その26、鳥型ロボット発進せよ!
本気でまいったなあ……。
そう思っていると、スマホの画面に突如見慣れぬアプリが……。
ツール起動。
よくわからんが、もしやと思って開いてみる。
ゲームの操作画面みたいなものが出てきて、あの鳥型ロボットが映った。
<ツール起動可能>
起動を選択すると、
<発進OR待機?>
と、出る。
少し考えてから、<発進>を選択した。
<場所を指定してください>
そういう文字の下には、
<場所指定――自分で指定ORおまかせ?>
と、ある。
おまかせを選んでみると、今魔女狩りが出ている中学校の画像。
そこを選ぶと、
<鳥型ツール発進します>
そして格納庫から、鳥型ロボットが飛び出す場面が映る。
白い空間に穴が開き、見えるのは例の中学校。
そこへ向かう鳥型ロボットを確認した時、
<全校生徒、教室内で待機してください。授業を中断し、防衛モードに移行します>
との校内放送。
私は一旦スマホをしまい、教室へ戻った。
クラスメートたちが不安そうにしている中、日光が遮られる。
教室の窓を、シャッターが覆い始めたのだ。
こんなものまでついているのか、この学校……。
生徒はみんな不安そうで、お互いにヒソヒソ話し合ったり、席でジッとしていたり。
まあ、ここもつい先日襲われたばかりだしな。
みんな他人事ではないのだろう。
見ると、まきめは青い顔をして石のように固まっている。
「後藤さん……大丈夫?」
私がそっと肩に手を置くと、
「ご、ごめんなさい。何か色々きちゃって……」
言うなり、まきめはウッとうめいて、口元を押さえた。
あ、これはやばそう。
「ちょ、大丈夫!?」
エミリが飛んできて、まきめに肩を貸した。
「……トイレ、行く?」
私はまきめの背中を撫でながら尋ねた。
そして、私たち3人は女子トイレに向かうこととなったわけで。
「おええ……!!!」
トイレにつくなり、まきめは便器に嘔吐。
かなり精神的に動揺しているようだ。
その後、保健室に連れていくと――
保健室にはけっこうな数の生徒がやってきていた。
すでにベッドは満員である。
「一応決まりだから、あなたたちは戻って教室に待機して」
と、言われた。
どうやら学校中の窓にシャッターがおりているようで、どこも暗い。
何とも言えない、不景気な気分になってくる。
どこの出入り口も、警備員が立っているのだった。