その57、一難去ってまた一難
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どこだ、どこにいる……?
私は焦るが、敵の気配は漠然としていた。
探知魔法でも、引っかからない。
ほんの時々、動く気配のようなもの感じられるだけだ。
あちこちをキョロキョロしても、余計わからなくなるばかり。
こりゃ、まずい……。
いったん退却したほうがいいかな?
ボヤボヤしていると、また警察に追われかねない……。
……よし。逃げよう!
と、決めた瞬間だった。
いきなり、体が拘束され、強い力で締め上げられる。
何から大きな蛇みたいなものが絡みついてきたのだ……!
これは、尻尾か?
しかし、何やらねばねばした液体が見えない表面から滴っている。
まさか、舌か? うげ、キモ……!!
何とか逃れようと、私は絡みつくものを逆につかんだ。
表面が潰れ、黒い液体がにじんで、黒い蒸気みたいなもの立ち昇る。
その時、また相手の姿が見えた。
って、これ……。
「今度はカメレオン……?」
見えた姿は、でかく真っ黒なカメレオンというものだった。
蜘蛛にコウモリ、サソリ。植物ときて、今度はカメレオン。
どういう法則があるんだか。
巨大カメレオンの長い舌を、私はつかんで引っ張るという状態。
向こうは引いてくる。こっちも引き返す。
しばらくの間、気色の悪い綱引きは続いたのだが。
ミリミリミリ……と、嫌な音がした。
その一瞬後に、ブチンと舌がちぎれる。
勢いあまって私はひっくり返り、カメレオンも悶絶した。
私はすぐに立ち上がって、絡まる舌をはぎ取って捨てる。
不利と見たのか、カメレオンは尻尾を向けて窓から逃げようとしていた。
「逃がすか!」
私は走り、カメレオンの尻尾をつかんだ。
今度は舌よりもつかみやすかった。
そのまま引き戻そうと力を入れるが、その時他の窓から何かが飛びこんでくる。
「え!?」
そう叫んだ瞬間、爆発と閃光が会場を包む。
爆風に吹き飛ばされ、私は壁に叩き付けられた。
粉塵と一緒に転がりながらも、スーツのおかげで何とか立ち上がる。
<爆裂魔法の攻撃を確認――>
ヘルメット内に伝わってくる情報。
カメレオンのやつは……もう見えない。
再び姿を消したのか、それとも逃げたのか。
どっちにしろ、厄介な相手を逃がしてしまった。
そう思っていると、入り口やドアから、次々に人影が乱入してくる。
いずれも武装した魔導警官……多分だけど。
警官たちは即座にこっちを撃ってきた。
……衝撃はあるが、ダメージはない。
こりゃ、いかんわ。
私はすぐさまワープ魔法の準備に入る。
そして、逃げようとしたところを狙い撃ちされた……!
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