その37、ダウンしたところを助けてくれたのは?
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強い疲労感……?
いや、それにこれは空腹? だろうか。
とにかく、何でもいいから口に入れたいけど、体が動かない。
「――大丈夫か?」
心配そうな、男の子の声……。
私が顔を上げると、同い年くらいの少年がこっちを見ていた。
大きなどんぐり眼の特徴的で、ちょっと田舎臭い感じ。
「救急車呼ぼうか?」
「い、いえ、それよりも……」
「?」
「何か持ってないかしら……? その、ちょっと……」
「喉でも渇いてるのか?」
「いえ、おなかが……」
「ああー」
少年はポンと手を打つと、
「ちょっと待ってな!」
そう言ってどこかに走り去ってしまう。
なんか……情けないことになってしまった。
そう思っていると――
「おまたせ! これ、食えるか?」
さっきの少年が何かを持って戻ってきた。
どうやらコンビニの袋らしいものから取り出してきたのは、ゼリー飲料。
よくスポーツをする時に飲まれている、おなじみのやつだ。
「チョコよりもこっちがいいかなと思って……」
「ありがとう……」
私は受け取ると、手に力が入らず、落としてしまう。
「ホントに大丈夫か?」
少年はゼリー飲料を拾うと、開封して手渡してくれる。
甘い味が、心地よく私の喉を伝う。
ゆっくりと全部飲み干してから、私はようやく人心地ついた。
「まだ、残ってるけど、いるか?」
「いただきます……」
そういうわけで、私は少年から合計3つのゼリー飲料をごちそうになったのだった。
やっぱり、まだ魔法使いとしては未熟らしい……。
「ありがとう。おかげでホッとしました……」
「なぁに」
礼を言うと少年は笑っていたが、
「あれ……あんた、さっきの」
「え?」
「いや、ほら、さっき箒のバカにやられてた俺を助けてくれた……」
「ああ……!」
そういえば、この少年、どっか見覚えがあると思ったけれど。
さっきのDQN少女にやれていた子じゃないか。
「ふーん。妙な感じだけど、恩返しができて良かった」
と、少年は嬉しそうに笑った。
「改めて、ありがとう。そっちもケガはない?」
「いやあ、おかげさまで……」
照れくさそうな少年。
ふむ……? 何だろうか、この少年どこか妙に親近感がわく……。
何ていうか、どこか私と似ている? いや、近いものがある……?
どうしてだろうか、そんな感覚がしてならなかった。
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