その42、集められた魔法少年……?
そして終結する少年たち……の回。
「なるほど、わかりやすい……。ってか、なくしましょう、じゃないのね?」
「そんなのはほぼ不可能だと思いますよ。全国規模、下手すれば世界規模で魔女狩りは増えるかもしれないんですし」
「そりゃそうか」
私は背を伸ばし、苦笑した。
「正直、君って胡散臭いけど、貴重な魔法少年だし……良いとしましょうか」
「では」
「協力しましょう」
「おお」
「で、早速だけど、近いうちに君のところにお邪魔したいなー?」
「もちろん、そのつもりでした。お出迎えする準備をしておきましょう」
と、松上少年は軽く胸を叩く。
「あ、それと。もう一人一緒に連れていきたいんだけど……」
「それは……?」
少し、松上少年の目に警戒心みたいなものが浮かんだようだ。
「男の子だよ。君より年上だけど」
まあ、そういうことになったわけで――?
「こりゃあ、一体どうしたことだろ???」
車中で、田中北吉くんは目を丸くしていた。
駅で待ち合わせの後、うちの車で移動することになったのだが――
「あんた、えらいお金持ちだったんだなあ……」
と、感慨深げにしていた。
「まあ、そこそこ」
「でもそんな人が俺に何の用事で?」
「それはついてから話すわ」
やがて車は、松上邸に到着と相成る。
「お待ちしてました」
降りると、松上少年の出迎え。
「こちらは田中北吉くん。私も最近知り合ったばかりだけど」
「ほお……。なるほどなるほど……」
松上少年は田中くんに握手を求めながら、
「なるほど。なかなか得難い人材のようですな」
「何のことだ?」
田中くんのほうは、終始ポカンとしていて混乱しているようでさえあった。
そして。一同は松上少年の部屋に案内される。
整理整頓されてるけど、何だかドラマのセットみたいな感じ。
どうにも生活感というものがない。嘘くさいというのか。
ホントに、ここで暮らしているのか? と、思えるような。
「さて、まずぶっちゃけますが――僕とあなたは、魔法少年なのです」
松上少年は、ニコニコしながら田中くんの肩を叩いた。
「は?」
「まあ、魔法の才能を持った男子というほうがいいですかね」
「魔法って……そりゃあ、女しか使えないんじゃあなかったか?」
田中くんは胡散臭そうに松上少年を見て、私のほうを向く。
「まあ、世間ではそれが常識になってますが、誤りなわけですね」
「でもさ、俺は魔法なんて使えんぜ」
「そりゃ訓練も何もしてないですから。どんな水泳選手でも最初はカナヅチのように」
「けどなあ……」
「なので、今日これから訓練いたしましょう。広い場所に移動して……」
「それなら、いい場所があるわよ?」
私は会話に割って入ると、例の格納庫へつながる穴を開いた。
よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!
感想は一言でも歓迎!
あなたの応援が励みになります!