



 空中で何度も激突しあうが、拮抗している様子。



 蜂の顎も毒針も鳥型ツールには効かない。


 だが、鳥型ツールもなかなか敵を捕まえられないようだ。


 接近すれば逃げられ、追えばかわされる。



 どうやら、スズメバチは回避に特化したタイプらしいな……。



 しかし、ボヤッと見てもいられない。


 最猛勝はどんどん増えていき、減ることがなかった。



 どうなっている……。



 私はもう一度、広域で探知魔法を使ってみる。


 すると、瓦解した建物跡らしいものがヘルメット内に映った。


 そこから最猛勝はわんさか飛び立ち続けているのだ。


 接近して調べてみたいが、敵が多すぎる。


 こうなったら、別の応援を呼ぶしかない。ないのだが……。



<松上くん……! 緊急事態なんだけど……!?>


<わかってます。しかし、こちらも……>


<こちらも?>


<うちの所有している土地に、土蜘蛛が出てきたんですよ>



 映るのは、巨大な虎に似た獣の頭を持つ巨大蜘蛛。


 そのサイズは、まるで怪獣だ。 



<人を喰う極めて凶暴なヤツなので、放置できんのです。警察も自衛隊も後手後手にまわっているばかりのようですから――>


<わかった……。こっちはこっちで何とかする!>



 まさか、こんな時に同時出現か……。いや、あっちは妖怪のみだが。


 大型と小型種の大群。どっちがマシか。



 私は考えながら、最猛勝を打ち落とし続けるが、まったく終わりがない。


 ゆみかもかなり疲労しているようだし、警官も数が足りないのは丸わかり。


 田中くんは……まだ戦えるかどうかもわからん。



 くそっ。普段偉そうにしている女の魔法使いどもは何してる!?



 ……いても、多分役に立たないか。



 その時だった。


 私の頭にふと思い浮かんだことがある。


 馬鹿らしいとは思ったが、この場ではわらにもすがりたい気持ちだった。



「山田あああああああ!!」



 私は周辺の最猛勝を吹き飛ばすと、空に向かって叫んだ。



「もしも見ているのなら、力を貸せ!! お前も魔法使いの端くれなら――」



 私は呼んだのは、あのカマキリを連れた山田青年だった。


 まったく無意味だな、とは思う。


 けれど、何故かあのカマキリパーカーがそこまで悪質な人間だとは思えなかったのだ。



 それは田中くんの彼への対応を見たからかもしれぬ。


 田中くんは、彼をきらいも軽蔑もしてないようだったから。



 ……それがなんだ?



 自嘲しながら、私は怪しい場所を目指して飛ぶ。



 空には最猛勝でいっぱいだ。


 妖怪の攻撃は魔法使いのものほど軽減できない。


 このスーツも、どこまで防御してくれるものやら。


 だが、元を絶たねばジリ貧なのである。





よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ