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その47、歴史を少し遡って

ブクマが増えたり、減ったり、減ったりで一喜一憂……。


『――そういう理由から、私たち女性はあるべき位置にようやくついたと断言する。歴史が始まって以来、男に不当な搾取と隷従を強いられてきた私たちは、ついに魔法という翼を得た』


『魔法は平和的かつ理性的な女性のみに許された力だと、あえて言い切りたい。もしも暴力的かつ本能的な男性が魔法の力を得たら、世界は後戻りできないほどに荒廃するだろう』



 これらは、著名な魔法使いたちの言葉である。


 他にも――



『地球の女性たちは皆、霊的に劣っている地球人男性ではなく、霊的に等しいエルフの男性と婚姻を結ぶべきである』



 あるいは――



『ようやく、女性は人間として真っ当に生きられる時代にたどり着いた』


『今や魔法で男女の産み分けが完璧となった。これにより、人類は雄性などという欠陥部分を排除することが可能になったのである』


『女性同士で作られた人間こそ、次代を担う人材!』



 ちょっと探すと、それはもう痛々しい内容の記事が乱れ飛んでいる。


 高いランクにある魔法使いの半数が、こういう思想の持ち主っぽい。


 まあ、かなり香ばしい……。



 もっとも、前世の記憶が戻らなければ、私もうっすらこんな感じだったのか?


 今世の記憶と、検索した情報。


 これらを合わせると、この社会では――



『女性同士こそ至高で美しい。男女交際とかwwww』



 という流れが来ているようだった。



 何というか……。



 江戸時代のどっかの藩みたいな感じである。


 あっちは男色が至高! 異性愛は下劣! というアレだったけど。


 こんなんじゃ、男いなくなってねーか?



 とすら思う。



 しかし、産み分けの魔法や、女性同士での妊娠。


 これらが可能になったのは比較的最近らしい。


 魔法の技術体系を調べてみると……だ。



 異世界から魔法がやってきて、10数年の間、あんまり進歩してないようである。


 エルフの技術をみっちり学んだ魔法使いなら話は別だが……。


 ほとんどの魔法使いは、一応魔法は使えるというレベルなのだ。


 また、深い学識やセンスがあるわけでもない。


 これで高度な未知の技術を広めるには無理があったようで。


 それに、10年ほど前から異世界との交流は芳しくない。


 当初は大勢行き来していたエルフなども、今は少数だ。



『異世界間渡航規定法』



 この法律で、異世界人はこっちに来にくくなっている。


 調べてみると、これは元々ある種族の渡航を制限する目的だったようだ。


 それはもちろんエルフではないし、ドワーフでもない。



 原因となったその種族とは……サキュバス。



 夢魔とか淫魔とか呼ばれる種族。


 ゲームとかでおなじみのエロいアレである。



 私も直接会ったことはないが。



 悪魔に似た姿が特徴で、人間の精気を糧にする。


 異世界とのゲートが開いた当初、こいつらが数多くやってきたそうだ。


 サキュバスは老若問わずに男を喰いまくり、社会問題となった。



 こいつらのせいで風俗産業は大打撃を受ける。


 そればかりではなく、社会全体が大きく揺らいでしまったのだ。


 男性の排除を叫ぶ過激思想も、この時生まれた模様。



 まあ、何かかんやでサキュバスは入国禁止となるのだが……。






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