その49、追ってくるモノたち
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「ふう、やれやれ……」
あちこちに伸びた黒い蔦に、私は嘆息するばかり。
今度の魔女狩りは、動物とか虫の姿ではなく、植物になった。
植物を真似るならじっとしてればいいのに、こいつは蔦を伸ばして大暴れ。
しかも貪欲と見えて、人間や犬猫に襲いかかっていた。
おかげでそれを守る私は大変だ。
蔦があちこち伸びるので、私と鳥型ツールの2体がかりでも面倒なことに。
幸い防御力は弱かったので、蔦を引きちぎり魔力で焼き尽くした。
魔力による炎は燃え移らないように制御できるので良い。
巻き添えで植物園が一部破損してしまったが、不可抗力ということで……。
周辺に魔女狩りがいないことを確認してから、私はホッとして帰る。
……つもりだったのだが。
ビシッ!
と、そんな音が衝撃と共に背中に走った。
って、なんだぁ!?
<魔力のこもった弾丸を被弾。損害は軽微。動作に支障なし……>
まさか、他にも新手が……!?
私は急いで探知の魔法を使うが、魔女狩りの反応はない。
じゃあ、さっきの弾は誰が撃ってきたんだ……。
そして私は、離れたビルからこちらにライフルを向けている相手を察知した。
いきなり狙撃かよ!?
そんなことしてる暇あるなら、何で魔女狩りの対処をしなかった?!
私にやらせておいて……。害獣駆除した相手を撃つっていうのか……!
やたらめったらに腹が立った。
私はすぐに飛翔し、撃ってきた相手に向かって飛び立つ。
相手のいたビルの屋上。
そこへ飛び降りた時には、相手はもういなかった。
逃げ足の速い……。
さっきの何なんだ? やっぱり警察か?
私が頭を振りながら、立ち上がった途端――
いきなり、まぶしい光が四方八方から飛び込んできた。
幸い、私のヘルメットは問題なく視界を保ってくれるが。
『動くな! お前は包囲されている!!』
女の声と共に、あちこちのビルから武装した魔導警官が飛び出してきた。
人間の魔法使いだから、まあみんな女性だ。
もっとも、重装備のせいで顔は全然わからないけど。
『頭を手の後ろに組んで地面に伏せろ!』
偉そうに言ってくれるが、捕まるつもりはない。
そもそも、警察とか偉い人と協力するべき問題なのではないか?
こういうこともチラッと考えないではなかったが……。
いや、私一人なら問題なかったかもしれない。
しかし、松上少年や田中くんと関わってしまった今では――
そうもいかないのだ。
私は相手を無視して、真上に上昇した。
魔導警官たちは追いながら撃ってくる。
しかし、ぬるい。
かわすことも、ロックオンを妨害することも容易かった。
私は警官たちを引き離した後、格納庫のある魔法空間に逃げ込む。
鳥型ツールも、自動で戻っていったようだ。
はあ……。しかし、警察がこんな手段に出てくるとは……。
私よりも、魔女狩りの対策のほうが先だろうに。
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