表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/301

その64、謎の蟹仮面・ナイスアシスト

そのうち巨大ヒーローもやってみたい今日この頃です。



 その途端、もわもわと煙のような魔力が噴き上がった。


 見る見るうちに、カメレオンの姿が現れていく。



「相殺魔法を撃ちこんでヤツのステルス能力……ふむ、魔法かな? とにかくそれを打ち消した。今のうちだよ?」



 黒仮面はマントをわざとらしく広げて、ハッハッハと笑う。


 何だか古い映画の吸血鬼みたいである。



「そのようで」



 私は短く答え、鳥型ツールを呼び出した。


 多少頑丈でも、こいつの一撃なら――!!



 目論見通り、黒カメレオンはツールの爪で引き裂かれいく。


 血のように噴き出す黒い魔力。



 私はツールに飛び乗ると、魔力を込めた。



<攻撃機能。翼が刃となる>



 よし、今回はこれだ!



 魔力を帯びたツールの翼は金に輝きながら、拡大した。


 私はそれを操りながら、地面をのたつくカメレオンを切り裂く。


 ズタボロになったカメレオンは一瞬痙攣けいれんしてから、黒い塵と消えていく。



 ふう。



 私が飛び降りると鳥型ツールは魔法空間に戻る。



「お見事」



 着地した私に、仮面は手を叩いてみせた。


 よく見るとこのフルフェイスの仮面、金色のマークが中央にある。



 これは……蟹か?



「あんたは――」


「うーん。僕はですな」



 黒い蟹仮面はもったいぶった態度で、黒手袋をはめた手を顎辺りに持っていく。



 と、その時、



「不審者確保おおおおおおおお!!」



 いきなり声がして、何かがこっちへ突っ込んできた。


 まずい、警備員か?



 蟹仮面はふわっと空中に浮かびあがり、私のほうへ向かってくる影。


 そいつは、私に見知った人物で……。



「稲見さん、ダメだよ……!」



 横から響くとヒロインの叫び。


 私に飛びかかってきたのは、中岡稲見。


 手にした短いメイスで、殴りかかってくる。



 全然力も体重もかからん攻撃だったが。


 メイスをつかんだ手に、小さく走る電流。


 なるほど、麻痺スタンの魔法を使ったのか。



 もっとも、私には何にも感じなかったが。



「ダメだって……!!」



 私の腰にしがみつく中岡を、ヒロインゆみかが必死で引っぺがす。



「……良い友人を持ってるね」


「ご、ごめんなさい!」



 嫌味を込めた私の言葉に、中岡を羽交い絞めしたゆみかはうなだれる。


 だが、相手にはしていられなかった。


 今度は本物の警備員たちが、格闘用の魔法杖を手に取り囲み出す。



「ふん……!」



 私は地面を殴り、魔力波で土煙を噴き上げた。


 土煙は見事に周辺を隠してくれ、その間にさっさと逃げる。



 ワープで戻った女子トイレから出る時、私は何とも言い難い疲労感をおぼえた。






よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ