その58、狙い撃つ魔法使い
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「ちっ……!!」
今まで以上に強い衝撃だったが、どうにか持ちこたえる。
<魔力弾、補足――>
続いて放たれた追撃は、どうにか回避できた。
<魔力増幅確認。射撃者補足――>
次に、こっちを狙っている相手を見つけた。
そういつまで狙い撃ちされてたまるか!!
私は腕の刃を取り外し、手裏剣のように投げ打った。
またも魔力の弾丸が飛んでくるが、今度は見当はずれ方向へ。
その隙に、私は窓を突き破って外へ飛び出した。
魔力をたどって、射撃主を追う。
だが、その前に次々と魔力弾が撃たれた。
どうやら、外で大勢待ち構えていたらしい。
今までは逃げる専門だったが、いい加減に腹が立ってくる。
何とか、雑魚を一掃できないか……。
<牽制に適用。拡散魔力波動――>
どうやら、魔力を衝撃波に変えて撃つものらしい。
これなら……!
私は魔力をこめて、魔法を放った。
魔力と生体反応を目当てに、波動は飛んでいく。
あちこちで倒れる手ごたえみたいなものが感じられた。
銃撃もやむ。
ようし……!! このまま。
私は飛翔して、さっき狙撃してきた相手へと向かう。
パーティー会場から離れた公園の一角。
そこに、魔力が感じられる。
どこだ……。どこにいる?
魔法でサーチするが、反応はやや曖昧だった。
不完全だが、隠蔽の魔法を使っているのか。
と、またも飛んでくる弾丸。
今度は余裕で弾き飛ばした。
さらに近づくと、何かが転がりながら木の陰から飛び出す。
私は追いかけて着地すると、薄闇に白い光が走った。
寸前でかわすと、それはレイピアのような細身の刃。
私が構えると、舌打ちが聞こえた。
少し距離を置いて見えたのは、蜂のような意匠の服を着た魔法使い。
顔の上部をマスクで隠しており、見えるのは口元だけ。
そのマスクも、蜂の顔をイメージさせるものだった。
「お前を逮捕する――」
やや間をおいて、魔法使いは言った。
なるほど、魔導警官か。それとも、雇われたのか。
どっちにしろ、捕まるつもりもない。
私は肩をすくめて、また距離を置いた。
いざ相手の姿を確認してみると、何となく馬鹿馬鹿しくなる。
「なめるな!」
定番のセリフを吐いて、蜂仮面は刃を振るってきた。
距離があるので、当たるわけがない……と思っていると――
振るわれた刃から、鋭い魔法の弾丸が。
なるほど、これを撃ってきたのか。
だが、そうそう当たってやるわけにはいかない。
私はかわし、拳を握り締める……。
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