その39、すわ!? 魔法少年!?
昨日更新し忘れたので、本日2回やります。
2回目は22:00予定。
「今日は少し用事があるので、お先に失礼」
翌日、まきめとエミリのフォローをしてから、私はいち早く迎えの車へ。
「まっすぐ、家へ」
運転手にそう命じて、私は家に戻った。
しかし、ここから忙しいのだ。
ステルス魔法でそっと家を抜け出し、ある場所に向かった。
そう遠くない、ごく普通の公園。
私はステルスを解いて、何気なく公園に入る。
それから、自販機のコーラを買ってあるベンチに。
直後。
ベンチのそばに、見知らぬ少年の姿が現れた。
野暮ったい眼鏡をかけた、凡庸そうな少年。
「はじめまして、ヒーローさん」
少年は、その容姿に似合わない不敵な笑みを浮かべて言った。
擬態だな、と思う。
「飲む?」
私はまだ開けてないコーラを見せながら、ジロリと睨んでやる。
隠したもう片方の手には、ワンドが握っているのだが。
「いや、けっこう」
少年は大人びた調子で断り、間をあけてベンチに座る。
「はじめまして。僕は松上太郎という者です」
「まつ、がみ?」
聞き覚えのある苗字だ……。
確か、某大手電機メーカーの経営者が、そういう名だったかな。
うちの家ともいくらか関係のある企業だけど。
私はもう一度少年を見る。
見た目は、小学校2~3年生くらい?
でも、その眼鏡の奥から見えるの目の光は、どこか普通じゃない。
「なんか、ませてるね君」
言ってから、密かに魔法を使う。
<魔力探知……ステータス確認。潜在魔力:18000>
「!!?」
そのとんでもない数値に、私はギョッとした。
変身した私でも、魔力の数値は5000ギリギリ……。
こいつは、その倍以上の魔力を持っている???
「君、もしかして女の子?」
「僕ぁ、正真正銘の男ですよ。むふふふふ」
どこかオッサンのような口調で言って、松上少年は微笑むのだった。
ハッキリ言って、可愛くない……。
「そっか」
私はため息。
ひょっとして、私の求めていた人材が目の前にいるのでは……?
「とすると、君って魔法使い、なのかな?」
「いかにもその通りです」
と、松上少年は右の手のひらを手に向けて見せた。
そこに、紫の小さな光が浮かび上がる……。
私はワンドを前に出して、サーチしてみた。
やっぱり、強い魔力がある……。
「もしかしたら、お互いに協力できるってことかしらん」
「そう願っていますよ」
松上少年は笑い、私たちはもう一度握手した。
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