その21、支援メカ到着!!
支援メカ登場回です。
「うん……?」
ベッドに入って、眠った――と思ったら。
どこか見知らぬ白い部屋にいた。
いや、白い空間?
上から下まですべて真っ白で、他に何にもない。
と、いうか。広いのか狭いのかすらわからない場所だった。
「あ、夢だコレ」
私がポンと手を打つと、
「いえ。違います」
後ろに、サラリーマン風のオッサンが立っていた。
「あんた……!?」
忘れようはずがない。
私に、あの変身の杖? を渡した謎のオッサンである。
「えー、今回はサポートのためのツールをお渡しに来た次第で……」
「いや、ちょいまち」
私は手のひらを突き出し、オッサンを止める。
「そもそも……。あんた誰? なんで私にあの杖を? そも、転生したのって……」
「あー、すみません。そういうことは話す権限がないのです」
説明を求める私に、オッサンは申し訳なさそうに言った。
「つまり、あんたはただの使いっ走り?」
「そんなところですか」
言ってから、オッサンはB5サイズほどのタブレットを渡してくる。
と、同時に何もない空間に巨大な倉庫みたいなものが出現した。
すごく、大きいです。
「中にどうぞ」
勝手に入り口が開き、オッサンは入っていく。
仕方なく、私もついていくと――
「うお!?」
自動車の整備工場みたいな施設の中、でっかい鳥のようなもの。
いや、黒い鳥型ロボット? だろうか。
男の子が見たら喜びそうなデザインである。
「これは支援用ツールです。有効活用してください」
オッサンが言うと、もらったタブレットに映像が映った。
どうやら、この鳥ロボットの説明書みたいなものらしい。
翼を広げると、10メートルくらいありそうなロボット。
ある程度自動で動いてくれて、戦闘に使える……と。
「変身アイテムじゃなくって、初めからこれくれればよかったのに……」
「はあ、すみません」
私の愚痴に、いかにも形だけの謝罪をするオッサン。
「施設は、後々にバージョンアップなどもできますので。これもご活用を」
言って、オッサンは背を向ける。
「ちょ、ちょっと、どうやってここから帰るの?」
私が言うと、フッと目の前に丸い穴が開いた。
のぞくと、私の部屋が見えた。
「この魔法空間は、出入りはご自由です。ご安心を」
言って、オッサンは消えてしまった……。
仕方なく、私は穴から部屋に戻る。
私が出てすぐに、穴は消え失せた。
意識してイメージすると、また開く。
「あら。便利……」
私は引きつった顔でつぶやき、ベッドに座り込んだ。時刻は早朝の5時過ぎ。