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その74、闇妖精の跳梁

今日は早めに投稿いたします。




「まずいことになりましたねえ……」


「やっぱり、まずいかしら」


「ええ。とても……」



 秘密基地の中、私と松上少年は頭を突き合わせてため息。


 こないだの魔法少年……いや、魔法青年とするべきか。


 彼の登場と、それに伴うダークエルフの出現。


 それによって、警察の動きはますます強くなってきたようである。



 ゆみかと共に田中くんも事情聴取を受けてしまった。


 さすがに魔法使いと疑われてはいないけれども。



「それも時間の問題かもしれませんねえ……」



 山田青年の暴挙により、男性魔法使いの存在は確実なものとなってしまった。



「しかし、あの山田って人はどうして……」


「まあ、恨みによるものらしいですね」


「恨み?」


「ええ。調べたところ、あの青年は高校時代にFA部とひと悶着あったようですな」


「ひょっとして……」


「あなたの学校の、ではありませんよ。あまり慰めにはならんでしょうが」


「学校も警察も隠蔽に走ったみたいで、調査は面倒でした」


「で、何があったの」



 何となく想像はつく気がしたが、一応聞いてみる。



「まあ、早い話FA部の女子に半殺しにされたわけです。何がきっかけまではわかりません」


「そんな話……」


「だから隠蔽されたと言ったでしょう」


「……そうね」


「彼が15歳の時だから、今から4、5年前ですね。退院後、そのまま家に引きこもって外に出なかったようです。近所でも目撃例はなかった」


「そんな人が、何で……いや、ダークエルフか」


「ご名答です」



 と、松上少年はいくつかのデータを空中に展開した。


「現在特殊な結界により、異世界とこちらは勝手に行き来できません。できませんが、それはあくまで建前ですな。向こう側がその気なら、結界は簡単に壊したり、すり抜けることが可能だと思いますよ。というか、現にダークエルフが現れた」


「目的が、よくわからないな……。引きこもりの青年に魔法を与えて、一体何がしたい?」


「娯楽でしょ」



 松上少年は淡々と肩をすくめた。



「いや、娯楽って……」


「侵略だの攻撃が目的なら、とっくにやっている。陰に隠れてコソコソと怪しげな悪事を行うなんて意味がないですからな」


「……見つかった魔法使いが、こんなパターンとはね……」



 私は嫌になって、片手で頭を抑えた。



「あの山田青年にどれほどの資質があるのかは知りませんが、ダークエルフが関与しているとすれば、器に見合わない力を得たとしてもおかしくありません」


「まるで、悪魔との契約ね」


「実際、向こうでもダークエルフは魔族とか呼ばれることもあるようです」



 信用ならない連中ですよ、と松田少年は困った顔だ。



「ふむ……ねえ」


「あまり期待されないほうがいい」


「まだ何も言ってないんだけど?」


「ダークエルフの力を借りて、魔女狩り対策ができないか……でしょう? できればすぐさま問題は解決するでしょうがね。仮にうまく運んだとして、どんなしっぺ返しがあるかわかったもんじゃありませんぞ」






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