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その7、変身してしまった。しかし……これは

ついに魔法変身。




 光りだしたワンドは長く伸び、ぐるぐると私を包み込み始めた。



 あ、と叫んだ時、私は紫の光に覆われてしまう。



 そして、衣服が変化していた。


 一瞬、アニメのヒロインみたいなものかと思ったのだけれど……?



「え」



 私を覆っていたのは、黒いライダースーツのようなものだった。


 手には同じく黒のグローブ。足は黒のブーツ。


 とどめとばかりに、頭はフルフェイスのヘルメットみたいなもの。



 ただ、視界はまったく悪くなっていなかった。


 むしろ、周囲のことが手に取るようにわかる。


 感覚全体がナイフみたく鋭敏になったようだ。



 黒いスーツで覆われた体は冷たくも厚くもない。


 いたって快適だ。



 そして、頭の中に流れて混んでくる情報の波。



 これは……このスーツの使い方だ……!



 私の魔力や体力を増幅し、より効率良く動けるらしい。



 ふわりと、体が浮き上がった。


 高度な浮遊魔法も楽々使える!



 その時、外へと意識が向いた。



 魔女狩り。



 いかん、すっかり忘れていた……が、こっちを見ている?


 つかんでいる武市からも興味を失っているようだ。



 と、魔女狩りはぐったりとしている武市をゴミみたいに放り捨てる。



 やばっ!



 私の感覚は、武市が完全にグロッキーになっているのを理解した。



 助けないと……。でも、できるか? 



 悩みかけた途端、私の体は自然に動いていた。


 教室を飛び出し、空中を走ってまっすぐに武市のもとへ。



 驚くような速さなのに、風圧みたいなものはほとんど感じない。


 難なく、地面にぶつかりかけた武市をキャッチしていた。



「……だれ?」



 うっすらと目をあけながら、武市はつぶやく。



 刃光院です。



 と、答えそうになるが、何とかストップ。


 武市をおろすと、私は上を見た。



 魔女狩りが見ている。



 逃げたほうがいいんじゃないか?


 いや、逃げるべきだ。



 理性ではそう判断したんだけれど……。



 いや、戦うべきだ。



 何というのか、本能? そういうものが逆の選択をした。


 跳躍して、魔女狩りと対峙する。



 感情の見えない目で、こちらを見る魔女狩り。


 不思議と恐怖は感じない。


 でも、それが逆に怖いような気もした。



 と、魔女狩りが黒いマントとも翼ともつかないものを広げた。



 来る。



 その予感通り、怪物はまっすぐこちらに向かってきた。


 私はただ本能に流されて、飛ぶ。


 怪物の爪が、こちらに向かってくるのが理解できた。



 それをかわして、身をひるがえして――キック!






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