その66、資質の条件は
新キャラの名前とかまだ決まってなかったりします……。
松上少年の爆弾発言に、私は少し絶句した後――
「誰かって……まさか、本当にテロリスト?」
「まあ、おそらく」
「おそらくって……魔女狩りを操れるって言っても」
「その特性上、女性の魔法使いには難しいでしょうねえ」
「でしょ」
「ただし。人間の――という注釈がつきますが」
「人間以外? つまり、私たちから見て他種族……」
まず浮かぶのは代表的なエルフやドワーフなどだが……。
「もう一つ、可能性があります」
「え」
「僕ら以外に、男性の魔法使いがいないと断言できますか?」
「!!」
「世界ってけっこう広いし、日本も広い。人もたくさんいますよ」
「そうね。君や田中くんがいるんだから……十分ありえるか」
「ええ。実のところ、その候補者はけっこういるのです」
そう言って、松上少年は杖で白い床を突いた。
できたのは、四角い画面。
それには、何かの計算式のようなものが書かれていた。
よく見ると、エルフの文字を使っているようである。
何となくDNAの二重螺旋に似ているようだった。
「これは色々調べて分かったことですけどね」
コホン、と松上少年は咳払い。
「男性が魔法使いになれないというのは、誤りなんですよ」
「そりゃ、君とか……」
「まあ、そうではあるんですが――」
と、松上少年は計算式を指し、
「正確には、初代の魔法使いになれるのは女性だけ、なんです」
「え。つまり……」
「はい。両親のいずれかが魔法使いであれば、その特性は子供に受け継がれます」
「……おおお」
「現に僕の母も、田中さんのお母さんも魔法使いです」
「じゃ、魔法使いが母親の男性なら」
「魔法を使えるようになりますね。どの程度かは、その資質によるでしょうが」
「なら、探すのは案外簡単ってことか……」
「ですね。ただ、必ず資質があると断言できるのはCランク以上の魔法使いです」
「余計にわかりやすいじゃない」
「ええ。でも、そういう人で男の子を生む女性ってのは、少数派みたいですが」
「ああ……そうか」
私は軽く自分の頭を叩いた。
ただでさえ、魔法で産み分けが簡単になっている。
その上、魔法使いバンザイの世の中だ。
男の子を生もうと思う人は少なくなるのか……。
「ただでさえ、男子の出生率は低くなっていますからねえ」
困ったように肩をすくめる松上少年。
かなり、困った事態になっているのだ。
私は幼稚園から小中と女子校だったから、今いち実感が薄いけど。
じゃ、結婚相手はどうするのか、というと。
同性婚や、他国の男性。少し前は他種族の男性と結婚すればいい――
マスコミなんかがそういう風潮を無責任に煽っていたようだ。
おまけに、女性同士でも子供が作れるようになっているし……。
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