その3、希望は男の魔法使いらしい
取り巻き女子登場回。
「男の魔法使い……それだ!!!!」
私は場所も考えず、思いついたことを叫び、机をぶっ叩いていた。
「え……なに!?」
「男の……魔法使い?」
「そんなんいるわけないじゃん……」
「何言ってんの、あいつ……」
クラス中がざわつき、危ないものを見るような視線が……。
「あ……」
しまった、やっちまった。
私は失敗に気付いたが、後の祭りである。
だが、そこはそれ。
コホンと咳払いをしてから、着席して挙手。
「え……? えーと、刃光院、ね? 何か質問でも?」
「魔法使いは女性ばかりですが、男性の魔法使いはいないんですか?」
「あー、エルフなど、他種族には男性の魔法使いも確かに存在する。が、人間で魔法を使えるのは女性だけですね。遺伝的なもののようです」
担任はちょっと困った顔で答えてくれた。
「はい、わかりました。ありがとうございます」
私は一礼してから、また思考に没頭する。
確か、この世界では20年くらい前に異世界とのゲートがつながるようになり……。
そこから交流が始まり、魔法も伝わってきた――はずだ。
アニメの設定ではそうなっている。
今世の記憶と照合しても間違いないようだ。
種族によっては地球にこれない……渡航を禁止されているものもいるようだが。
エルフなど、魔力と魔法に長けたファンタジーでもおなじみの種族。
他にも妖精……フェアリーとか、猫耳の獣人族とか。
アニメでは女性キャラばっかだが、男性もいるのは間違いない。
これらの伝手を作っていけば、魔女狩りに対抗できる力も整えられる……!
そして、ここで記憶に光が。
刃光院の家は、そういう異世界の種族とのつながりが強い家である!
異世界の資源や商品を取り扱う貿易なんかも行っているのだ。
……何だ、いけるやん。
心配することなかったやん!
と、すれば焦ることもなかろう……。
そういうわけで。
私は一息つき、入学式もつつがなく終えたのだった。
が――
最初の奇行が問題であったらしいのか……。
私に話しかけてくる女子はゼロ!
あー、やべえ。ぼっち確定かなあ。
そう思っていると?
「あの、刃光院さん?」
丸眼鏡の、子犬みたいな感じの女子。
その隣にはボブカットの若干つり目の猫みたいな女子。
あ、思い出した。
確かアニメでも黒羽の取り巻きをやっていた女の子二人である。
後藤まきめと、吉田エミリ。
どっちも家がらみで黒羽とつるんでいたのだっけ。
「後藤さんと、吉田さんでしたっけ? 何か?」
ともかく、ぼっちはまぬがれたらしい。
アニメではあくまでモブだったが、ここでは貴重な人脈のうちだ。